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ただただ
セイレンとベオは驚き、シエラは自分でも言ったことに驚く。
だが、これはやらなければならないことだ。
そう自分の何かが言っている。
不思議がる彼らにシエラは適当に説明し、今後のやり方などを指示した。
その後の殺人はいつもよりは罪悪感が薄れた気がした。
殺して、自責の念を感じながらも泣く前に城の庭に出る。
静かな夜、セイレンもベオも休んで誰も起きていない。
そんな夜中にシエラはセイレンが農作業に使っている道具を慣れない手で握り地面をせっせと掘っていく。
作業は夜が明ける頃には終わり、人が1人……イヤ、物が入る程度に穴を掘った。
そこに運んできた死体を入れ埋める。
そこからの作業は朝の農作業の為に起きたベオもセイレンも見る。
彼女は、1人で殺した人間が埋まった名前のない墓標の前でただジッと目を瞑った。
ただ、ジッと。




