悪の繁栄
さて…ここまでは如何だったかな?
夢物語ではない?
怖い話だって?
おいおいこれはただの夢物語を語るに欠かせない重要なところさ。
夢物語はここからさ。
もちろん、彼もちゃっかり出てくるよ。
……でだ、シエラ嬢が化け物だと分かりすぐさま捕らえて地下の牢獄に幽閉した領主だったが、それでも嬢の父だ。
ここまで育て、あの美貌を持つ娘を失うのは流石に勿体無いと思ったのさ。
だから彼は幽閉だけして処刑はしなかった。
それが間違いだった。。
捕らえられてから3ヶ月、シエラ嬢は牢獄から抜け出して実の父を惨殺した。
出られたのは牢の番をしていた使用人を誘惑して懐柔させたからで、牢が開いたのと同時にその番人を殺害したからだ 。
彼女はとても知性的で計画的にの脱獄を企んでいたのだ。
牢から出た彼女はすぐさま愛刀を持つと城中の使用人を殺して回った。
そしてこの城は彼女の根城となり、多くの悪人を雇って領民を虐殺。
シエラは悪女としてこの地の歴史に残った。
これでこの話はおしまい……。
というわけはない。
いつの時代も悪人が野放しにされるわけがなく、多くの悪党を支配下に置いた悪女に立ち向かう者がいた。