悪人の終わり
シエラ嬢の前に現れたのは1人の錬金術師だった。
錬金術。
この時代にそんな者がいたとは思えないがこれは夢物語のお話だ。
剣の腕が高い令嬢も錬金術師もいても不思議ではない。
さて2人は城門を挟んだ状態で会話を始めることになった。
「問おう、貴公がここら一帯の人々に恐怖をふりまく悪人か?」
「そうだ」
「なぜそんな事をする?」
「なぜかと?笑わせてくれる。民が生計のためにと動物を殺し、軍人が戦いで勲章を貰い稼いだ報酬で殺された子鹿や鳥を買って食うのに理由などあると思うか、貴様も所詮は凡俗だな」
「それでは凡俗の力を見せようか。これで考えが変われば良いが」
「ほざけ、私の運はまだ尽きることは無い。殺したらその歯を抜いてネックレスにしてその身を焼いて暖をとってやろう」
会話が途切れるのと同時にシエラ嬢の手下が城壁から降りて錬金術師に襲いかかる。
そこから多勢対1人の戦いは始まった。
結果は当たり前だがシエラ嬢側の大敗だ。
錬金術師は城門を巨大な動く石像で破壊し、雇われた悪人達を全員殺していった。
簡単すぎた。
剣も槍も矢も、石像には一切効果が無かった。
シエラ嬢にはあまりにも絶望な状況だったろう。
虐殺をし続けてきた彼女も手も足も出ずに敗北したのだから。




