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家政魔導士の異世界生活~冒険中の家政婦業承ります!~  作者: 文庫 妖
第2章 使い魔の里帰り

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49 幕間・使い魔ルリィの日記

お待ちかね(?)のルリィの日記です。

どうやら人間に対する認識で一部に大変な誤解があるようです。

■十一月×日

 なんだか最近街の中に人が多い。生誕祭が近いとかで観光客が沢山来てるらしい。人が沢山来て街も綺麗に飾りつけして、美味しい物も沢山売られるらしい。肉はあるかな。大蜘蛛の丸焼きとかないかな。あれは焼いたら美味しいと思う。外側をカリッと焼いて、中は……。

「どうしたの、兄さん」

「いや、何か寒気がな……」

ザックは風邪を引いたみたいだ。アレクよりも若くないらしいので、身体には気を付けて欲しいと思う。



■十一月×日

 今日は色んな人の道案内をした。なんか変な人ばっかりだった。シオリに触ったり腰を抱いたり手をつなごうとしたり、そんな人ばっかり。変な三人組はシオリを変な店に連れて行こうとしたので丸呑みにしてやろうと思ったら、ちょうど騎士の人が来たので引き渡してやった。

 でも一番最初に案内した人達が一番変だった。スライムがあんまり怖くないみたいで、沢山撫でてくれた。悪い気はしなかった。

 なんだか金髪の人がアレクに、あと薄茶色の髪の人がザックに気配と匂いが似てる気がして観察してたら、急にシオリを抱き締めて吃驚した。シオリももの凄く吃驚してたから止めれば良かったかもしれない。



■十一月×日

 今日の夜は「使い魔の宿り木亭」で夕御飯だった。ここの御飯は魔獣が好きなメニューが出るから嬉しい。雪見鳥の臓物シチューと串焼きがおススメ。血も残さずシチューに使っててとても美味しい。ここのお店の人は分かってるなぁと思っていたら、店主が元冒険者の魔法剣士で、使い魔にも詳しいのだそうだ。

 シオリとアレクはまだ食事中だから使い魔用の遊び場で遊ぶことにしたら、吹雪猫のシグルドとアイロラ蝙蝠のクリスタが先に来てたから、皆でお喋りして過ごした。でも、ほとんどシグルドの愚痴を聞いて終わったような気がする。まぁ、面白かったからいいんだけど。

 シグルドの主人は魔導士だ。でも魔力が尽きて戦えなくなった時の為に身体も鍛えてる変わり者らしい。魔法研究だけでなく、筋力トレーニングとか組手とかにも熱心で、脱いだら凄いらしい。

 でも肉体強化に熱心過ぎて魔法の発動の仕方もおかしくなって、最近では「メテオストライク(物理)」とか「ウィンドカッター(気迫)」とかやり始めて大変だそうだ。それってもう魔法じゃなくて、シオリが言っていた東方の神秘「気」とかいうやつなのでは……。

 そのうち転職しそうな勢いだそうだ。大変だなぁ。

 もっとも、彼の使い魔のシグルドも十分に変わり者だ。背中の羽なんかもう退化してて飛べないはずなのに、気合で飛べるようにしたそうだ。足元に魔力を集中させて身体を浮かせているらしい。

 ……いや、それも魔力じゃなくて「気」なんでは……。



■十一月×日

 今度里帰りすることになった。やったあ!

 早速瑠璃色の同胞に連絡した。他の同胞達にも伝えてくれるみたいだ。また皆で一緒に遊ぼう。楽しみだなぁ。



■十一月×日

 今日は里帰りの日!

 楽しみ過ぎてあんまり寝られなかった。朝からはしゃいで沢山ぽよぽよしたせいか、夕方くらいからもの凄く眠くなってしまった。

 シオリのお風呂に浸かっているうちに寝てしまった気がする。目が覚めたら朝だった。なんてこった。シオリの御飯を食べ損ねた。

 そういえば昨日の夜はナニもなかったみたいだ。

 まだ森に住んでいた頃に人間が森で交わっているのを見たから、きっと二人もそうするんだと思ってたけど。それにしても人間は大変だなぁ。街に住んでるのに、交わる時は森に来なきゃいけないなんて。



■十一月×日

 今日一日でシオリはアレクと凄く仲良くなったみたいだ。シオリの少し硬い感じが無くなった。良かった。やっぱり人間には「言葉」が大事なんだなと思う。自分は言葉が喋れないから、慰めるにも限界があるし。

 それにしても、同胞達は皆元気そうで良かった。前よりも肌がつやつやぷるぷるになっていて羨ましいと言われた。やっぱりシオリの魔法の水のお蔭かな。まだまだつやつやぷるぷるになるよ!

 同胞達とは一日沢山遊んだ。鬼ごっこしたり、かくれんぼしたり、ぷるぷる自慢したり、最近食べた一番美味しい物自慢したり。今日は夜更かししていっぱい遊ぼう。川下りは……え、もうやっちゃったんだ。残念。

 シオリとアレクがなんだか抱き合ってるのを、面白がって見に行っている同胞が居たから連れ戻した。見るならこっそりにしてと注意しておいた。



■十一月×日

 昨日はいっぱい遊んで、今日は帰る日。

 帰る前に皆がシオリの水が飲みたいと言った。シオリは優しいからおねだりしたら大丈夫じゃないかな。

 ……って言ったら、同胞達で二人を取り囲んでしまって、アレクが吃驚して抜刀していた。そこはちゃんと可愛い形にならないと!

