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双竜  作者: スカイホース
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洞窟

長いドライブの末、洞窟にたどり着いた。車に長い時間乗っていたせいか、歩くことに、違和感を感じていた。

双刃鎌というのは、洞窟の中に垂れている、二本の巨大な鍾乳石のことのようで、洞窟に入ってきた者を、襲おうとしているかのように長く、鋭い。

洞窟に入る前から見えるほど長い、その鍾乳石を、中に入ってじっくり見ようと思い、入り口に近付いた時、入り口の形を見て、ふと、本に書いてあったことを思い出した。

昔ここは、山の上にしか入り口がなく、下へ行くにはロープしかなかったという。足場もないため、ロープなしでは、入れも出れもしない。そんな危ない洞窟だったのだが、戦争で空襲があった時、一つの爆弾が、洞窟の近くに落ち、山の一部が壊れたために、今の横入り口ができたのだという。

そんなことを思い出しながら入ると、頭との距離が三メートルくらいしかない、超巨大な鍾乳石が、二つ、見えていた。

興奮して鍾乳石に近づくと、"グチャ"。何か踏んでしまったようなので、慌てて足を引くと、そこには、おびただしい数の、骸骨が転がっていた。

慌てて後ずさりした。そうだった。これも本で読んだことだが、この洞窟、時々、聞いたことのないような鳴き声がして、山に登った人たちは怖がり、その鳴き声を聞いて、その洞窟には、神がいると信じた。

鳴き声が聞こえるのは、神が、怒っているからだ。 そう信じていた、昔の人たちは、鳴き声が聞こえた日には、生贄として、男女3人ずつを、穴に落としていったという。

ここにある骸骨は、その生贄の末路だろう。そう考えてみると恐ろしい。

しかし、もう大丈夫だ。

神なんていないわけだし、第一、本当に神がいたのなら、自分が入ってきた時に、既に、怒っているはずだ。

侵入者を襲わない神なんていない。そう、思っていた。

神の存在を信じていた、昔の人がバカだったんだ。

そう思って、骸骨に触れて見た。ところどころ、骨がないのが不思議だが、まさか、神がいたなんていうことはないだろう。

探索を続けよう。そう思って、立ち上がった。その時。

聞いたことのない鳴き声が、奥の方から聞こえてきた。

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