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化物達の理想郷  作者: 同田貫
大陸の理
148/171

生者の行進、死人の行進

オスロ守備隊の奮戦虚しく、敵の手に完全に墜ちた第1城壁、第2城壁の跳ね橋は今は上がりきり、傷ついた兵達を収容している最中であった。


負傷者達や傷病者達を奥の第3と第4城壁へと運び、症状の重い重篤者達はさらに後方の都市へと運ばれていく。


それとは別に、長い長い行列とは反対方向である前線へと赴く部隊。

主力は骸骨兵達であり、先頭には業魔将であるエンリエッサが軍団を統率し、付き従うはリビングデッド達に、プリメールとプリメーアが続く。


さらに城壁の要所には、マトをはじめとした弟子達が配置につき、万全の構えをとっていた。



サマエルの軍勢が理性なき壊れた軍団なら、エンリエッサ率いる第一軍団もまた、方向性が違うが同じ軍団であるといえた。


「いい気になっているな天使の飼犬共め、我々をどこまでも不快にする矮小な存在なくせに!お前達の好きにはさせない、私と、私の第一軍が!」


「エンリエッサ様、我々の配置はどのようになさいますカ?」

「御命令を我が主人ヨ!」

「エンリエッサ様、命令を…」


「私の子供達、私の従僕達、私の僕達全てに告げる!敵を殺せ、リーゼ様の理想を阻む全ての者を!天使も、天使の狗も、堕天使共を全て殺し尽くしてしまえ!因縁を終わらせる、全力で対処せよ!」


「「仰せのまま二」」


カラカラカラカラカラカラ


骸骨兵達が頭をしきりに動かし、リビングデッド達は各々が武器を取り出す。


マト率いる魔術兵団達も、術式を起動させ、第2城壁全体が多様な光の紋様を紡ぎだしていた。

各々が魔法陣を展開し、広域術式を戦場全体に広げ、マトの号令により堕天使達の軍勢に、降り注いでゆく。


「魔術兵長!エンリエッサ様の眼前に広がる有象無象を蹴散らすぞ、紫電爆雷陣をかける!範囲と距離、規模の調整にうつる!相手は意思なき者達だ、容赦するな!」


「はい、マトさん!なんだか嬉しそうですね?エンリエッサ様と一緒の戦場は久々ですからね、期待に応えませんと!」

「そんなことはない、いつも通りよ!」


「嘘が下手ですね、マトさん」


戦場には雷雲が浮かび、雷により夥しい被害をつくってゆく星屑部隊。




エンリエッサは懐から、小振りな黒い刀をだし、指揮棒代わりに堕天使達の軍団を指差し高らかに命令する。


「第一軍団各員前進せよ!」


城壁外へと展開する骸骨兵達、星屑部隊の数に対応するために、エンリエッサも用意できるだけの、ありったけの骸骨兵達を動員し、対峙する。

第2城壁城門に群がる敵軍の真正面から衝突し、リビングデッド達にプリメール達が、散々に暴れ回る。




勇者達もまた、業魔将と歩調を合わせる為に、勇者マークと聖人ネラフィム、ヤクトバーグが出撃してゆく。

残りのソロとリューティスは、さらなる敵の増援に備え、イシュガル達と待機という手筈であった。


勇者は嫌な予感をひしひしと感じていた。クモの気配が、先程よりも濃密になっていたからだ。

他の聖人達もまた、勇者に合わせて歩調を速め、今や駆け出すほどだった。


「ネラフィム、ヤクトバーグ、堕天使達の気配が複数する!業魔将は約定通りに事を進めた!後は僕達が義理を通す番だ、準備はいいな二人共?」


「誰に言ってるのよマーク?向こう見ずで無鉄砲で、それに自分勝手なマーク君のお守りをしてたら、準備なんてしなくても問題ないわよ!」


「一本取られたらなマーク、ネラフィムの言葉通りだよ私も!ただ生き残ることを最優先にしろ、帰りを待つ者がいるだろうしなマーク?」


「わかってるさヤクトバーグ!けど一言余計だよ、まったく!」

「善処するわ!」


戦場はさらなる混沌へ誘うかの如く、強者達が集結してゆく。


お互いに譲れぬ思いの為に…

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