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魂まで喰らいつくして  作者: 小土 反り
欠けた者達
16/66

自分の部屋

よろしくお願いします。

「さっきは大声で泣いちゃってごめんなさい。」


 俺は3人に頭を下げていた。泣いているところを人に見られるのはとんでもなく恥ずかしかった。今後はもう人前で泣くのは絶対にやめよう。この恥ずかしさで死にたくなる感覚はもう味わいたくない。


「別にいいわよ。泣くのは子供の仕事の一つよ。大人になる前にたくさん泣いておくなさい。」


「そうですよ。気にしなくていいんですよ。」


 二人に続いて真白が頷く。だが、そんな言葉を掛けてもらってもこの恥ずかしさは消えなかった。


「それで、その状態だった霧刃が今話せているのはなんでなの?」


 空気を換える為なのか綾女が話を振ってくれる。


「夢の中で魂喰から教えてもらったんだ。喰った魂を使って動けるようになるって。そのおかげで俺は動けるようになったんだ。」


 二人は少し考える表情を見せ、小声で何か言っている。


「…ギフトが教えてくれた?もう自我があるの?覚醒もしていないのに?」


「綾女、少し落ち着いてください。同じ名前のギフトでもその性能まで全く同じとは限りませんよ。」


「そうね…考え込んで悪かったわ。霧刃が手足を動かせれるようになったのは、さっき少し言った魂喰の応用よ。取り込んだ魂をどうするか、決定権はあなたにあるのよ。」


(応用…俺にはよくわからん。もう動けるしとりあえず今はいいか。あっ。)


 俺は一つ大事なことを思い出した。


「俺からも聞いていいか?」


「なにかしら?」


 綾女が答えてくれるみたいだ。


「俺達がここに住むのはいいんだが、あっちの家に置いてきた銃とかを取りに行きたいんだけど。」


「もうここに運んであるわよ?」


(…え?いやいや、え?本当に?)


 あそこに置いてあった食料や動物の皮、死体から盗った道具などすべて合わせればそれなりの量になるはずだ。それをどうやって運んだというのか。綾女も透蜜もずっとここで話していた。


「ほかにも誰かいるのか?」


「今はここの4人だけよ。荷物は食べ物以外は全部霧刃の部屋に運んでおいたわ。まあ、ここにはベッドも水道も電気もあるから、ほとんど必要ないとは思うけどね。それじゃあせっかくだし部屋に行きましょうか。涙もすっかり止まったみたいだしね。」


「恥ずかしいから思い出させないでくれ。」


 俺は真白を背中に背負い、歩き出した二人に付いて行って部屋を出た。


────────────────────────────


「ここよ。」


 廊下を歩いていくつか部屋が並んでいるところに来る。綾女はその中の一つの扉を開けて中に入る。


「わあ。すごい。」


 扉の先にはまた廊下があった。奥に更に扉がある。壁と天井は廊下と同じ白色だ。床は木の板でできている。入口の所に段差があり、そこで靴を脱ぐようだ。


「入ってもいいか?」


「もちろん。ここが今日からあなたの部屋よ。」


 俺は元から裸足なのでそのまま部屋の中に入っていく。奥の扉を開けると大きなリビングに出た。そこに洞窟の中に置いてきたものが全てあった。


(よかった。戦闘服も銃も無事だった。)


 周りを見てみるとさっき綾女たちと話していた部屋と同じような作りになっている。ソファや机の位置も似ている。しかし、この部屋の窓にはガラスがあり、横のパネルで操作できるようだった。外には森と山と空が見える。


 「こっちが寝室よ。」


 綾女が入って来た扉の右にある扉を開く。


 そこには大きな白いベッドがあった。


「大きい。」


「疲れているからいますぐ寝たいかもしれないけど、風呂に入るまでは我慢よ。」


「お風呂もあるのか?」


 俺は目を輝かせた。外では湖の水で体を拭いていた。だが、とても冷たかった。火を使ってお湯にしたかったが、水を入れる容器が無かった。俺は暖かいお風呂に入りたいとずっと思っていた。


「あるわよ。私たち自慢のお風呂が。せっかくだしみんなで入りに行きましょうか。霧刃と真白は体を洗わないといけないし、着替えも必要ね。」


「着替えなら私が取ってきますね。」


 そう言って透蜜が部屋を出ていく。


「私たちは先に行くわよ。こっちよ。」


 綾女が靴を履いて部屋を出ていく。俺は慌てて後を追う。


 久しぶりのお風呂に俺はわくわくしていた。





読んでいただきありがとうございました。

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