表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
化物達の理想郷  作者: 同田貫
次代へと繋ぐ
167/171

白の化物、黒の化物(4)

オスロ要塞線の全ての城壁は崩れ、城壁の高さをいかした地の利は意味を成さず、人魔の連合軍は、相対する天使の軍勢と野戦にて決戦を行っていた。



戦乙女に率いられし星屑部隊と、天秤部隊達が生き残りの人魔の兵士達に殺到し、駆除してゆく。

対する人魔の兵士達も、自分達の存在を誇示するかのように、雄々しく戦い、互角以上の戦いをみせる。


バンネッタ達とシルベスタ達の闘争は、未だに決着がつかず、旧友と再会したかのように、思い出に浸るかのように戦いを満喫しているかのようだった。


振り降ろす剣尖には一切の容赦もなく、大地を砕いていたが、その圧倒的な暴力を放つバンネッタに対し、力で強引に均衡を保つシルベスタ。



「シルベスタよ、まだ膂力を上げたか?天魔の頃より変わらんな、筋肉達磨め。しかしこれでは埒が開かんな」


「なら投降して自らの首を差し出せ、それで終いだバンネッタ!お前との闘争は実に興味深いが、サマエル様の御身が心配だ!先程の地響き、お前達の指導者たる御使いも、なかなかにやるようだ」


生真面目なシルベスタの答えに、バンネッタは吐き捨てように反論する。

自身の自論を展開する。


「はん、笑い話にもならんぞシルベスタ!自らの主人の勝利を信じずして、どうしてこの闘争の決着がつくと思ったのだ!こちらに集中しろ」


「ぶははっ、こりゃあいいバンネッタ!お前からそんな事が聞けるとはな、いや失礼したな。私達の闘争に幕を引く、それが重要であったな」


「構えろシルベスタ!」

「いつでもくればいいバンネッタ!」


再び果てなき闘争へと戻る二人。

決着をつけると言いながら、力比べでもすかのような雰囲気があった。



シルベスタの副官を務める銀髪の戦乙女と、それに対峙するティナ。


銀髪の戦乙女は息を乱さず、淡々とティナを攻めたてるのに対し、ティナは息も絶え絶えになり、装備も破損しまさに必死の形相であるが、決して膝を折らずに武器を構え闘志を燃やす。


「貴方のその闘争心に忠誠心、見事ですね。ただ、勝敗は決しました。敗北を認めるのならば、主に懺悔する機会をとどめを刺す前に設けると、主に誓って約束いたしましょう」


「銀髪、舐めるなよ!私はバンネッタ様の先駆けであり続けなければならない、お前に一太刀浴びせ、一矢報いなければならないの!だから、だからっ!敵わなくても、お前達を…」


「そう、貴方は気高いのね…。ならば私も君を武人として扱おう」


「あっ…う、バンネッタ様…」



目が開かない、辺りが暗い。

ルルドやヲイスが繋いでくれた命、私は約束を破ってしまったな。

あいつらに会ったら謝らないと…

許してくれるかな?


けど死ぬのって、想像してた以上に怖いのね、あぁ、死にたくないな…。



戦乙女に対し啖呵を切り、果敢にも一騎討ちを挑んだティナ。

その胸には深々と剣が刺され、引き抜くと同時にティナの身体は崩れ落ちる。


同時に戦乙女が近づいた刹那、戦乙女の脇腹にナイフを投擲し、傷をつけることに成功していた。


「良き戦士でした…。この傷は、そのままにしておきます。貴方の手柄なのですから、誇っていいのですよ。気高き獣人の戦士長よ、眠りなさい…」


辺りに咲く一輪の花をティナの側に置き、ティナのうっすらと涙が溢れた目を拭い、身体の汚れを拭く戦乙女。


最期まで戦士たらんとする彼女の姿勢に、同じく戦いを生業とする銀髪の戦乙女を感化させた。

そして星屑部隊に、遺体を丁寧に埋葬するようにと言付けると、彼女は再び戦場へと舞い戻る。


混沌の戦場へ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