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化物達の理想郷  作者: 同田貫
希望と絶望と
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戦いの行方

ナナイとエンリエッサは上空での死闘の中、地上における戦いの空気の変化を敏感に感じとっていた。

バンネッタの介入により、中央の部隊が大きく後退したのもあるが、そのバンネッタと勇者が一騎討ちとなっていたからである。


他の聖人達である、勇者の連れの聖灯と聖拳、帝都からの応援の聖槍と聖鎧もリビングデット達に対応中であり、これは非常にまずい状況であった。


「あら〜ナナイ?大好きな勇者ちゃんが気になるのかな??けど天使のあんたはいかせない。他のことに目移りするなんて感心しないわ、私に集中しないと」


「黙れ悪魔、お前の相手をしている場合ではなくなったのよ!この膠着状態を打破しないと、それになんだあの悪魔?突然狂暴化などして、破壊の権化じゃないまるで」


「まったく、そういうところは昔と同じか『幽鬼』よ。そんな経験何度も繰り返しただろうに、駄々っ子のように暴れて、あれじゃあ業魔将の品が疑われてしまうよ。まぁ気持ちはわからなくもない、第二軍はお前の自慢だったしな…だからせめて仇を討たないとな」


「勇者!そこから脱出しろ、相手は普通じゃない!今私もそこに…っ⁉︎」


バチバチッ

エンリエッサとナナイの空間一帯には、巨大な円形の結界が構築され、解除の方法は術者のエンリエッサを殺すか、術者が結界を解くかの二つに一つ。

ナナイを囲む巨大な鳥籠がうまれ、両者は互いに睨み合う。


「ここで私と見学しましょうよ?あの闘いが終わったら解除してあげるわよ。私自身ありったけの魔力を注いだから簡単には抜けないよ。お前は私を誘きだした気になっていたが、私自身もお前を呼ぶ撒き餌に過ぎなかったんだよ」

「理解した?お馬鹿なナ・ナ・イ」


「エンリエッサ、貴様っ!」





上空の闘いが混迷している頃、地上の闘いも死力を尽くすものだった。

街道の大地が両者の一撃一撃で砕け散り、陥没した大穴がその激しさを物語ったていた。

バンネッタの黒い大剣の威力にも負けず、勇者の聖剣もその威力が増していた。

拮抗した力が力場を形成し、その力場からは爆発が生じ、その都度辺りの地形を変化させるほどであった。


「グゥゥガァァッーーー!」

「おっと、なかなかに鋭いね。じゃあこれはどうだいっ!


「ギィィー!」

「本能的に戦うのタイプかな?今のフェイントを見破るなんて、やっぱり君は面白いね!その鎧の隙間から見える色んな顔は、どれか本物なのかい?ますます興味深いな」


黒い大剣を凄まじい速度で振るい、その衝撃波が勇者を襲うが、勇者自身も聖剣で対応していた。

防御できないものだけ、身体を捻り回避し、まさに一進一退だった。


負傷者達を回収しつつ、塹壕のある陣地に避難する連合軍と魔族軍。

互いの信じるべき将の勝利を祈り、固唾を飲んで見守っていた。


その時、突如魔族軍のいる塹壕地帯前方の地形からは、巨大な火柱が何本も噴出するように出現した。

その巨大な火柱の中心には、緋色の髪色をした悪魔、御使いのリーゼがそこに存在していた。


同じ業魔将であるイシュガルを伴にしながら、魔族軍と連合軍の間を遮るように火柱が上がっている。

そして、緋色の悪魔が語りだした。


「連合軍の諸君に告げる!我が名はリーゼ、今代の御使いである!現在お前達は我らの領域を侵略し、同胞達に無用な流血を強制している。これ以上我らが領域を侵すというのなら、私とこのイシュガルが相手となる!早々に立ち去れ。この火柱より先を超える輩は、容赦無く断罪する。このように…」


戦意旺盛な連合軍の部隊の真上から、巨大な炎が流星のように落ちた。反応する暇もなく、ただただ無慈悲に、声も上げられず何百人の命を一瞬に奪いさった。


そしてバンネッタはというと、イシュガルの魔導により、光輪のような輪っかに捕縛されていた。

動くことも、叫ぶこともできずに。

そしてバンネッタの横に最初からいたように、山羊頭の業魔将がこちらを舐めるように観察していた。


「勇者マーク、私は業魔将が一人イシュガルという者だ。知恵なき者になり下がったバンネッタに代わり、私がお前の相手をしよう」


「魔族は層が厚いね、流石に私も貴方と御使い二人を相手取るのは難しそうだ。またいずれ…ね」



連合軍の陣地に後退した勇者、それを合図にゆっくりと後退していく連合軍。

両軍夥しい死傷者をだした会戦は、一先ずの決着をみた。


魔族側に痛み分けではすまない、大きな傷跡をのこしながら…

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