レスキューロボ 水瓶系
進とレオⅤたちは街中へと到着していた。
そこには様々な機械生命体・シデロスが行き交い、遊んでいた。
「へぇ、色んなやつがいるんだな」
進むは興味深そうに周囲を眺める。
「でも、皆働いているようには見えねぇな」
進の言う通り、他のシデロスたちはボールを追いかけまわしたりしてスポーツのようなものをやっているのや、椅子に座って雑談しているようなのばかりだ。
「働く? 生産活動は機械が自動的にやってくれますから、生命体は基本働きませんよ?」
アリエスⅠはさぞ当然のようにそう発言した。
「ほー。そいつはいいなぁ。ブラック企業祭りの俺の世界も見習ってほしいものだぜ」
「ヘイユー。ブラック企業とはなんだーい?」
「サジットⅨ、教えてやるよ。労働者を鬼の様にこき使う悪魔のような会社の事だ」
「そんなクソ企業で人間はなんで働くんだ?」
レオⅤは唾棄しながら問う。
「そうせざるを得ないんだよ。ほとんどの人間はな」
「大変だねぇ~。ミーたちはそんな世界に生まれなくて良かったYO!」
「俺様もそんな世界から逃げられてラッキーだぜ(笑)」
進たちが笑い合っている間に爆炎が起こる。
進むらのやや遠方からだ。
「な、なんだぁ?」
「恐らく事故かと。火災に発展するような」
ここで進は考える。
もし、現地のレスキュー部隊よりも先に火災鎮圧が出来たら?
レスキュー隊および、この街に恩を売ることが出来るかもしれないと。
「よし! 行ってみようぜ。困っている奴がいたら助けよう」
「何故だ?」
「上手くいけば、恩を売れる。そうしたら、結果的に俺たちは得するかもしれねぇってことさ」
「ほぅ」
「なーるほどっ! ナイスアイディーア!」
「ふむ。まぁいいでしょう。私も賛成です」
3体は進を連れて猛ダッシュ!
「よーし! そうと決まれば急げ!」
火災現場到着。
ガソリンスタンドのような場所から激しい火炎が渦巻いていたのだ。
「なんだ? ガソリンスタンドか?」
この世界の事をまだ知らない進はこの場がどんな建物なのか分からない。
「あれはエネルギーターミナル。我々の活動エネルギーの補充を行う場所なのです」
「合わさったらデンジャラスなエネルギー物質もあるんだぜっ」
「なーるほど。原因はそれか?」
進が感心したその時、激しい水流が飛来する。
「ん?」
その水流が次々と火炎を消していく。沈下していく。
「だ、誰だぁ?」
進が水流の先を見やった。
そこには水瓶のようなバズーカを肩に乗せた人型ロボが放水を続けている。
こいつが今、火災沈下活動をしているのだ。
「おっ? あいつは……」
「レオⅤ、知っているのか?」
「あいつは水瓶座のシデロス。ヴァッサーマンⅪだ」
「ヴァッサーマンⅪ……?」