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化物達の理想郷  作者: 同田貫
大陸の理
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天地を穿つ(4)

魔導砲より放たれた白き光は、オスロ要塞線平原部に巨大な破壊のエネルギーを発生させ、人魔達が築いた防御施設と、その場にいた星屑部隊達を巻きこみながらに、広がってゆく光の渦。


光が収束し、破壊の衝撃波が駆け抜けた後は、平原部には巨大なすり鉢状の大穴がぽっかりと空いていた。


渋々と退却した帝国兵達や、北部連盟の兵士達は、その威力をまじまじと第1城壁から眺めて言葉を失っていた。

破壊の光景と同時に、敵である星屑部隊達が、何事も無く進撃してくるというこの状況にである。



指揮官の内の一人であるコルトは、敵側の予想以上の抵抗に感嘆の声を上げ、ノルンは興味深い事象が増えたと、威力の規模や爆発の範囲の測定を部下に指示をだしている最中であった。


「ノルン、ノルン!戦争は発明の母なんてよく言ったものね、彼らの技術は日進月歩なんだわ!是非鹵獲して、大陸浄化を加速させなきゃだよ!星屑部隊、前進して戦線を押し上げよ!ノルン、私も前線に向かってくるね」


「コルト、素晴らしい兵器なのは同感だよ。作り置きした星屑部隊達を全部投入しましょうか!殉死部隊の一隊は、星屑部隊の連携せよ!」


「ただちに、ただちに…」

「我らは天使様方の尖兵、私達の命は天使様方の為に」


互いに笑みを浮かべ、目と目で会話するノルンとコルトを尻目に、天秤部隊の彗星率いるクモが我慢の限界を超え、付近の部隊を引き連れ突貫してゆく。


「もう堪えられない行くよお前達、敵は亀のように城壁に篭った。あとはどう甲羅を叩き割るかだけだ!ヒュプノス、デレルネス、続きなさい」

「「はい、クモ様」」


部隊が突出するのを目撃したコルトもまた、対抗意識を燃やして追従するように出撃してゆく、ノルンを連れて。


「ずるい、ずるいよクモ!私達が先鋒のはずでしょ?後詰がいきなりでるなんてさ、ノルンはやくはやく!」

「今いきますよコルト、慌てない」



同じタイミングで突貫する三者、退却の遅れた人魔の部隊を食い破りながら、第1城壁に集中してゆく。


攻城等も破壊槌もなく、梯子も持たずに城壁へ向かい、自身の腕力や脚力のみで城壁を垂直に駆けてゆく。

まるで蜘蛛の子のように、わらわらと群がる様子は、餌を見つけた猛禽類のような獰猛さであった。



「旗を掲げよ、旗を掲げよ」

「供物を捧げよ、贄を捧げよ」

「血の海と成せ、異端共の血を」


星屑部隊を先頭に、殉死部隊も低空飛行で援護をしつつ城壁を突破する構えを見せ、激戦区が広がってゆく。


帝国の救国同盟軍と北部連盟も必死に応戦しながらに、敵を寄せ付けない働きをしているが、コルトとノルン、クモの動きに対処しきれず、遂にはクモに城門を突き崩され、コルト達が城壁を登りきってしまう事態となる。


じわじわと自軍の勢力範囲を広げてゆく堕天使の軍団。





第1城壁に退避を完了し、一息つく前に敵と再び相対する事態となる前線兵士達。連日の戦闘に、疲労が頂点となっており動きが緩慢であった。

弓矢を番える手が震え、銃の狙いが甘いものとなってしまっている。


そこを狙い撃ちにするかの如く、疲労の色の濃い部隊に敵が集中し、敵の侵入を許してしまっていた。



第1城壁にはいつしか敵が溢れ、辺り一面敵味方入れ乱れて修羅場とかした。


撤退か、抗戦か、難しい舵取りを現場指揮官に託されていくことになる…

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