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私に構わんといて  作者: ぽっちゃま
16/18

アラスロンの仕事 1

誤字、脱字が多くてすみません(/_;)

宜しくお願いいたします。

 今日からアラスロンの所での仕事。今日も厳しい午前の教育をこなし、宰相家の馬車に送られ城にやって来た。城門を守る衛兵は昨日食堂にいた人物らしく、絵里様、今日からアラスロン様の所ですね、頑張って下さい、と気軽に声をかけてくれた。思わずありがとう、頑張るわなと声を返し、アラスロンとの待ち合わせ場所に向かう。


「絵里、こちらです」


「あ、ごめん、待った?」


「いえ、今来たところですよ。さあ、お腹が空いたでしょ、今日も食堂でしたね」


「そうやな、アラスロンは騒がしいのはあんまり好きじゃないのに御免な。」


 昨日食堂を後にする時、料理人達に凄く美味しかったです。ありがとう。とそれはそれはキラキラな笑顔で言われた料理人達は、明日も是非食堂に来てくれと絵里に申し出ていた。強く押しきられたので、今日の昼食も食堂だ。勿論美味しかったし、今日から城できちんとお仕事をするので食堂で食事をする事に躊躇いはない。

 だが、アラスロンは何時もは食堂にはいかないらしい。きっと騒がしいのが苦手なんだろうと絵里は思った。


「何を謝るんですか、私は何も問題無いですよ。何時もは時間が勿体なく思って職場で簡単に食事を済ませ、直ぐに仕事に取り掛かっていましたが、昨日きちんと昼食を食べ、休憩をしっかり取ったら午後の仕事の効率が上がりました。適度な休憩は必要だと絵里がわからせてくれたんですよ。まあ、昨日の食堂は少しばかり何時もと違ったようですが。今日は大丈夫でしょう。」


「ありがとう。ほな、行こか」


 ********************************************************


(何! この人だかり)

 食堂の入口は人で溢れていた。勿論中もだろう。

 基本ここの食堂は午前11時から午後3時までが開いている。各々が時間をずらしながら昼食を取りにくるし、食堂を利用しない者もいるので、今までこんなに人で溢れることは無かった。

 昨日の絵里の事が瞬く間に城中に広がり、絵里を見たさに皆が寄ってきている状態だった。そんな事などつゆとも思っていない絵里は単純に人の多さに驚いている。


「どうする、アラスロン、時間ずらす?。でもこの人だかりだと今日は食堂無理みたいやな」

 今日は食堂は無理かなと諦めかけた時


「おーい、絵里」

 第2騎士団の一人が絵里を見つけ食堂の入口から手招きをする。その絵里と呼ぶ声に入口で中を覗いていた人達が一斉に絵里の方を振り替える。

(えっ、何?) 思わず隣のアラスロンにしがみ着くとアラスロンに抱き上げられた。 その時、キャーやらオーやら叫び声が聞こえたが、絵里はそれどころではない。


「人混みは小さな絵里には危険ですから」


「大丈夫やよ、重いやろ、下ろして」


「大丈夫です」

 相変わらず無表情で絵里の方を見てはそう答え、手招きする騎士の方へと歩みを進める。

 淡々としているアラスロンにこれ以上言っても無理だと諦める。何だかんだこっちの世界の人達には、やりたいようにやらせておくのが一番平和ではないのだろうかとこの2日程で学んだ。皆絵里を抱き上げては満足そうなのだ。無表情なアラスロンは嬉しいのかどうかはわからないが。


「絵里、皆が席を取って待ってますよ、アラスロンさん変わりましょうか?さあ、絵里をこちらに」


「いや、問題無いですよ、このまま行きましょう」


 そう言ってアラスロンは絵里を抱き上げたまま食堂に入って行こうとする。

 いや、僕が絵里を、いや大丈夫ですとやり取りは続く。絵里を見付けた人達は何故か道を譲ってくれるので、問題なく食堂の中に入れた。周りからは、ひそひそと(まああ、あの子が絵里ですって、たいしたことないですわ)(おい、絵里ってあの子だ、可愛いよな、本当に22歳か?) 色々言っているようだが、やはりお腹が空いて食堂を前にした絵里は、意識が食べ物に向かい周りの声など雑音にしか聞こえていなかった。


「おーい、こっちだ」

 大きなヒースの声が聞こえた。その回りには騎士団の人々。食事は既にテーブルに並べられていた。

 食堂にいた男性は絵里が今日は何処に座るのだろう、席を迷っていたら自分の隣に誘おうと、ずれれば一人分の席は作れるように余裕をもって座っていた。女性達はアラスロン様が隣にと、男性達と同じく余裕の席の取り方をしていたが、やはり騎士団の面々には敵わなかった。


「みんな、こんにちは。ごめん準備して待っとってくれたん? ありがとう、今日も一緒やな」

 皆を見回し無邪気な笑顔を振り撒く絵里。午前中の疲れはどこえやら、絵里の動向を見つめていた周りの男性は相変わらずこの笑顔にノックアウト。女性にも一部の人を除き、心癒された瞬間だった。


「なあ、何処に座ればええの?」

 ヒースの所に行ってみたが、席は一人分しか空いていない。迎えに来てくれた騎士は既に席に着いているしアラスロンと自分で席は二人分必要だ。すると席を立ったヒースはひょいっとアラスロンの腕の中から絵里を奪い自分の席に座り膝に絵里をおく。ここが席だよと。

 いやいや、おかしいやろと反論するが、

 昨日と同じだろ?それとも椅子の上に膝立て行儀悪く食べるか?椅子のサイズがあわないだろと言われ、やはりなされるままの絵里だった。

 アラスロンは無言でヒースの隣に座り、絵里に料理を取ってくれる。

 その後も昨日と同じく一定時間ごとに皆の膝の上を代わる代わる移動させられ周りの人々の注目を浴びなから昼食をとった。 (膝の上に人を乗せて食べるのは自分達が食べにくかろうに変なの)

 今日はシャベールが城下町の警備の日らしくいなかったので、エロいことがなく済んで良かったと密かに思った絵里だった。

 お腹も満たし、料理人達に今日も美味しかったと挨拶をし、満足をした絵里はアラスロンと共に今日からの職場に向かった。

 そんな絵里の背を、早く自分の職場の順番がこないかなと思いながら見送った者あり、アラスロンと同じ職場の者はいち早く職場に戻り、早く来ないかと職場の入口を見つめる者あり、騎士団の面々は早く3時にならないかと、今日も今日とて絵里の周りは忙しない想像が交差していた。でも、皆楽しそうだ。



お読み頂きありがとうございます。

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