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帝国18:名誉
スルカグがタン、と躍り出る。
それに合わせて、ラウストが剣を構える。
音が止む。
何も聞こえない。
目の前のモノだけしか見えない。
それは、光か、闇か。
それではない、そうではない。
ただ、それは迫ってきた。
ラウストの目前に迫り、そして視線を切り裂いていく。
それは白から黒、そして赤へと変わった。
「……お見事」
それは勝者への最大の賛辞だ。
ラウストがそれをつぶやくと、ふっと力が抜ける。
「彼は名誉の中に死した。ゆえに、我は彼に名誉をささげる。彼の者は勇敢に戦い、そして勇敢に散った。その栄誉は誰のものでもなく、彼の手の中にある」
スルカグがそれからイシリウスへと向き直った。




