表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コマンダー・オブ・シデロス  作者: かめかめか
2/9

俺が指揮官になってやる

「あ~らよっと」と、軽いノリではあるが、しっかりとパンパンなリュックを持って、進は謎のゲートを通過した。

 その先に有るのは……。

 

 所々に岩石そびえる荒野。そこでは実にダウナーな雰囲気の会話が行われていた。

「いやもう、ヤバくね? 地の軍と水の軍が結んだワケっしょ? 戦力的に俺っちら不利じゃん!」

 よく言えばフランク。悪く言えばチャライ口調の持ち主は人間ではない。

 弓を装備した、人馬のようなロボットであった。

「サジタリアスⅨ(ナイン)。確かに私たち火の軍は戦力的に劣勢です。ここは目には目を。ジェミニⅢ(スリー)ら、風の軍と同盟を結ぶのはどうでしょう?」

 紳士的な声・口調で提案をしたのはエレガントな雰囲気の羊ロボ。アリエスⅠ(ワン)であった。

 ここで、サジタリアスⅨとアリエスⅠの間にいる雄々しき獅子機獣が口を開く。ワイルドなハスキーボイスで彼はこう言う。

「アリエスⅠの策は悪くねぇ。だがな、地水同盟もバカじゃねぇ。こちらが風の軍へと向かう可能性を呼んでいるハズだ。そこを突け狙われるのは厄介だ。最悪、すでに風も地水と汲んでいる可能性もある。袋叩きにされてしまう。迂闊に動くべきじゃねぇのさ」

「レオⅤ(ファイブ)……。裏の裏を考慮すれば、貴方の推測通りになりそうですね……。では我々はどう動けば……」

 彼ら機械生命体の種族名はシデロスと称す。

 大きさはそれぞれ人間世界の羊や獅子の倍ぐらい程ある、この世界の住人である。レオⅤたち3名の会話を岩陰に隠れて聴いていた進は大体の事情を把握した。

(なーるほどな。あのロボット? らは戦争中で、現在不利な状況らしいな。俺もまだこの世界の情報不足だし、ここは……)


 リーダー格のライオンロボ・レオⅤは苦々しく呟く。

「奴らと違う戦闘方法が採れればな……。奴らに出来ない事をこちらがやらねば勝機はまずないだろう」

「レオっち、簡単に言ってくれるねぇ~」

 打開策があると言えばある。しかし、簡単にそれが出来ないから困っている。火の軍のシデロス3名は苦悶するのだった。

 そこへ、「だったら、この俺に任せろ!」と聴き慣れぬ声がレオⅤらの聴覚センサーに反応した。

 視線を向けた先。そこには岩上に堂々と仁王立ちしている人間。彼らにとって、見知らぬ生命体の姿を確認した。

「見知らぬ生命体ですね。あれは一体……?」

「ヘイ、ユー。何者だYO!」

 人馬ロボは弓で進を指差した。進は臆することなく、ハキハキと返答した。

「俺は我道進! 有り難く思え! 俺様のアルティメット天才的頭脳でお前らを勝たせてやるぜ!」

「何っ……?」

 グルルと喉を唸らせるレオⅤ。

 1人の少年と3体の機械生命体。

 果たして、この邂逅がもたらすものは………?










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