22 登場人物紹介(第六章までネタバレあり)
本日2本同時投稿です。
■アレク・ディア
本作男性主人公。もうじき35歳。名実ともにおっさんになりそう。A級冒険者。魔法剣士。トリス支部所属。現国王オリヴィエルの異母兄で本名はアレクセイ・フレンヴァリ・ストリィディア。シオリの恋人兼パートナー。同棲を始めて2ヶ月になるシオリとはまだナニもない。ルリィにはいつまで精神力のステ上げしてるんだろうと思われている。
東方人剣士のショウノスケと出会い、お互い裏稼業をしていたという過去から意気投合。彼とはちょっとした友情を育んだ。たまに手紙や剣術書のやりとりをしている。彼の手紙がなんとなく大蒜臭い気がするのはきっと気のせいだと思っている。しかし、今度臭い消しにロース・トヴォール社の石鹸を贈ろうかと思案中。
もうシオリなしの人生は考えられないほどに彼女を愛しているので、彼女が何者であっても愛は変わらないと思っていたが、もっとずっと先になるだろうなぁと思っていたシオリの最後の秘密を成り行きで打ち明けられ、本当に只者ではなかったと知ってさすがに驚愕する。
豊富な知識と技術を持ち、一時期は聖女再来として注目されていながら非常に立場が弱い彼女を護るためには力と権威が必要と考え、正式に王族籍に戻ることを決めた。弟王の考えはまだ聞いていないが、一旦王族籍に復帰した上で臣籍降下するのが妥当かと考えている。しかし勿論身分だけでは足りないので、地盤固めにやれるだけのことはやるつもり。
今まで断り続けていたS級昇格の打診を次こそは受けようと思っているが、実際にはS級になれるほどの功績は上げていないとも思っているので、今まで以上に仕事を頑張るつもり。ルリィにはちょっと真面目過ぎやしないかと思われている。
ルリィに心の中で突っ込みされることが最近増えてきている今日この頃。
シオリの故郷の幻影に映り込んでいた「飛行機」なる乗り物がちょっと気になっている。模型があったら欲しい。
■シオリ・イズミ
本作女性主人公。31歳。日本からの転移者。本名和泉詩織。B級冒険者。家政魔導士。トリス支部所属。アレクの恋人兼パートナー。同棲を始めたアレクとはナニもないが、散々味見はされている。ルリィにはこれってほとんど本番も同然なんじゃないかなぁと思われている。何がとは言わないが最後までしてないだけ。
最近のお気に入りは、寝起きのアレクの髭剃り前の顔を撫で撫でじょりじょりすること。こういう野性味のある男っぽいところも色気があって素敵とうっとり。
東方商人のヤエと出会い、料理指南を通して意気投合。たまに手紙やレシピ、贈り物のやりとりをしている。時折手紙に何故かバルト・ロヴネルのことが書かれていてちょっと気になる今日この頃。餌付けしたんだろうかとうっかり失礼なことを考えてしまった。
アレクには自分の正体を打ち明けるのはもっと先かと思っていたら、成り行きで何の覚悟もしないままつるっと異世界人であることを暴露してしまった。正直人生終わったかもと死を覚悟するほどだったが、海よりも深く宇宙よりも大きいアレクの愛の前では大した問題ではなかったようだ。兄代わりのザックやクリストフェルにも認められて一安心。しかし「アレクと一緒になれないなら殺してくれ」と迫るなど驚くほどの苛烈さを見せてクリストフェルをぎょっとさせる。
この世界ではシオリ自身の「価値」が高いかもしれないということを指摘され、自分が持つ知識や技術を悪用されないためにも、なによりアレクとこれからの人生を生きるためにも自らの地盤固めが必要と考えるようになる。お世話になった王国の人々に恩返しもしたい。ので、知識や技術の提供でもできればいいなぁとなんとなく思い始めた。
差し当たってはフリーズドライ食品製造の業者委託かなぁと思っている。
■ルリィ
本作魔獣主人公。地球の色のようなスライム。年齢は数えていないのでよくは分からないが、多分実年齢は五十歳前後。しかし分裂前の個体の記憶も全て受け継いでいるので、精神年齢は優に百年を超えるかもしれない。シオリの使い魔兼友人兼害虫駆除業者。トリス支部に所属。
最近はシオリとアレクのいちゃいちゃを眺めながらおやつを食べるのが趣味。幸せな二人を見ながらシオリの焼菓子やアレク特製の燻製を食べるのが至福のとき。
