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そして更に二週間が経った。最初の一週間は敵をある程度倒せたが一週間の間に担当エリア範囲を把握されたのか割と暇に成った。だが、他所が荒らされる為、担当エリアの一部シャッフルが行われる事に成った。今はその地域の把握作業中なのだが。
「アレだな。感じ悪いけど敢えて言えば、戦力を全域に均一に配置し無いと弱い所を狙われる。けど個々の技量的な問題も有るし、使い手側の実力の完全な均一配置現実的には無理ゲー、か」
すると居合わせた設備管理者にそれに対しての苦言を言われる。
「この話は只のコピペ存在だけしか事に当たって居る訳じゃ無いのですから、多少の戦力的なバラツキが出るのは仕方ないです。ゲームなら戦闘力を数値化してそれを元に振り分けるくらいは出来そうですが、これはあくまでも現実なので」
「今回の担当エリアのシャッフルで如何にか出来れば良いのだが」
「ナノマシン周りは此方のエリアに事前に置いて有る量しか使えませんから割と縛りプレイを強いられる人は多いのですよね」
「それはそうだが、末端は必要最低限の情報しか持って無かったし、何とか幹部以上でも捕まえられりゃ良いのだがね……」
「今回の担当エリアシャッフルで弱い所狙いの人とぶつけられるはずですので、強い奴と戦えれば極力捕まえてくださいね」
「解った。出来る様に努力する」
「拘束具としてですが、ナノマシンにワイヤーを大量に繋げて置いたので役立ててください」
「おお、助かる」
多分グランテさんが初回の模擬戦闘でやって居た、絶縁体化加工済みのワイヤーを展開しておき、相手をいきなり捕まえると言う奴の為の物だろう。テーザーガンでも行ける訳だけどね。
「これで捕まえるのに使うのは良いのですが、ロボアニメの小型機械に強固なワイヤーか何かを繋げて使い、小型機械を動かして相手に強制的にワイヤーカッターを当てる……みたいにして相手を切断して殺さないでくださいね」
「……そうならない様に努力する」
……つまり、本来なら捕縛されて投げられたあの時、上下二つに切断されかねなかった状態だったと言う事か。……グランテさんからすればあの状況は幾つもの詰み検案を俺が理不尽に跳ね返した事に成る。そりゃあ俺の不正やチートも疑うか……。能力で身体の強度を上げていると言う意味ではアレだけど、それは不正かと言われると違うし、事前情報を得ていて、専用の対策を大量に盛ったとか判定基準を弄るとかの真似はして居ないのだがね……。
「科学が有っても結局は個人の技量頼り、か」
「水霧さん、他人がやれた事の模倣だけなら理論的には出来ますよ」
「……はい?」
「創作で言うならゲームの技のモーションアシスト。現実で言うなら手本役の人の特定の動きをする際の生体電気を計器で測定して、その結果を他人の中で再現して身体を無理矢理動かせば良いだけです。そう言う意味では理屈上はトップ層以外の人は簡単にある程度の下駄が履けますね」
「……えぇ……逆にトップ層が損する理屈はやばくないか?」
「研究を他の人に継がせる前提なら、科学でも基本的にはそうですよ。昔の研究者が研究して得た情報を今の研究者は事前知識として扱い、研究を出来ますから、後続はそもそもスタート地点自体に下駄を履いています」
「ははは、……なんか釈然とし無いな」
「いわゆる人類の積み重ねって奴ですね。仮に昔の研究者が現代に居たら別の事を研究しているでしょうし」
「…………本当アレだな。……じゃあ一旦帰る事にする。問題が起きたら通信してくれ」
「了解しました。ではこれ以上は又の機会に、ですね」
