異形の到来
最初は地響きだった。
シエラとベオは抱き合いながらも、床が揺れていることに気づいた。
「なんだ?」
ベオはシエラを抱きしめながら部屋を見渡す。
あちこちから埃が落ち、振動がどんどん強くなっていくのが分かった。
地震。
ベオは何度も経験しているそれだと思った。
でもそれとは様子が違う。
ガタガタと縦と横に揺れる。
シエラは初めての地の揺れに驚き、嗚咽も止めて不安な様子でベオを見つめる。
「な、なんなのこの揺れ?」
「地震…のはずだけど、これは何か違うような…」
と二人で話しているうちに地面の揺れは治まった。
ホッとするシエラとは違い、ベオは何か不穏な気配を感じた。
何かが起きる。
ふと心中で呟いたそれが、まさか当たるとは思ってもいなかった。
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セイレンはそれを目撃した。
リイナを見送ってから気負う気持ちのまま城の中庭で畑作をしていた。
すると、突然感じたこともない地響きを感じ、石像でも揺れで倒れないようにバランスをとる。
咄嗟のことで何が起きたかわからなかった。
でもセイレンはそれを見てしまった。
轟音と共に、城の中庭の地表がめくり、土砂物が舞い上がる。
セイレンは急いで舞い上がる土砂から回避する。
その際に降り注ぐ土砂でダメになっていく野菜を惜しく感じてしまうが、それでも急いで避難する。
城内に入り込み、戸の裏から少しだけ顔を出して抉れた中庭を眺める。
『グゲグゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲー"ー"ー"!!!!!!』
地面に空いた穴から何とも言いようのない異形が姿を現わす。




