報告会
王国を出発し、リーゼガルドに到着したのはその日の夕刻頃であった。
隊列を組んだグリフォン達が、都市内の敷地に続々と着陸していく。
城内からは、エンリエッサの弟子達や第一軍が総出で出迎えていた。
エンリエッサ直属の副官であるマトは、数多くいる弟子達の中でも人気が高く、理知的で物腰が柔らかというのも人気に拍車をかけていた。
彼女から呪術を直接ご教授されたいと望む魔族は少なくない。
またリビングデット達にも視線が集中しており、各派閥が協力しあった技術の結晶というのが大きかった。
一方のラタニア達は、そんなマトに旅の同伴を許された存在として羨望の眼差しを向けられていた。
一行は寄り道せず真っ直ぐに、歓迎をうけながらもエンリエッサの待つ城主の間を目指していた。
そして目的の人物を確認すると、マトとレジーナは逸る気持ちを抑えるのが早くも限界を超えようとしていた。
「貴方達まずはご苦労様、リーゼ様の野望がまた一歩前進したわ。マト、今回はお手柄よ貴方に任せて正解だったわ。レジーナとリビングデットも偉いわ、もちろんラタニア達もね。それから…」
「エンリエッサ様っー!お会いしとうございました。お懐かしい香りですあぁ…感無量でございます!」
「エンリ姉様ただいま戻りました!お変わりはありませんでしたか?」
言うと同時に二人はエンリエッサの両の手を繋ぐ。そしてしばらく睨みあいを始め、お互いに一歩も退かない様子を醸しだしていた。
「むっ⁉︎レジーナ今日ばかりは譲れない、私がエンリエッサ様の横に相応しいと何度も言っているでしょう!これからエンリエッサ様を愛でる大切な時間なのですから遠慮しなさい」
「マト、確かにエンリ姉様といた時間は貴方の方が長い。けど密度でいったら私と姉様のほうが断然上よ。貴方こそさっさとどきなさいよ」
二人の普段見せない豹変ぶりに、ラタニア達はおろおろしていた。
そんな二人を慣れた様子で小突くと、咳払いをしつつ報告をうながした。
「後できちんと時間を作るから、まずは報告が先よ。条約のこと、王国の情勢色々あるでしょう?まずはそれを聞かせてくれるかしら」
それから我にかえった二人は態度を正し、今回の事の顛末を詳細に報告していく。また今回の暗殺者の件や、王国側からの使節団の件、王国民の魔族に対する感情は概ね良好であることなど様々な事柄を報告していった。
「あぁそれと、今回の件リーゼ様に改めて報告に行くから、ラタニア達も一緒に連いてきてくれる?人側からの意見を聞かせてリーゼ様からのお達しだからそのつもりでいてね」
「「えっ〜〜!!」」
エンリエッサの突然の爆弾発言に、ラタニア達の絶叫が虚しく部屋に響きながら夜が更けていった。