害虫駆除業が忙しくなってきたし、イェンスにも頼まれたので、本格的に蒼の森の同胞を呼び寄せようかと思っている。実は人間の友達が欲しい同胞がもう二匹ほどトリス市の西門付近まで来てうろうろしている。かくれんぼして誤魔化しているが、トリス支部の最高齢冒険者の爺には気付かれている模様。
シオリの宇宙の幻影を見て、いつか宇宙旅行してみたいなぁと思っている。
■ヤエ・ヤマブチ
正式名は山渕八重。29歳。遥か東方の国、瑞穂の商人。楊梅商会の幹部。ストリィディア王国支社の代表。食いっぷりや腕っぷしのいい男が好み。両方兼ね添えているとなお良い。
鎖国していた瑞穂国遠狭藩の姫君だったが、開国後の混乱で身分と領地を失った。一家は路頭に迷い掛けたが意外な商才を見せた父が貿易業で成功を収め、家臣共々なんとか助かったという経緯がある。姫君時代のヤエは花嫁修業くらいしかしていない深窓のお姫様だったが、必死の努力で交渉力と語学力を身に付け現在に至る。
当初は王国で苦労しているというシオリを瑞穂に連れ帰るつもりでいたが、アレクを始めとした人々と良い関係を築き、王国に根を下ろす決心をしていた彼女に安堵。東方の調味料を使った王国料理の指南を受け、ほくほく顔で帰っていった。シオリのことをなにやら天女のような不思議な女人だなぁと思っている。
腹心のショウノスケに一時期仄かな恋心を抱いていたこともあったが、今では頼れる同士。商談で会ったバルト・ロヴネルがなんだかショウノスケに似ていると思っている。気になる気になる。気になり過ぎて本人が気付かないまま各所で名前を出してしまい、あちこちで「おや?」と思われている。文通相手のシオリにも「あれ?」と思われている。
■ショウノスケ・ゴトウ
正式名は後藤象乃介。33歳。本人はヤエの用心棒だと思っているが、実際には腹心である。東方剣術の達人。元公儀隠密の卵。
十代前半まで公儀隠密の卵として修業していたが、開国して政治体制が代わり組織が解体。正式デビューする前に解雇されてしまった――というのは表向きで、実は完全解体ではなく組織の一部は残されており、若者達の前途を案じた幹部が完全に裏稼業に染まり切る前の彼らを解放したという経緯がある。無論ショウノスケ達はそれを知らず、それぞれが日の当たる生活に戻っていった。
とはいえ幼少期から隠密の世界で生きていたショウノスケに違和感を覚える者も多く、堅気の仕事に就けずに路頭に迷っていたところをヤエに拾われた。ヤエの二人の兄には「可愛い妹に変な虫が」的な意味で警戒されていたが、本来の彼は忠実なワンコのような性質なので、今ではすっかり信頼されている。
ヤエに付き従って各国を巡る最中バターと大蒜に出会い、世の中にはこんな美味いものがあるのかと衝撃を受けて以来大好物である。常にバターと大蒜の匂いがするので、もう完全に隠密は無理だなぁと周りには思われている。ルリィにもなんだか美味しそうな匂いがするなぁと思われている。なにしろバターと大蒜の瓶を常に懐に忍ばせているので。
研師の磯という恋人がいる。大蒜臭を漂わせたままプロポーズして周囲には呆れられているが、本人達は幸せいっぱい。近日中に祝言を上げる予定。
■楊梅商会の人々
ヤエなどの山渕家の人々が世界各地で保護した訳有りの東方人集団。瑞穂人以外にも沢山いる。帰る場所がある者は保護された後郷里に戻されたが、行き場がない者達のほとんどは国外の支店で活動している。色々な苦労はあったが、現在は異国暮らしをそれなりに楽しんでいる模様。
■ザック・シエル
トリス支部マスター。40歳。S級冒険者。剣士。シオリとアレクの兄貴分。公爵家当主エドヴァルド・フォーシェルの異母兄。二十五年前に事故死した第二王子の元側近。黒い虫が大嫌いで、害虫駆除が得意なスライムの使い魔が欲しいと思い始めた今日この頃。
少年時代に仕えるべき主にして親友を立て続けに二人も失い、その上妹のように可愛がっていた親友の許嫁まで本国の内乱で消息不明になり、すっかり心が折れてしまった。不甲斐ない自分を鍛え直すために嫡子の立場を正妻の子である異母弟に譲り、自身は市井に身を投じた――という過去がある。
元監視対象にして妹分のシオリが天上人どころかこの世界の人間ですらなかったと知って心の臓が飛び出るほど驚いた。全てを信じた訳ではないが、嘘は言ってないんだろうなぁと思っている。とにかくシオリとアレクが幸せになってくれればそれで良いと願う日々。