そして、元の場所に電子通信で戻り、待機する事にした。その後特に何もなく二日が過ぎた所で、余所の担当の奴が幹部クラスを捕まえたと連絡が入ったので其方に向かう事にした。
「創作なら俺がそいつと戦う所じゃ無いのか?と言う感じだが、楽が出来たならまあ良いか」
そして幹部クラスの奴の取り調べをした所、解ったのは。
「……余所の世界の奴がこの世界に色々な目的を果たす為に尖兵を送り込み、介入して来て居る。……と言うのはまだ良い。余所の世界が有ると言うのはワールドシミュレーター内部から此方の世界に来たのだから今更だしな。……けど、原因が、ルド様が弱体化した事なら、舐められているので、ルド様の世界で好き放題やり放題する奴を造る為って……」
……結局はルド様が弱体化したので報復されようが無いだろうから好き放題やろうって事か。……それならルド様自身を直接殺し、世界を奪った方が良くないか?とは思うのだが、……取っている手法的にまともに戦う気はそもそも無いのだろうな。弱体化状態のルド様にも一掃されていたし、相手側がそれでも俺の方が強いとか思う事はアレな気もするけども、一応損害は出されては居るし。
只、直接戦っても倒せないからそいつが干渉出来ない所で好き放題やろう……と言うのは、ルド様より文句無しに強い奴の所業には見えない訳だが。
「言うとアレだけど、これさ、ルド様が武力で抑えていた検案がルド様の長期の弱体化で表出しただけじゃ?」
「……それに付いてですが、弱体化無し版のルド様と同格の人は一応二人居ます」
「は?いや、そのどちらかが来たら不味いのでは?」
「片方はその心配は無いですが、もう片方は殺し合いをした仲らしいです。只、結構昔の話ですし、その人が来ると言うなら実力的にルド様を直接狙わないとアレだと思います」
「……その二人が関係無いなら何故言った?」
「いえ、其方の二人は多分弱体化はしていないので、全面戦争に成ったら其方が最悪出張って来る可能性が有り、全面戦争展開は無理なので損害を与える方向にシフトしたのでは無いですかね」
「……なんだかなぁ……」
「……スカジさんを水霧さんは知っていますか?」
「……知っているよ。ワールドシミュレーター内部で娘を任せていた人だからな。そのスカジさんがどうした?」
「スカジさんはその片方のメビウス様に造られた存在らしいです」
「ちょっと待て……スカジさんの言動を思い出す……あ、会った初回の時にメビウス様とかの名前を言及していたな……マジか……」
……ん? ならスカジさんに掛け合えばそのメビウス様とやらとの面会は出来るかも? つまり、ルド様と同格の人のコネを間接的に俺は持って居るって事じゃ……。
「一言で説明をすると、メビウス様はゲーム的な世界の創造を出来る人、です。そう言う意味ではルド様とはやって居る事の畑は違いますね」
「……ゲーム的な世界の創造、か……仮にそれがゲームのデバッカーみたいな物なら凶悪なのは想像が付くが……」
「デバッカーでも間違いではないですが、全部一人でやるゲームクリエーターの方が正しいですね」
「うわぁ……」
「メビウス様を話題に出した理由ですが、不敬に成るかも知れないにしても言いますけど、もしルド様が封印なり討伐なりされた場合は其方に頼るべき、と言う事ですね……スカジさんは諸事情でメビウス様の事を嫌っては居る様ですが、メビウス様に会うならスカジさんを説得して繋いで貰った方が無難だと思います」
「何でスカジさんはメビウス様とやらが嫌いなのか……」
「一言で言えばメビウス様がスカジさんをスカジの神格持ちで造ったから、らしいです」
「割と理不尽な理由だな」
「いえ、スカジの神格の称号には神々の麗しい花嫁的な物が有りまして、ね」
「……前提条件上スカジさんからすればそう言う目的で造った様に見える、か……」
