街の運営
エンリエッサとレジーナは、オギル村長や村人達を街のリーゼガルドの案内をしていた。
リビングデッドやアンデット達は、各自の持ち場に戻ったが、ハーピー達数人が付いてきていた。今度は子供達にターゲットを変えたようだ。
レジーナがジト目でハーピー達を牽制し、今は落ち着いていた。
街の新造の区間を人族に貸し与え、自治を認める程度の裁量を認める旨を道中伝えていた。
「エンリエッサ様、住処まで頂いたうえにこのような権限私には畏れ多いことです。私でよろしいのですか?」
「うんオギル君、任せるよ。後はこの街の運営を手伝ってくれると助かるよ。新造の都市だからね、まずは住民名簿などを作ってくれる?不足している設備や備品があれば遠慮なく言って、予算をまわそう」
今後増えるであろう住民への対策とともに、人族は人族で自治したほうが良いと思ったからだ。なにより、前髪がやや後退気味の村長を気に入っているというのも少なからずある。
「我らが主であり御使い様であられるリーゼ様は、理想卿建設を目標として掲げている。融和できる者達とは積極的に交わり、敵対者や侵略者、我らの生態圏を脅かす者には等しく裁きを与える」
「なるほど素晴らしいお考えです。ゆくゆくは、国をつくるのですか?その際は是非とも私どもをお使い下さい。微力ながらお手伝いいたします」
「その時はお願いね。まずはここの生活に慣れてもらはないとね。住民の誘致についてはそれからかな?」
村長とエンリエッサが話こんでいる中、レジーナ達は炊き出しの準備をしていた。大鍋を数人で調理している。
辺りに香ばしいスープの匂いがたちこめ、子供達や大人達も一様に顔を綻ばせていた。
スープの中身は、野菜と肉がごろごろと入り、香辛料の効いたスタミナスープのような料理だった。
オークやゴブリン達が食器やパンを運び、並んでいる村人に配膳を始めている中、ハーピー達も並んでいた。
レジーナは苦笑しつつも、彼女達にも配膳を指示した。
「わぁ、スープがこんなに具沢山だ!透明じゃないスープなんて久々だよ」
「いっぱい食べても叱られないの?食べたら働けとかいうの?」
「おかわりもあるの?」
子供達が大鍋の周囲を囲みながら、配膳の指揮をとるレジーナを質問攻めにしていた。レジーナも嫌な顔を微塵も出さず、
「慌てないの、ゆっくり食べな沢山あるからお腹いっぱい食べるといい。食べたら働けなんて言わないし、叱らないよ。ご飯の後はみんなで一緒に遊ぼうか?何したいか考えていてね」
子供達の中でレジーナの株が急上昇し、怖い竜のお姉ちゃんから、頼れる竜のお姉ちゃんに格上げされた。
大人達もそんな様子に微笑みながら、オーク達と酒を飲み交わしていた。
「オギル君、この光景を守ることこそ私達の責務だ。男爵が次になにか始めたら私が引導を渡す。この街をより良い街に一日でも早くしないとね」
「おっしゃる通りですな」
どこまでも真剣な表情をしながら、街の運営についてお互いに熱い議論を繰り広げていた。




