表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
化物達の理想郷  作者: 同田貫
相反する理想郷
137/171

閑話 決戦前夜(後編)

壮行会のような親睦会が、集結した北部連盟全軍で催され、それは明け方まで続く盛況ぶりだった。


そこでは上司も部下も関係なく、飲めや歌えや、踊れやのどんちゃん騒ぎが行われ、酔っ払いの集団であった。

亜人達や魔族達、人族の兵士達が肩を並べ、意味不明な歌や踊りを披露し、疲れた者から人知れず眠りについた。



眠りこけている兵士達に、毛布をかけていく不夜番の骸骨兵とリビングデッド達、彼らは眠る必要がなく、眠ることのできる兵士達がとても幸せな事であると感じていた。


「よし、こんなもんね!あんた達は、外縁部を二人一組で巡回、こういう時だからこそ、見廻りは大事なノ!」


カラカラカラ…

ハッポウの言葉に、首を縦に振り了承の意を示す骸骨兵達。

ほどなくして骸骨兵達は散らばり、辺りには眠りこける兵士達と、リビングデッド達だけとなった。


「あーあーだらしないなぁ、こんなに無防備に寝ちゃってさ。警戒の早鐘でも鳴らして、皆叩き起こそうカ?」


「寝かせておいてやれチビ、我々と違って睡眠が必要なのだ。それにだ誰もが不安の中、無用な混乱を起こす必要はないはずだ。よいナ?」


「けっ真面目なフトッチョさん、冗談だよ本気にしないでおくれ。睡眠ができるのが羨ましかっただけだよ、ネコゼはどう思う、そこんとコ?」


「…?別にどーもせんよ、ただ夢をみる事は、自分の記憶の整理ともいわれているそうな、本当かどうかはわからないが、つまりは必要な事だと思うゾ」


「興味深い話だナ」

「じゃあ妙に色っぽい夢だったり、誰かに追われたりする夢とかも、自身の記憶の整理だったりするのかナ?」


「さぁどうだろう、私にはわからないさ、精神的な負荷が夢にまで影響するのかもしれないな。兵士達の寝顔を見る限りは、そんな心配はいらないサ」


「そうだろうネ」



睡眠について、自身の講釈を披露するネコゼに、ホソミとハッポウが熱心に聞き入っている。

チビとフトッチョは、大樹の下から満天の星空を眺め、横になっていた。


「なぁフトッチョ、死んだ者はよく夜空の星になるってゆうだろ?じゃあ俺達のような存在でも、死後はあんなお星様みたいになるもんかネ?」


「再び元の土くれか、媒介となった骨の姿にでもなるんじゃないか?元々死んでる我々が、死後の世界を心配するのは杞憂といえよウ」


「夢がないなぁフトッチョ、そんなんじゃ会話が成立しないだろ!少しは会話を続ける努力がほしいナ!」


「こういう性格なのダ…」

「性格ねぇ、まぁフトッチョらしいといえばらしいかもネ〜」


取り留めのない会話をつづける二人に、他の三人も加わり、より議論は白熱してゆくこととなる。





勇者達の天幕では、酒をあびるにように飲んだヤクトバーグ卿とネラィム卿が、早々にダウンしてしまった。


酒に強いソロ卿とリューティス卿は、お互いに泣き上戸と笑い上戸で、話が噛みあっていなかった。


「だからなぁ、俺は聖人になる前は、そりゃあひでー生活だったよ!場末のチンピラでくすぶってるような、ろくでなしだったんだ。それをな、ヒック、拾い上げてくれた中央庁が、うぅぅぅ…」


「マーク、大の大人が泣き崩れてるよ!アッハッハ、それより私の気持ちにいつ向きあってくれるのかな?色男めぇー、このこの、私も泣いちゃうよ?」


普段の調子からは真逆の二人、どごまでも弱気なソロと、どごまでも奔放な性格のリューティス。


長くなりそうだとそそくさと退出するマークを、据わった目で見るリューティスと、弱りきった目で見るソロ。


「マーク、逃げないでよ〜!」

「待てよ、うぅぅ、マーク!」


「ちょっと風にあたってくるよ」

夜風に吹かれ散歩と洒落込むマーク、自分達の宿敵であるはずの魔族との共闘に、どこか夢見心地のマークだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