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初耳

それでも鬼と名乗るそいつは話し続けた。


「お前はお前の両親によって俺の子として捧げられた。すべての始まりはお前の両親が結婚する時から始まっていた。お前がこの世に生を受ける前からな・・。お前の両親は自分達が結婚したいがために俺を呼び出した。そこで結婚させてやる代わりにある契約を結ばせた。」


「契約・・・?」


「お前の両親が望んだ事を叶えるのは容易い。しかし、俺は代わりに何かをもらわなくては望みを聞くことは出来ん。そこでお前の両親に条件を出したというわけだ。第一子の魂を俺の子として捧げよとな。つまり、お前の事だ。」


「・・・ちょっと待ってくれ、なぜ俺の両親は結婚するのにあんたに頼る必要があったんだ?」


「お前は本当に何も聞かされてないようだな。お前の母親の父親に強く反対された。それでお前の父親の母親が、俺たち鬼や悪魔に通じる黒魔術を使って俺を呼び出し、お前の両親が結婚できるように頼んできた。そういうことだ。」


・・・・その話しどこかで聞いたことがある。ばあちゃんが昔そんなような事を言ってた気がする。


「パパとママ結婚できてよかったね」って、「あのまま結婚できなかったらこんなかわいい子に逢うことできなかったもんね」って確か俺にそう言った。あの時はまだ子供だったからただ単純に嬉しいとしか感じていなかったが・・・。


「お前の両親は俺の出した条件に少し迷っていたようだったが、契約を結ぶことに同意した。そして俺は契約どうり望みを叶えてやった。すぐさま結婚、妊娠だ。ところが、お前の両親は俺との契約を時間が経つにつれ忘れつつあったようだったな。本当に人間は愚かで都合がいい。まあ忘れていようが覚えていようが関係ないがな。契約は絶対だ。」


そう言うと鬼は静かに、そして不気味に笑った。

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