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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
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"Sprinkles"

掲載日:2026/08/19

「駄目っ………」


「駄目だよ、こんな事……!!!」



瞳を覗き込む僕の視線に怯えながらも、君は拒絶を口にする


しかし其の心の内が、何を映して居るのか

僕は、君自身よりも深く知って居た



「───眼が」


「違う事を、云ってるよ」


食卓を挟み

向かい合って座りながら、君の顎に触れる


背筋を弾かれた様に跳ねさせながらも、君は僕の指を拒ま無かった



厚切りにして入念に揚げた馬鈴薯の横に、マヨネーズの小鉢を添える


油をキッチンペーパーに吸われ、粗熱を奪われた馬鈴薯を、僕は指で摘むとマヨネーズに一度沈め、君の唇に近付けた



「駄目だから───」


「───気持ち良いんだよ?」


君は熱い瞳で、はあはあと息を吐きながら僕の手を──そして馬鈴薯を視る


数多の逡巡が、瞬間のうちに君の意識を巡るが

最期には君は抗えず、瞼を降ろすと、恐る恐る口を開き、待ち侘びる姿勢を取った


濡れた君の舌に

僕は、そっと食餌を着地させる


『んっ…』と云う、君の鼻腔からの吐息が手の甲に掛かり、僕は嗤う


欲望が勝利する瞬間はいつ視ても、胸のすく光景だ


僕は、君の耳に唇を寄せると「もっとひどい事しようよ」と囁く

君が蕩けた表情で、びくびくと躰を震えさせた



マヨネーズに、加熱して溶いておいたチーズを加え落とす 



「僕の前では」


「おかしくなっちゃって良いからね」


金属の匙でチーズを混ぜ合わせる

君は、其の有様を覗き込みながら瞬きもせず、唾液が零れるままの姿で視詰めて居る


匙を引き抜く


息を吹き掛けて、君の口に入れる


君は微笑みながら

涙をテーブルに、ぼとぼとと落とした



「たすけて……」

 


「おかしくなっちゃう………」



笑いながらも涙でべたべたになった君に、僕は何も言わずフォークを握らせた



「僕からは指示しないから」


「───好きにしていいよ」



狂いそうになりながら、君は馬鈴薯を食べ尽くす


時間はそんなに掛からなかった

其れだけは、確実に記憶している



食べ終わりが視え始める頃には、君は意味のある言葉は何一つ話せなくなって居た


最終的に、調味料には七味唐辛子にガーリックペースト、黒胡椒などが加えられ、掛け算の様に加わった快楽に、理性はいともたやすく破壊され尽くした



此処まで来れば、調略は終わったも同然だろう

僕は、冷蔵庫からチョコスプレーの小鉢を取り出すと、君に囁きかける


「これも入れちゃおうよ…………」


残念な事に、僅かに残されただけの理性すらが拒絶したらしく


僕は引っぱたかれ

一時間に亘り、君から叱られる事となった

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