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花の香り  作者: 立花香織
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入り口

サーカスといえば、空中ブランコや、ピエロなどを思い浮かべるだろう。


そのどれもが素晴らしい技であり、観る人に興味を抱かせる。


今世界で最も人気であるサーカスの団体、“パスピエ”は、少人数でありながらも、素晴らしい演技を披露している。


パスピエがここ、日本にやってきて、公演を行うのは不定期だ。


1年ごとにくることもあれば、4年空くこともある。


そのため、日本で公演が行われる際には、近くの商店街などは賑やかになり、盛大なカーニバルが始まる。


……そのカーニバルには、ある噂がある。



『ねぇ、知ってる?そのカーニバルってたまに行方不明者でるらしいよ』



その噂も消えうせようとする、西暦20✕✕年。



「ねぇねぇ、今日の放課後パスピエの公演見にいかない?3年ぶりに日本に来たんだって~!」


教室で静かに本を読む少女にかけより、テンションの高い声で話しかけている少女。


バスケ部に所属し、とても明るいその少女の名は、高橋 茉奈(たかはし まな)。


茉奈が話しかけているのは、幼なじみである吉野 美香(よしの みか)。


美香は幼い頃から読書が趣味で、茉奈とは正反対の清楚系女子。


いつもひとりでいた美香に毎回声をかけてくれていたのが茉奈だった。


美香は誰にでも優しく、美少女であるため、実は密かに『美香ファンクラブ』が存在していた。


「パスピエって、サーカスの?珍しいね。茉奈が見に行きたがるなんて」


「な、なにを!?あたしだって流行

にはのるタイプだよ!」


普段はめったにそういうのに興味を示さない茉奈が、急にサーカスを見に行こうと言い出す。・・・・・なにかあるに違いない。


「放課後、だっけ?いいよ。たしか塾は休みだし」


少し考え、美香は返事をした。


「やったぁ!

ちなみに、カーニバルにも参加するからよろしく!」


「カーニバルって、あの?」


「あの?って、他になにがあるっていうの?

美香ってば、ほんとにそーゆう行事ごととか興味ないよね〜...」


自分でも思うが、そこまでか。と美香は驚愕する。


カーニバル、か。


懐かしいような、どこか自分を今まで遠ざけていたかのような、そんな響き。


そういえば、カーニバルにはある噂がなかっただろうか。


記憶を遡るが、思い出せない美香は、そのことについて考えることはやめた。


「茉奈、その公演って、チケットはいるの?」


「もちろん!既にGET済み!最前列だよ〜」


「最前列?よくとれたね」


「へへ、寝ないで時間まで待機してたもんねっ」


そこまでして見たかったの…?と、美香は驚きとともに内心呆れる。


「じゃぁまた放課後ね!着替えて現地集合!」


張り切ってオシャレするぞ〜!と駆け出す茉奈を見送ると、美香も立ち上がり帰宅しようと、スクールカバンを手に取った。



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