実はシオリの故郷の幻影に映り込んでいた馬代わりの「大型二輪」なる乗り物がちょっと気になっている。格好良いし乗ったら楽しそう。
■クリストフェル・オスブリング
トリスヴァル辺境伯。41歳。ザックの友人でアレクの兄貴分的存在でもある。大変な愛妻家で、初めて会う人全てに出会い秘話を語るという熱愛っぷり。親友ザックには呆れられている。弟分アレクには毎回聞き流されている。
意外な苛烈さを見せたシオリを「とびっきりのいい女」と評している。
元監視対象だった「天女」が天上人どころか異世界人だったと知って肝が潰れるほど驚いた。シオリと対談し、全てを信じた訳ではないが嘘は言っていないという判断を下す。大事な弟分の恋人で色んな知識と技術を持つシオリをどう護るかなぁ、ついでにフリーズドライ食品も騎士隊の戦闘糧食に加えたいなぁと思案する日々。
シオリの故郷の幻影に映り込んでいた「緊急車両」なる乗り物がちょっと気になっている。医療馬車に明滅する魔法灯を付けたらどうかなと提案して側近に待ったを掛けられた。
■クレメンス・セーデン
シオリとアレクの友人。36歳。A級冒険者。双剣使い。トリス支部所属。滴るような美形だけど残念なヒロイン気質。実は冒険者用品専門店エナンデル商会の親会社で老舗ホレヴァ商会会長の次男坊。これにはシオリもびっくり。
アレクとは同期で親友。現国王の異母兄であるアレクの正体を察しているが、直接確かめたことはない。シオリに抱いていた恋心も今では解消し、同僚のナディアとスローペースながらも良い関係を築いている。
最近知り合った東方の剣士ショウノスケと仕合し、惜しくも負けてしまった。ショウノスケが諜報員か何かだったことには薄々勘付いている。しかし何故いつ会っても大蒜とバター臭いのかと疑問に思っている。
最近のお気に入りは串焼きに柚子胡椒を付けて食べること。気に入り過ぎてとうとうお取り寄せしてしまった。
■ナディア・フェリーチェ
シオリとアレクの友人。38歳。A級冒険者。上級魔導士。トリス支部所属。姐御肌でボンキュッボンの妖艶な美女。冒険者業と美容の両立の研究に余念がない。
旧リトアーニャ王国出身の元貴族。内乱で家族を亡くし、他国に嫁いだ姉が一人いる以外に身寄りはなく、流れ流れて亡くなった許嫁の国に辿り着いた。この許嫁は二十五年前に事故死した第二王子ヴァレンティン・ユーリウス・ストリィディアのことで、アレクとオリヴィエルの義姉になるはずだった。貴族女性としてよりも市井で生きてきた年数の方が長く、貴族の生活に全く未練はないが、身に付いた美しい立ち居振る舞いは失われていない。色々と振り切った今では存分に好きなファッションと食事を楽しめる冒険者生活を楽しんでいる。
最近は同僚のクレメンスと良い仲。まだ恋人とは呼べない間柄ながら既に熟年夫婦のような関係で、実際若手冒険者からは夫婦だと思われている。彼との言い合いもまた夫婦漫才が始まったなぁと思われる始末。
最近のお気に入りは柚子胡椒味の牛肉を肴に梅酒や味醂を飲むこと。シオリお手製柚子胡椒ドレッシングのサラダも好き。
■オリヴィエル・フェルセン・ストリィディア
ストリィディア王国国王。アレクの異母弟。34歳。家族は妻一人子四人+使い魔一匹。
近代化が進む中で様々な改革を推し進めており、最近では形骸化していた側室制度を廃止した。本来後継確保のための制度であったが、倫理的な問題の他、食料事情の改善や医療の発展で乳幼児の死亡率が下がり寿命が延びたことで、近年ではただ単に合法的に愛人を囲う手段と化していたためである。古い世代からは反発が多かったが、淡泊な今どきの若者には意外にも支持された模様。しかしながら結果として嫁ぎ先が減り、政略の手段として生めや増やせやで数多くいた貴族女性の未婚、晩婚化が増えるなどの問題もあり、対策に頭を悩ませているようではある。
元監視対象の「天女」が異世界人だったと知って驚いたが、それ以上に身分を偽って生きていた異母兄のアレクから王族籍に復帰したいと打診があって色々と吹っ飛んだ。しかしアレクのことだから臣籍降下して縁の下で働きたいとか言い出すんだろうなぁと思っている。
ところで最近王立生物工学研究所から「雪男の調査が終わったら剥製にして飾ります?」と連絡があって困惑している。不気味だし夜な夜な動き回りそうで怖いから要らない。
