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化物達の理想郷  作者: 同田貫
災いを呼びし者
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高き城壁を越えて

結界に綻びが生じたことにフランチェスカは歯噛みした。


「敵の魔術が一枚上手とでもいうの⁉︎術式を書き換えられたなんてっ。敵が来るわよ!備えなさい私も戦線に加わるわ。魔術に覚えのある者は、私に続け!」


庭園周辺にいる士官達に指示をだし、将軍達のいる戦列に加わるべく駆け出した。焦りを覆い隠すように聖杖を強く握りしめながら…







皇都であるノルトバイデン城壁周辺では、既に魔族達の攻略部隊の第1波がせめよせていた。

しかし、ポリーウットの倍以上ある城壁と前面に広がる深い水堀に、思うように進軍が進んでいなかった。

城壁周辺は魔族達の死骸が散乱し、どの部隊も矢避けの盾から遠巻きに矢を射掛けるのが精一杯の状況であった。


そんな中、ティナ率いる獣人の部隊は猛然と死地へと突進していた。


「見事な防戦ね、だが臆するなよ!勢いがなくなった者から命を落とすぞっ!御使い様の前だ、第一軍の勇猛さを示すは今この時!不規則に動けっ」


「気張ってるなーティナの姉さん、そんなおっかない顔してるとせっかくのベッピンが台無しだ」


「無駄口叩くなルルド!頭下げろ」


蛇行を繰り返し、跳躍を織り交ぜながら水堀に勢いよく飛び込み、潜水をしつつ城壁手前まで肉薄するという勢いを見せていた。だが流石の獣人族達も、高き城壁を見上げて尻込みしていた。水堀を上がった先でリィナ率いる百名程の獣人が盾で方陣を組みつつ、皇都側の隙を伺う構えを見せていた。


「ティナ達の勢いは流石ね、けどもう一手が欲しいところかな?私が助け船をだそうかしらね」


「リーゼ様ここは私にお任せ下さいな。ティナ達の手助けは私がいたしましょう。たまには副将達に華を持たせませんとなりませんしね。」


「あらあら張り切るわね〜、いいわここは譲るわエンリエッサ…」


翼をはためかせ上空から皇都を見つめる二人の悪魔達。ヲイス達には進軍を指示し、本陣には第三軍の副将達を残して自分達は自由に行動していた。



「夜天に彷徨いし亡者の魂よ、今再び戦場に舞い戻り生者を黄泉にひきずりこめ。その身が砕けても進撃を続けよ、我が命により顕現せよ!不死者の軍団よ」


まるで聖句のように朗々と歌い上げると、ティナ達の周りには黒き骸骨の兵団が次々と出現した。高き城壁をものともせず、登り始めた。また、一部の骸骨達はその身を梯子のように繋げ、ティナ達の道を作りあげた。


「エンリエッサ様にここまでお膳立てしていただいたんだ!まずは城壁にいる兵隊共を片付けるぞ!」




骸骨の梯子を駆け上り、自らの獲物を手に城壁に殺到する獣人達。それを援護するように骸骨達は周囲に展開する。鈍重な破壊槌を手にしたトロール達も城門正面に取り付き、二方面から攻めたてる構図となった。



やがて城壁の東方面は、魔族の軍旗が埋め尽くした。正門は徐々に魔族側が優勢となり、皇都の軍は内部へと後退した。







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