幕間 第二軍団のティナとヲイス
獣人達を率いるティナは任務に燃えていた。占領した地域の警邏や治安維持に熱をあげており、人族側の国々との小競り合いの迎撃を頻繁に行い、その侵入を防いでいた。
黒いなめし革で作られた革の軽鎧を見に纏い、右の利き腕は肩から手首まで鉄鋼で覆われており、五本指からは鋭い金属の爪が生えた攻防一体の武器を装備していた。
第三軍団にオーダーメイドした武具を使っていたのだった。
また一方でヲイスも、第二軍団の主の命令によりリーゼガルドの前方に砦を築きあげている真っ最中であった。
巨人達の土木作業により、日に日にその威容さを増していく。まだ名も無き砦、その目的は人族側の侵入を拒む意味合いが大きく、防衛拠点としての役割ん期待されていた。
バンネッタも陣頭指揮をとり、一時期エンリエッサにリーゼガルドの主導権を持っていかれ気落ちしていたが、今ではすっかり回復していた。
「報告します。ティナ副将が手勢を引き連れこちらに進軍中の軍勢に突貫しました。我々も援護しますか?」
「不要デアロウ、我ラノ動キデハカエッテティナ達ノ邪魔トナル。情勢ヲ見守リツツ、バンネッタ様ニ報告ヲ」
「ハッ、心得ました」
皇国が陥落した後、ひっきりなしに来襲する軍勢、しかし戦闘狂いの多い第二軍団にとってはむしろ待ち望んだ状況であった。今はまだ聖人や勇者、天使の姿がないが、奴等が参戦すればこちらも総力戦となる。こちらも兵の教育や慣熟訓練を急がねばとティナは思う。
同時にもう一人の副将ヲイスの心遣いもありがたかった。そんな気持ちに応えようと行動に移す。
「相手とこちら戦力はほぼ同数、臆病者は我が隊にいらない。あとは訓練通りだ遅れるなよ!ルルド、半分を任せる。もう半分は私がもらう!ティナ隊続け!」
「勇ましいね〜姐さん。俺たちもいくぞ、ルルド隊前へ!こんなところで死ぬなよお前ら!」
「「おっーー!」」
砂塵を巻き上げ、様々な大旗を掲げる軍勢に突撃していくティナ達。左右から同時に攻撃を仕掛けることで、敵側にどう反応するか迷いがうまれる。
その一瞬の判断の遅れが、やがて致命的なものとなる。敵の将を潰そうと強襲してきたティナ達の動きに対応しきれず、将の首は大地に転がることとなった。
たまらず退却の構えをとる部隊を優先して、ルルド達は討ち取っていく。
一方的な勝利の後、敬愛すべき主バンネッタに戦勝報告に向かうティナ。
いつも通りの自分達の隊長の姿にやれやれな顔のルルド。
「毎度毎度見事ナ統率ダナ」
「ふふん、当然よ。ただヲイスお前の心遣いには感謝しているよ。私の兵達はより強固なものとなった。次の機会はヲイス達巨人に譲ろう」
「アリガタイ…」
二人で情報交換などをして、いつものように報告を終えてから再び二人は任務に戻っていく。




