1336 質疑応答
「なあ?この「力」ってさ、何か使えば使う程に不利益が表面化してくるとか無い訳?」
「そう言った類の不利になる事は一切無いよ。だって竜と接触してもらうに当たってさ、そう言った事が起きたりすると駄目じゃない?」
「なあ、この「力」って使えば使う程に何か熟練度的なモノがあったりは?俺コレを長時間使ってるとさ、思考が、精神がオカシクなっていくんだよねえ。あ、解除して時間が経ったり、もしくは癒されたりした後には戻るんだけどさー?何かそういうの注意しておくことって無いの?使いすぎると寿命が縮むとかー?」
「そうだなあ。もう君は使い熟してるみたいだよ?長時間使用でそう言った精神汚染的なモノが発生しちゃうのは仕方が無いかも。だって曲がりなりにも僕の与えた「神」の力だしねぇ。人の身で耐えられないのかもね。だけど肉体寿命とかに影響は出ないはずだよ、それでも。」
今更この「力」の注意事項の説明を求める俺。そんな俺の横には全身をビクンビクンと跳ねさせ痙攣する白神が横たわっていた。
もう俺の中には怒りは無い。とりあえずもうこいつに興味も失せた。なので無視して黒神との会話を続ける。
「俺の生きてたそもそもの「日本」には帰しちゃ貰ねいのかね?」
「そうだね。無理だね。コレはもう主神様でも無理だよ。こっちに拉致?されてきたばかりだったらそれもできただろうけど。君もうこっちで大分長く生きてるし。申し訳無いね。」
「・・・ここから俺は出られるのか?この空間で残りの人生ぼーっと死ぬまでしてろって事で?」
「いやいや、そんな事はしたりしないよ。とはいっても戻って貰っても僕はやって欲しい事は君には無いしなあ?大体の事を済ませてくれたっぽいから、後は僕が久々に頑張るし。君はここから出たら自由だよ。」
「自由、自由ねえ・・・?なんだろうな?これ程までに響かない自由って・・・」
戻ったら俺に待ち受けているのは、このどうしようもない「運命」とやらだろう。これからも生きて行く上でこれから生まれては消えていくそうした諸々の「騒動」に俺は巻き込まれる人生なのだと。それは自由と言えるのかどうか。
俺の前に居た「黒き者」とやらはどんな人生を歩んでいたのだろうか?俺がこんな事になっているくらいだから、きっと以前に生きていたそいつも「たまったモノじゃない」人生を送っていたのだろうな、と思う。
「じゃあもう他に聞きたい事って無いかな?ちゃんと心残りの無いように、せめてそこら辺はしっかりと疑問解消をさせてあげるよ?」
「もう、良いんじゃないかな?無い、と言えば、それは本当では無いけど、聞いたところで余計に落ち込むって分かってる。」
「じゃあ君をあの湖に戻すね。いやー、かなり君には色々と迷惑かけちゃったけど、助かったよ。ありがとうね。それじゃ、バイバイ。」
黒神がそう言い終わった時にはあの澄んだ湖が目の前だった。
「戻ってきた、かぁ・・・それじゃあ、闘技場都市に一旦戻るって言う目標の続きをしよう。」
======== ==========
「・・・あれ?そう言えば大分昔に彼と同じ様に力を与えた奴がいたんだよなあ?ああ、その時にはうまく竜の所に案内できるようには出来なくて半分失敗した様な感じだったんだよなあ?今回と与えた力は一緒だったんだけど、もしかして彼に押し付けられた運命の捻じれが相乗効果を発揮してくれたのかな?まあ、いいや。久しぶりに仕事仕事、っと!」