「能力構成はガチなので、メビウス様は多分それ目的で造った訳じゃじゃ無いと思いますけどね」
「確かにおっかなかったな……まあ、それは良いや。今回の話はそのメビウス様に交渉してどうにかして貰う為にスカジさんと交渉すれば良いのだな?」
「はい。そうなります」
「……結局他人頼りはアレだが、最悪の為に備えて置くのは悪くは無い、よな。じゃあ交渉行って来る」
そしてスカジさんと連絡を取り、交渉を行う事にした。
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そして見た目としては北欧風の美人のスカジさんに会って交渉をしようとした所、開口一番で罵倒された。
「汚らわしいハーレム男が……昔の貴方はそうでなかったはずなのですがね」
「……事情を説明した方が良さそうだから、説明をさせてくれ」
そして軽くやって居る事の説明を行うと。
「……はぁ……貴方ね……なら分身を出しなさい。少し試したい事が有ります」
「何をする気ですか?」
「……それをやる時と同じ物を出してくれれば良いのです」
「……解りましたよ。なら羽織る物を貸してください。流石に骨鎧は着させないので……」
するとスカジさんはテーブルクロスを取り外し、投げ渡して来たので、受け取り、分身に羽織らせる。
「それで何をしたいのですか?」
「……その前に確認だけど、今その分身は例の仕事の際の仕様ですよね?実は今回だけ変えて居ると言う事はありませんね?」
「……やけに念押ししますね?そうですよ」
「ならこれをやっても問題有りませんね」
するとスカジさんは俺の分身の顔を掴んだかと思えば顔を近付け、もう片方の腕で腕を掴み胸を触らせいきなり頬キスをして三秒くらい経った所で俺の分身は爆散した。
「……へぇ。これで貴方はダメージを負っていないと言う事は本当に只の分身、なのですね」
「……あは、はは、冗談キツイですね」
「いえ、これでそう言う事をやって居る際に、限定的に接続していたら貴方にもダメージが行っていたはずですから、今の話は信じましょう」
「……胸を触らせたり頬にキスしたりは俺相手にはセーフなのですか?」
「シンプルに有りなら爆散なんてさせません。必要経費ですね」
「……キスで相手を殺すとかアレなのだが」
「貴方が性欲まみれなら感覚をリンクさせて来るだろう事をわざとしただけなので、感覚を繋げて来るような性的な事で有る必要は有りましたが、キスに拘る必要は特に無いですね」
「……本当さぁ」
「良いじゃ無いですか。そう言う事を直接貴方がして居ない証明に成ったのですから」
「……もしして居たらアレな事に成って居たのだが?」
「貴方ならどうせこれくらいでは死にませんから」
「……信頼どうも……。それは良いから本題に入ろうか」
「ああ、そうですね説明をどうぞ」
そして状況の説明を行うと。
「ああ、ルド様が昔程の力が無い状態のままだから舐められて問題が再発して居るので、メビウス様へコンタクトを取りたい、と」
「どうだろうか?」
「其処周りの話を知って居るなら私が彼の事を嫌いな事も解るはずですが」
「それでもメビウス様の実力は確かなのだろ?」
「苛立たしい事にそれは間違いありません。本来なら私の能力なんて破棄対象にしたい所なのですよね。神々の麗しい花嫁呼ばわりされるのですから」
「じゃあなんで捨てないのか」
「詳しい説明を省くと、それは概念だろうが何だろうが殺し切れます」
「……滅茶苦茶言うね」
「スカジの神格が傷を付ける者と言う意味の物なので、それの傷を付ける対象に取れる物が概念すら有りだからです」
