弟の存在
さらに鬼は話しを続けた。
「俺にとっても、お前の両親にとっても順調に事は進んでいった。だが一つ予想外なことが起きた。」
「・・・予想外?」
「お前には元々双子の弟がいた。双子で産まれてきては都合が悪いからな、弟の方には消えてもらったよ。」
「・・・・・・うそだろ?俺はそんな話し信じねえよ。デタラメだろ・・?」
「何故そんな目で俺を見るんだ?お前は無事に生を受け産まれて来れたというのに。むしろ感謝してほしいものだな、俺に選ばれたことを。」
「つまり殺したということなのか?・・・俺の弟を。」
「お前が今いる世界では、そういうことになるのかもな。肉体を消したのだからな。」
こいつの言っていること全てを信じているわけではない。しかし不思議になぜだか偽りを言っているようにも感じなかった・・・。
「1月23日、お前の誕生日だな?お前はこの日に産まれることも決められていた。必ず6の数に係わるように産まれてくる、それが鬼の子だ。子供のうちはまだ未熟なせいで普通の人間の子となんら変わりなく過ごしていたが、お前が四歳の時、それまで収まっていた鬼の血がうずき出し表面化したことも一時期あったが、その後は今の今までずっと眠り続けていた。そして二十歳になったと同時に目覚めたのだ。俺の息子として。だからここに呼んだのだ。」




