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むかしばなし  作者: 瀬木御ゆうや
夢は一瞬、愛や憎しみは永遠
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その心は近く遠い誓いを


「失礼だとは思う、しかし君の身体があればまた世界が危機に直面してしまう。求める者は奴らだけではない、多くの出鱈目な夢想に取り憑かれた悪が必ず君を求める。神の器とはそういうものなのだ」


でも、私には彼がいる。

彼が私を守ってくれるはず!

私も彼のお荷物にならずに頑張る!

リイナを失っても私はもう彼と離れたく…!


「私が次に現れるのは数千年後かもしれないのだぞ。その時までに君は多くの悪から責められ、攻められて奪われる。また多くの悲しみが2人を襲う、そうなっても良いと言うか」


…それは嫌だ。

でも、私が消えるのも嫌だ。



「…そうだな、確かに私の言い分だけではあの悪神となんの変わりもない、全能なのに無能の烙印を押され非難されてもその通りだとしか言えないな。」


だったら、何とかして違う選択肢を出してよ。


「…失うことが救いなのは間違いだと承知だ。そのうえで君と約束をしたい」



約束?


「そう、君がいつかこの世界に戻れるための約束だ」




「悪神は再び現れる。誰かが半身を界外術で呼べば君を求めて彷徨うだろう。今は私が追いやったが、次は無い。もし君の中にアレが入れば完全なる現界神、悪神が界外術を利用して眷属を呼び出す阿鼻叫喚の地獄になる。だからこその約束…私の賭けだ」


賭け…


「君をバラバラにし、世界に散りばめる」


…はぁ!?

え、どう言う事それ!?


「君はあの王子の体で出来ている。そう、神通力を内包した体を」


私の体にもそれが引き継がれているの?


「本来なら出せない、神通力はあの王子の魂に適応して全てを使えたからね。しかし…君の魂には一つも適応しなかった。唯一したのは剣の才だけだ」


そっか、だから私は剣だけは上手かったんだ…。


「呪いの要素もあるだろう、人を狂わす竜の呪い、アレがなければ少しでも神通力を使えただろう」



で、私をバラバラにするのはどうしてなの?



「神通力がある身体…その身体のうちに秘めさせた5万通りの力を世界にバラけさせ、君という存在を他者に預ける。そして賭けは、第2の『』に対抗できる勇者を見つける事だ。『』がいなくなれば悪神も出てこなくなる、つまりは封印だ。いつどの時代にその力を持った人間が出るかは分からないが、私は信じている」


そう、それについては何となく分かった。

…私が元に戻るにはどうすれば良いの?



「それは第2の君に託す事にしている」


?それはどういう意味…


「いずれ分かる…と、話しすぎたか。そろそろ私の力が保てなくなる。君の覚悟は決まったかね?」


分かった…もう覚悟は決まったわ。

この選択も、私が私であるためなんだ。

ベオのいる世界が平和であり続けるため…私はその要求をのむ。

私がいなくても、私のことを覚えてくれる人が生きていれば私はそれで良い…。


「了承した、これで私と君との約束は結ばれた。これより、君の身体に私が降りてその為の準備を整え、私が退去するのと同時に世界に君を散らばせる」


……。


「…これから君に一時的だが神通力を解放する。この世界に残る最期の汚れを浄化してもらった後に…愛しの彼に最期の別れを済ませたまえ」



…最期じゃない、私は彼にまた会える。

絶対に会う。

私は眠りながらも彼を想い続ける、彼と絶対に出会うために。


「…そうか、それが君か」


えぇ、これが私。

全てを受け入れてくれる彼にだけ『シエラ』と名乗る化け物。

本当の意味で化け物になった人間。

シエラが出会った最初の化け物を愛した私。


私はシエラ。



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