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第二話「前線の風」

前線の小丘に、風走り隊は静かに待機していた。

新隊長の視線は敵陣の動きに釘付けだ。

重装部隊がゆっくりと進む向こう側、敵はまだ気付いていない。

「間合いを守れ。突くな、焦るな。動きを止めるな」

新隊長の声に、小隊は無言で応じる。息を合わせ、間合いを微調整する。

まずジャベリンを投げる。命中は二の次。敵の動きを止め、隙を作る。

敵が反応して動きを止める瞬間、半歩前進し短槍を突き、すぐに離れる。

倒れた敵から槍を回収し、次の攻撃に備える。

「守れ。間合いを作れ」

新隊長が合図すると、隊員たちは他部隊の援護射線を意識しつつ、自律的に散開する。

風走り隊の動きは軽快だ。ジャベリン投擲、短槍突き、回収――戦術は練習通り、しかし今は生きるための実戦だ。

敵の歩兵が突進してくる。間合いを崩すチャンスだ。

新隊長は即座に判断する。「半歩前、突け。すぐ離れろ」

隊員は躊躇なく動き、突いた瞬間に後退する。

敵は反応が遅れ、足を止める。

小隊の動きが風のように軽やかで、影のように正確だった。

戦闘が続く中、隊員たちの息は上がりかける。しかし、新隊長は冷静だ。

「焦るな。生き残るのが最優先だ」

その声に、隊員は再び呼吸を整える。

生き残るための戦い――それが前線でも変わらないルールだ。

戦闘の終わり、前線の丘に静けさが戻る。

小隊の動きは完全ではない。だが、間合いを守り、ジャベリンと短槍を使いこなすことで、彼らは確かに戦力として機能した。

新隊長は軽く頷く。「今日も生き残った。風走り隊のやり方を、他部隊に見せられたな」

霧が丘を覆い、風が谷間を吹き抜ける。

小隊は息を整え、次の命令を待った。

これが、風走り隊の前線での生き方――前線の風だ。

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