「……ああ、だから嫌でもスカジの名前を名乗る訳だ。嫌なら別名名乗るべきだろうにわざと名乗って居るからツンデレかと思ったけど違うか」
「失礼ですね。言いたい事は分かりますが、、そもそも万物の創造を可能とする能力を科学でやって居て尚弱体化した呼ばわりされる状態が成立する事自体が頭可笑しいですけど」
「まあ、それは確かに」
「それに弱体化の理由的に能力自体の弱体化ではなく、出力周りの弱体化なはずですから、純粋な出力勝負以外だとそんなに弱体化してないはずなのにもしもを心配するとか、むしろルド様に失礼だと思いますけど……」
「言われてみれば、確かにそうだな……」
「そもそも弱体化無しでも普通に納得されるだろうレベルの事をやっていて、それでも敢えてやって居ないだけなら……現実を試験紙に使うなって話です。……ま、弱体化の理由が理由なので弱体化した事に付いての文句は言えませんが、言及はせずに伏せさせて貰いますね」
「そう言えば、本体には有る避けたい制限って何なのか……」
「一部の人は知っては居ますが、伏せさせて貰います。それは余り喧伝する事でも無いので」
「……聞きたい事では有りますが、まあ、弱体化を受け入れてでも外したい制限、ですしね。それに関わる要素は弱点に成り得るだろうし……」
「本題に戻しますが、取り敢えず、ルド様の弱体化が永続的に成って居てでもしないと、ルド様が自己都合でこの状況を許容して居るだけですので、私としてはメビウス様を好き嫌いとか関係無しに、介入なり何なりする必要は無いと判断出来ますので、お帰りください」
「……解ったよ。それじゃあ此処は帰らせて貰うよ」
「まあ、本気でヤバイ事に成ってそれでもルド様が何もしないなら介入なり何なりはしますが、そう言う事が無い事を祈ります」
「その時は頼むよ」
「さて、今回の場合はアレでしたが、メビウス様とのコネとか関係無しに友人関係に成ってくれた事には感謝して居ます」
「まあ、そりゃあスカジさん文句無しに強かったし……」
「それにしてもメビウス様へのコネ目的で無い事は確かでしたから、昔の貴方には感謝して居るのです」
「……そりゃあメビウス様なんてあの時は碌に知らなかったし、そう言うコネ目的では確かに無かったけれど、感謝される程では無いかな」
「いえ、昔の私はメビウス様と喧嘩するなり何なりとで後ろ盾も碌に有りませんでしたからね」
……それは恐らく造られた初期段階からメビウス様に喧嘩を吹っ掛けたからでは? とは思うのだが、嫁にさせる目的で勝手に造られたと判断したら色々とアレでは有るか。けど。
「でもそれでも自由意思は有るのだろ? ホムンクルスなんて造り主に忠誠を尽くすように刷り込まれて居るとか言うけど、嫌いと思って居るならそう言うのは無かったのだろうし」
「……それはそうですが……まあ、良いです。余計な事を少し言うと、大義名分を守り、踏みとどまった貴方になら少しくらいそう性的な事をしてあげても良いとは思うのですけどね」
「……遠慮しておく。また何か有りそうだからね」
「そうですか。……じゃあ代わりに、そうですね……。パラレルワールド相手に好き勝手やって居る奴は知りませんが、この世界に異世界から実際に来て居るなら、出来る限り世界全体を計器で測りなさい。他所の世界から来て居るなら何かしら現地では計器がおかしな動きをするはずですから」
「計器に出ない奴とか来るかもだが?」
「直接この世界に介入なり何なりをしたいのに、この世界の奴に触れられない状態で常時居るとも思えないので、いきなりそう言う状態に成る何かが出現なり何なりをしたら計器で解るはずですので」
何も体感出来ない状態でこの世界に他所の世界から来てもアレだろうから、体感しようと調整した瞬間何かしら計器に引っ掛かるだろうと言う事だろうか?