■アンネリエ・ロヴネル
名門ロヴネル家の当主にして新進気鋭の女性画家。25歳。シオリの友人。デニスの婚約者。領主としての仕事の他、画家業や婚儀の準備などで忙しくも充実した日々を送っている。
新年の顔合わせを兼ねた一族の食事会で醤油を使った料理が大受けし、本格的に醤油を取り入れようと呼び寄せた楊梅商会のヤエと意気投合。シオリに興味を示したヤエを彼女に紹介する。当初は料理指南のためのはずだった会談が、会わせてみたらシオリを東方に連れ帰る話になってしまい、シオリの様子がおかしくなってすっかり慌てしまった。しかし結果として良い方向に向かったようなので内心安堵している。
実は配下に命じて密かにシオリを調査させていた。調査の結果、彼女がトリスヴァル辺境伯の庇護下にあることが判明したものの、シオリ本人の詳しい情報は得られずますます謎が深まってしまった。しかしこのまま良好な関係を続けられたらいいなと思っている。
最近味噌チーズケーキと味噌入りポタージュスープにはまっている。
■デニス・ロヴネル
名門ロヴネル家当主の腹心で婚約者。26歳。ロヴネル家の傍流の血筋だが、同時に帝国人の血も引いている。シオリとアレクの友人。手料理が得意。実母は特定のスープ料理以外は壊滅的な腕前で、代わりに炊事を担当していたデニスはすっかり料理が得意になった。
婚約者アンネリエの補佐で忙しい日々を送りつつも、充実していて幸せだなぁと思っている。過去の問題を全て解決し、憂いのなくなった今はすっかり落ち着いている。これまでが苦労し通しだったので、そんじょそこらのトラブルでは全く動じなくなった。彼を良く思わない人々からの嫌味攻勢も塩対応で、相手をキィキィ言わせている。
シオリとの出会いで「簡単で美味い男の手料理」にはまり、研究を重ねる日々。試食目当てに彼に取り入ろうとする者もいるとかいないとかいう噂。
最近緑茶に目覚めた。アンネリエは彼の赤毛と緑茶の濃緑の対比が綺麗と呟き、そばで聞いていたバルトはさすがにこの惚気には閉口したという。
■バルト・ロヴネル
今回もお留守番。名門ロヴネル家当主の腹心で幼馴染み。26歳。ロヴネル家の傍流の血筋。男爵家嫡子。見た目はワンコ系食いしん坊だが、補佐官としてはかなりのやり手。怒らせると切れ味の良過ぎるミスリルソードのようになる、らしい。
シオリにはルリィが人化したらこんな感じかもと思われている。ルリィにも親近感を抱かれている。
食べることが大好きで基本的に好き嫌いはないが、デニスの実母が作った謎の煮込み料理だけは無理だった。緑青色の濁った液体に虚ろな目玉が浮いたあのスープは一体何だったのか今でも謎。
最近は東方の菓子がお気に入り。お茶請けに個人的に取り寄せた煎餅や干菓子を振舞うこともあるようだ。楊梅商会のヤエのことがなんとなく気にならないでもないが、甘い菓子と関連付けられた記憶なのでバルトらしいと言えばバルトらしい。
■カセロ・フランコ
輸入食品店「カセロ」の店主。46歳。トリス市在住南国系移民の顔役。エスパニョール王国出身。
陽気で人懐っこく、貧しい移民には安価で食料を売るなどして慕われている。が、裏では世情に疎い移民を騙してぼったくり販売を繰り返し、小金を稼いでいた。金を持っていそうな客を選んでいたとはいえ立場が弱く孤立傾向にある移民を狙う遣り口は極めて悪質で、最終的に怒れるアレクに「成敗」された。
悪事がばれて常連客や友人の何人かを失い、「パパって最低!」と末娘に一時期は絶交されるなどなかなかの罰を受けたようだが、それもカセロは「順当な罰」として甘んじて受けたようである。
改心後は真面目に頑張り、後にチェーン展開するほど商売を拡大させた。新聞や雑誌にコラムを書いたり、とある公爵夫人のレシピ本執筆に協力するなど充実した晩年を過ごしたようだ。
茄子と茸と羊肉の味噌炒めを肴に酒を飲むのが最近のお気に入り。
脳啜り「アレクってそのうち精神力だけカンストするんじゃね?」
イール「ぬ? 精力とな?」
ルリィ「否定できないところがなんとも……」
これまで頂いた感想は全てありがたく読ませて頂いています。ありがとうございます(*´Д`)
多忙にて前回投稿分までの感想のお返事は明日以降させて頂きますので何卒ご容赦くださいませ。




