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化物達の理想郷  作者: 同田貫
希望と絶望と
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戦後処理

魔族軍と連合軍の主力が完全に後退したミュンヘルト街道で、殿を務めていた部隊もようやく下がり、一帯は魔族と人族のいない一種の空白地帯となった。

戦いの結果、魔族軍側ローガルド要塞周辺にまで前線を後退させ、人族側は旧皇国の南側の領域の奪還に成功し、前線を押し上げる結果となった。


魔族軍側の中核を成していた第二軍は、主力の部隊が半壊し、大きな痛手を受けていた。

副官のヲイスやルルドをはじめ、多くの戦士や部隊長が戦死したため、事実上第二軍は壊滅状態といえた。


また連合軍側の被害も甚大で、中央の戦域においては手堅く勝利をおためたが、戦場の両翼においては、死傷者の数があまりにも多かった。

リビングデット達率いる骸骨兵の群れに、なす術なく蹂躙された形だ。

野砲は潰され、いくつもの武器弾薬の集積所を燃やされ、追撃の好機をみすみす逃したのは痛かった。


なによりも、勇者に聖人、天使がそれぞれ足止めを受けたという事実が決定的だった。

しかし、魔族軍に通用する新兵器の運用に、連合軍の上層部は上機嫌であった。


「ネルト帝国から支給されたこの新兵器使えますな、射程もさることながらあの威力、清々しいものだ。補給等の問題点が次の課題であるかな?だが、この遠征における、占領された地域の奪還という大きな一歩を踏み出せた意義はでかい。引き続き、攻勢をかけねば」


「うむ元帥の仰る通りである。だが、あの単発式のライフル銃には弱点もある。装填する際に射手が無防備になることと、接近された際に行う格闘戦の貧弱さだ。銃剣程度では魔族達の身体を貫ききれない。射列を敷き、弾幕を張るのも良いアイディアだが、槍と剣を装備した部隊とをペアにして組ませればより確実性は増すことだろう」

「うむ、もっともな意見である。吾輩が帝国本土に具申するといたそう。やはり連発式のライフル銃がほしいところだが、そうなると弾薬の量も馬鹿にならん荷物になるのー」


「時に、勇者様の状態はどうか?業魔将の一人とやり合い、負傷されたとの話だが、怪我の具合はどうか?」


「天使ナナイ様が直々に癒して下さっている。大事はないだろう、あの業魔将達の攻略が今後の鍵であらうな。あの者達と、少なくとも腹心クラスの者にはライフル銃は通用せぬだろうな」

「なにか手立てを考えねば、いつまでも勇者様や聖人様方に甘えるべきではない。それと一度我々は後退したが、今後どう動くべきだろうか?あの要塞線を抜けても背後に、リーゼガルドとイリトバ城塞、魔都イールガルが控えている。あの山脈全体が魔族の一大拠点なのは昔から変わらんわい。進むにしろ引くにしろ、方針を示してもらいたいが」


「もっともな意見だ将軍、本国の方針としては、奪還した地を橋頭堡とし、奥地深くまで侵攻せよとのお達しだが、今はまず休養が先決だ。しばしこの地に留まり、機を見て侵攻しようと思う。情報部隊を先行させ、魔族側の情報収集を最優先とする」

「「ははっ!」」



方針が決まると、将軍や師団長達は各々の部隊に帰陣していく。

今後の方策を伝達し、情報部隊の有志を募り、魔族達に浸透作戦を始める下準備を開始する。

全てはネルト帝国帝王の御心のままに。



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