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魂まで喰らいつくして  作者: 小土 反り
欠けた者達
28/66

戦闘

よろしくお願いします。

俺と真白、そして針理の3人で部屋の扉を開けてその先にある通路を進む。


「これ、どこに続いているの?」


「私の装備の保管室。多分全部解放されている筈。そこで侵入者を迎え撃つ。」


 やはりさっきからの揺れは何者かの攻撃で間違いないようだ。来ているのはどんな奴だろうか。爆発するような音が聞こえたのでやはりテクノだろうか。いや、まだ他のギフト持ちの異形種の可能性もある。


 そんなことを考えながら心理について行くと大きな部屋に出る。部屋には規則的に何本かの太い柱が立っている。敵からの攻撃を防ぐ壁として使えそうだ。俺は柱の硬さを確認していると、針理が横に置いてあるコンテナの一つを開ける。


「それが武器?」


「そう。あなた…えっと、霧刃は戦える?」


 自分の身長と同じくらいの大きさの銃を軽々と持ち上げて、針理が質問してくる。


「この地形ならある程度は戦える。いざとなったら切り札もある。」


「わかった。私ガンナーだから。前衛、お願いね。」


 そう言って巨大な銃を入り口に向かって構える。まだよくわからないが共闘してくれるようだ。


「真白、降りて。」


 真白が背中から降りて戦闘体になる。前よりも少し小さくなって、体のバランスも良くなった。虫のよだった細い足は、筋肉を持ったがっしりとしたものに作り変わっている。他にも細かいところがいくつも変わっていた。


「その子、どこから来たの?」


 針理が驚いている。


「真白ならずっと俺の背中にいたよ。」


「霧刃の友達なの…?」


 不思議なものでも見るような目を向けてくる。


「世界で一番仲良し。」


「そうなんだ…ごめんこの話はまた後で。そろそろ来る。」


 俺は左手で銀色のナイフ────「カイナ」を持ち、右手にエスカを持って構える。真白と融合してないのに両手に武器を持てるのは変な感じだ。真白もナイフを持って構えている。後ろから撃たれないか心配だが、後衛を任せてしまったので針理の腕を信じるしか無い。


 そして、爆発音がすぐ側まで迫ってくる。「ドカァン!!」という音と共に俺達が通ってきた通路が破壊される。その土煙の中なら動物のようなシルエットで、それでいて金属同士が擦れるような嫌な音が聞こえてくる。


「やっぱりテクノか。」


「あれ一体だけ、みたい。」


 テクノの型は恐らく偵察型だ。ここに来るまでにやけに時間が掛かっていた。戦闘型ならもっと早かったはずだ。


 俺達は素早く柱の陰に隠れる。向こうはまだこっちを見つけられてないようだ。その間にエスカを左手に、カイナは仕舞って代わりにアリアを右手に持つ。カイナでは相性が悪い。


 俺は不意打ちで倒す気持ちで、加速を使ってテクノの接近していく。相手がこちらに気づいたようだがまだ攻撃に移るまでは時間がある。俺はアリアで攻撃をする。「ガアンッ!ガアンッ!」という音がして攻撃が当たる。だが、全て相手の装甲を突破できていない。訓練で相手にしたやつより堅く作られているようだ。テクノの目の前まで接近し、エスカで揺り籠に斬りかかる。だが、またも装甲に阻まれ、ダメージを与えることができない。


 反対側から真白も斬りかかるが、あまり効いていないようだ。その手ごたえを得て俺達はすぐに回避行動に移る。


「堅すぎっ。」


 そう言って俺は銃撃が来る前に急いで別の柱の陰に隠れる。テクノの銃撃が来るがこっちは訓練の時に比べてあまり威力が無かった。この個体は少し防御よりの装備を付けているようだ。やはり偵察型なだけあって、正面からの戦闘を想定して作られていないのだろう。しかし、そうなると1つの疑問が出てくる。


(こいつ、なんでわざわざ降りてきてまで戦いに来た?)


 偵察型の装備は情報収集に特化している。俺と真白がこいつに見つかったのはまだ理解できる。だが、それならなぜ増援を呼ばなかったんだろう。情報を得た時点で撤退すべきところなのにこいつは戦いに来た。


(…いや、そんなことは今はどうでもいい。こいつを倒さないとどのみち帰れない事に変わりはない!)


 俺は落ちていた小さい瓦礫を持って、テクノに投げつける。加速を乗せているので俺の体でもそれなりのスピードは出ている。当然だが、瓦礫は装甲に阻まれて、ダメージを与えることはできない。しかし、相手の意識はこちらに向いた。


「針理!今!」


 俺は敵の銃口がこちらを向いた瞬間、針理に合図を送る。特に決めていたわけではないが針理はその意図をくみ取って反応してくれた。


「了解。」


 そう短く返事をするとテクノに向かってあの超大型銃を構える。そして、少し間を置いて「ガガガガガガッッ!!!」という轟音と共にすごい威力の弾丸が射出される。


「うわあああ!!」


 こっちに飛んできて無いのにあまりの迫力に悲鳴を上げてしまった。すごい音と爆風、そして火力だ。土煙が収まると、あっという間にテクノはくず鉄になっていた。訓練の成果を試すことなくあっという間に終わってしまった。


「…これ前衛必要無くない?」


 俺は素直に感想を針理に言う。


「そんなことない。ガスパレードの弱点は起動の遅さと燃費の悪さ。霧刃が時間を稼いでくれて助かった。普通はこんなに上手くいかない。」


 さっきから思っていたが針理の話し方は端的で、それでいて淡々とした感じで感情を読み取りにくい。


(まあ、生き残ったから何でもいいか。)


「助かったのはこっちもだよ。ありがとう。」


 気になることはたくさんあるが、とりあえず生き残れたことをみんなで喜び合った。

読んでいただきありがとうございました。

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