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共和国14:妖術
黒雲は二人を包み、そして台風よりも激しい大雨と大風が吹き荒れた。
その中でイシリウスはわずかな可能性に気付く。
「スルカグよ!」
イシリウスが叫ぶ。
「おう、なんだ。負けを認めるか?」
笑いながら、スルカグがイシリウスに言い返す。
特に叫ぶ様子はない。
「お主、魔法ではないな」
「ほう。どういうことだ」
イシリウスの言葉に、相変わらずの口調で聞き返した。
イシリウスはその反応を見てさらに確信を持ったようだ。
「お主、妖術の類は使えるか」
「妖術、ねぇ」
スルカグが嗤う。
まるでバカにしているかのように。




