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化物達の理想郷  作者: 同田貫
希望と絶望と
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ミュンヘルト会戦(4)

エンリエッサは小振りな短剣を構えながら、空中に様々な魔法陣を展開させていく。一つの魔法陣からは巨大骸骨の腕が発生し、さらに別の魔法陣からは影のような触手が枝分かれしながらナナイに向かっていく。

ナナイはそれらを全て一刀のもとに断ち切っていく、斬られた部位はそのまま清廉な気配により浄化し、砂のように崩れていった。


互いに全力同士でぶつかり合い、遠距離からの様子見から一転、接近戦へと切り替わっていた。

攻め手と守り手がめまぐるしく変化し、一瞬一瞬に凄まじい攻防が発生してゆく。退魔の剣を持つナナイと、混沌の剣を持つエンリエッサ。


いつしかお互いの衣服は戦闘の為に破け、肌が露出するほどになっていた。それでもなお決着がつかず、長期戦の様相をみせていた…


「ふん、少しはやるじゃない腐れ天使が人類側の守護者は伊達じゃないわね。あんたを殺したら八つ裂きにし、魔獣達の餌にしてあげるわ。墓にはなんて書いたほうがいいかしら?」


「遺言はそれだけかしら?お前達に明日はないし、未来もないの。大人しく断罪されなさい穢れた悪魔、貴方達の存在そのものが罪深いのだから」


「へー面白いじゃない…」

「全ては光の神の御心のままに」


上空の戦いは、より一層と激しさを増し、戦闘の余波は広範囲に及んでいた。





地上の戦いは血みどろとなっていた。

序盤は、突然現れたティナとヲイスの軍団が包囲網に穴を開け、その周囲の連合軍を完膚なきまでに叩きに叩いた。

包囲されていた部隊も、連合軍側を逆襲する動きをみせた。

だが、時間とともに体勢を立て直した連合軍の部隊に魔族の混成軍団全体が押されはじめ、今は緩やかに前線を後ろに後退させていた。


「ピレトリンの部隊との連絡がつきません、ダラン部隊長戦死、後続がきます!ティナ副長指示を!」


「そうか盛り返すのが速いわ、むこうさんもやる気十分だなっ。ルルドと私、ヲイスとで決死隊を組織する。負傷者を回収しつつ、ゴーレムの生き残りを探せ、背中の足場に野戦陣地を築城し高所からの攻撃を徹底しろ、包囲網の外に抜けるんだっ!平地にいては的になる!」

「いけっー!」


「了解しました!ゴーレムの術者はまだ生存しております。ゴーレムの補充は可能とのことです!」


鬼気迫るティナに、慌てて返事をする第二軍の士官達。しかし一部の兵士達は決死隊に志願した。

「副長、あんただけかっこつけさせるわけにはいかない!俺達も連れていって下さいよ」

「その命令はきけませんよ!」


「あんた達…長生きしないわよ、まったくもぉ。但し重傷者は決死隊からは外す、これは譲れない」

「姐さんにこんなに隠れファンがいたなんて知らなかったですよ」


「普段ノ行イカ?」




中央の連合軍からもその魔族達の動きは見てとれた。

「敵は部隊を二分しました。突出する部隊と緩やかに後退する部隊とです、いかがいたしますか将軍閣下?」


「まずは突出する部隊を殲滅し、しかる後に後方の部隊を片付ける。弾薬の残量はまだ持つか?」


「ハッ、数週間は戦える量があります閣下!はじめますか?」

「うむよろしい、では諸君、紳士の戦いを哀れな化物共にご教授しようじゃないか。このお代は、この街道にいる彼らの命で払ってもらうとしよう」

「進軍せよ!」




「私の出番かな?将軍…あまり待つのはしょうに合わないのでな」


「勇者様、しばしお待ちを。この戦いの仕上げを演出するのに、そのお力をふるって頂きたく思います」


「わかったよ」


人類側の最高戦力である勇者の影が、戦場に暗い影を落としていた…



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