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帝国15:ひらめき
イシリウスはどうやらやっと分かったようだ。
そして、ほぼ同時に、その話を聞いていたラウストもわかる。
「お前よ、ようやっと解ったぞ」
それを合図にして、ラウストは目をつむる。
そして、何事か唱え始めた。
それは口癖ともなっている、自身の心を落ち着けるための呪文のようなものだった。
小さい時からそれを唱えていたら、不思議と心が落ち着くのだ。
「……よし、これでいける」
目をつむったまま、ラウストが言う。
「これで、お前を倒せる」
「ハハハ、バカ言うんじゃないよ。この状況で、どうやって倒すんだ」
ラウストの言葉は、どう考えても勝ち目のない二人を揶揄したものであった。
はた目から見ればそうだろう。
だが、帝国でもトップクラスの魔術師に、共和国トップの魔術師ともなれば、原理が分かれば後はたやすい事であった。