 可愛い形になったら、やっぱり大丈夫だった。シオリが皆の分の水を作ってくれた。アレクも手伝ってくれたので、皆大喜びだった。桃色の同胞はアレクの水を気に入ったみたいだ。

 水を飲み終わったら、同胞達とお別れ。

 また今度ね!

 それにしても、なんだか森の奥が騒がしいような。何かあったのかな。



■十一月×日

 うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ雪狼の群れが森から溢れたあぁぁぁぁぁぁ!

 どうしたのか訊こうにも、怒り狂ってて話にならなかった。シオリとアレクにも襲い掛かって来るし、人間の村は襲うし。シオリは屋根の上に避難してくれるらしい。だから自分はアレクと一緒に戦うことにした。

 アレクとは結構息が合った。一緒に戦いやすい。うーん、アレクさえ良ければスライムと使い魔契約してもいけるんじゃないかな。



■十一月×日

 雪狼が怒ってたのは、身重の番を人間に連れ去られたかららしい。それは確かに怒っても仕方ないなあ。連れ去ったのはこの村の人間じゃなくて、外から来た悪い人間らしい。

 捕まっていた雪狼の雌は、シオリが協力して全部解放された。そうしたら雪狼達は大人しく帰って行ったけど、村はかなり大変な状況らしい。本気で怒った雪狼の群れを相手にしたのだから当然だ。

 彼らを怒らせた人間達は、騎士隊に捕まったようだ。大人しく人間の裁きを受ければいいと思う。

 ……とか呑気に考えてたら、シオリが怪我してた!!

 悪い人間の一人にやられたらしい。気付かなかった。酷い怪我してる。どうしよう、どうしよう……守れなかった……。



■十一月×日

 シオリの怪我はエレンが治してくれた。ありがとうエレン! 痕も残らないって。良かった。

 でも、前にシオリの仲間だった人間に虐められて付いた傷は治らないらしい。アレクも物凄くショックだったようだ。シオリも沢山泣いていた。人間は心にも怪我をするらしい。身体の怪我と違って心の怪我は治りにくいのだそうだ。下水道の爺さんが前に教えてくれた。

 シオリとアレクは沢山お話していた。沢山お話して、前よりもっと仲良くなったみたいだ。二人の気配が凄く柔らかくなった。

 ……あれっ? ここでするの?

 森じゃないの?

 と思っていたら、口付けするだけだった。



■十一月×日

 瑠璃色の同胞から連絡が来た。変な人間を森の中で捕まえたらしいから見せて貰ったら、雪狼に悪い事をした連中だった。

 大人しく人間の裁きを受けていれば良かったのに、わざわざ森の中を逃げるなんて馬鹿だなあ。せっかくだから、雪狼に引き渡しておけばいいんじゃないかと言っておいた。そうしたら、雪狼も飛んできたみたいだ。やっぱり自分の手で仇討ちしたいものね。



■十一月×日

 帰って来たらシオリが熱を出したので、アレクを呼びに行った。今日は泊まって看病してくれるみたいだ。良かった。シオリも早く元気になるといい。



■十一月×日

 良かった! シオリの熱が下がった。アレクみたいに重くならなくて良かった。

 元気になったらいつも通りに早起きして朝御飯を作り始めた。治ったばかりだから止めておいたけど、やっぱり聞かない。アレクにも何か言われるんじゃないかと思っていたら、案の定怒られていた。

 約束を破った罰に、何か印を付けるらしい。でもなんだか前に森で見た人間の番と同じ雰囲気になってきた。森ではなくて今ここでするんだろうかと思っていたけど違ったみたいだ。森ではない場所でしようとしたから、アレクもなんだか焦っているようだ。頭を冷やしてくれと言われたから水を掛けてやろうとしたら、止められた。

 残念。一緒に水遊びが出来ると思ったのに。水ではなくて雪の方が良かったのかな。



■十一月×日

 今日はシオリが携帯食を作る日なので、ひとりでお出掛けした。

 マリウスの店とベッティルの店で害虫駆除のお仕事をしてから、市内をお散歩していたら、クレメンスに会った。お酒を買いに行った帰りらしい。珍しい東方のお酒が手に入ったらしいので見せてもらった。麦で作ったお酒で「千年の孤独」という名前だそうだ。

 ……。

 結構長引くタイプのようだ。早く立ち直ればいいと思う。



■十一月×日

 瑠璃色の同胞経由で桃色の同胞から連絡が来た。

 人間と友達になって、王都まで行く事になったそうだ。ペルゥという名前を貰ったらしい。自慢してた。そうだよね、名前貰うと嬉しいよね!

 新しい友達はオリヴィエルという名前で、アレクの兄弟らしい。金髪で濃い紫色の目をしてアレクと気配が似ている人……って、この間会った人のような気がするなあ。

 人間との生活で分からない事は訊くこともあるかもしれないらしい。普段は通信を閉じたままにしているけど、これからは開く事が増えるかも。情報交換が出来そうで楽しみだ。

ルリィ「でもあれ以来森でしている人を見たことがない」


いつか誤解が解ければいいと思います。



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― 新着の感想 ―
スライムとかフェンリルとか、魔物を仲間にする系の小説好きなんだけどルリィが一番好きだなぁ(о´∀`о)
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