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帝国3:始動
翌朝、まだ日も明けきらぬころ。
帝国側は、すでに起き上っており、もうそろそろ出発すると言うところであった。
斥候に出したギープイが、団長のところへと戻ってくる。
「団長、敵は2名。長槍をもっており、見つけ次第、接近するよりも先に敵をせん滅すると言った感じでした。いかがいたしますか」
「ふむ、ならばまずは、魔法で敵を攻撃。それから一気に制圧すると言うのがいいだろう」
「分かりました。では、そのようにいたします。魔法を使えるのは、今回の中では、龍人のオタス・アンプレッスと神人のマネス・グランスーリィですが」
「二人とも、非常に強い魔法を使うことができる。だが、片方は氷、もう片方は炎だったな。どちらがいいのであろうか」
「それについては答えかねますが、私としましては、氷が使えるオタスを推します。敵の内情を知らない現在、情報を取得するためには生け捕りで行う必要があります。そのためにも、炎で一挙に燃やすよりも、行動を止めることができる氷がよろしいと思います」
「よし、ならばそのようにしよう」
そして、そのことをオタスに告げ、作戦を始めることになった。