「それについては相手の仕様次第な気もしますが」
「後、計器のクオリティー次第ですね。違う種類のゲーム機に同じソフトを入れても動かない奴が有る様に、完全な別の仕様の世界から来て調整無しにそのまま入れるとも思えませんけど」
「ダメ元にしてもやる価値は有る、か、解った。今日は有難う」
「そうですか、それではまた今度会いましょう。只、有事に会うことが無い事を祈ります」
「それじゃあまたな」
そしてスカジさんの居る場所を後にした後、各所に連絡を取り各地の計器のデータを掻き集める事にして、一か所の怪しい場所を見付けたので其処に五十人程で行く事にする、と。林道に居たのは四人の人型のサイボーグだった為、話を聞いてみる事にしたら襲い掛かって来たので戦う事にする。
サイボーグは指を此方に向けたかと思えば、射出し、それに合わせてワイヤーが伸び、それで体を引っ張り、突進して来て、更に此方にぶつける腕の中から刃が現れ、すれ違いざまに切り付けて来たのを骨大剣で防ぐが、少し押しやられる。なので、俺も骨を過剰生成して、サイボーグの身体に突き刺し、相手の勢いを利用し、自分でも勢いを付けて骨大剣で一人目を叩き切り処理した所で残りの三人のサイボーグは自爆して来たので骨に依る壁を生成して防いだ。
「……対話も出来ねーのかよ」
「恐らく彼らは只の端末ですね。ゲームで言うならプレイアブルキャラクターです。だから簡単に自爆出来る」
「……はっ、相手からすればなんかのゲームを遊んでいただけですってか? 本当にアレだな」
「それも倒せない敵から隠れながら目的を達成するタイプの奴でしょう。どうせ勝てない敵と戦う展開自体を捨てて居るなら、本体の所在はばれない方が良い」
「なんだかなぁ……弱体化状態とは言え、ルド様に喧嘩売るならもっと強い奴を想像して居たのだが、これじゃぁなぁ」
「まともに戦っても勝てないので、隠蔽したり正々堂々戦う事すら避けたりしている連中なので、戦えばこんな物です」
「ははっ、取り敢えず、今回みたいな事を適宜処理すればこの件は勝ちで良いのかね」
「相手のテリトリーの世界に行きどうこうする迄をやらないならこれ以上は無理ですね」
「だよなぁ……まあ、しょうがないか」
「さて、水霧さん、粗方片付いたのでルド様に話に行って貰えますか?」
「だな。敵の世界に攻め込まないならそうなる。行って来るよ」
そして、ルド様と話をする事にした。
「水霧、ひとまずごくろうさん。今回の件はもう十分かな」
「……ルド様、その前に一つ確認が有るのですが、宜しいですか」
「良いが、それで、なんだ?」
「弱体化を受け入れた理由はともかく、何で有事に弱体化を解かないのですか?」
「……確かに俺が片付ければ確かに全部簡単だろう。けど、何らかの理由で俺がやられた時、君らが禄に鍛錬せず、平和ボケしていたらどうなると思う?」
……強大な守護神に全部丸投げして居たら、そいつがやられた場合?……敵はその強大な守護神を倒せる条件を揃えて来ている訳で。……人質とかそいつにだけ効く特効能力が根拠ならまだともかく、純粋に戦力的にやられたら?
「……それが達成される方法にも依りますが、最悪被全制圧、全滅、ですかね」
「そうだ、それは嫌だろ?」
「……シミュレーターが有るのですから、経験を積むだけならわざわざ外敵を放置する必要は無いはずです」
「色々な奴が言う事だが、実戦に勝る鍛錬無し。それにどうせ全員蘇生出来るし、な」
「……弱体化無しのルド様と同格なのは二人居るらしいですが」
「メビウス=リンケージと、エイリアス=ローダーの事か? 問題無いよ」
「ローダー? ローダーと言いましたか?」
食い付いた理由?エアデーと名前が被っているのだ。
「ああ、エアデー=ローダーはエイリアスの関係者だぞ。ワールドシミュレーターの雛形はメビウスが作った奴だしな」
「……は? え、いや、は?」
「そんなに驚く事か? 三人とも別の奴を造っているだけだぞ」
……どうりでエアデーがルド様の後継者云々に推されて無い訳だ。
「それは良いとしても、わざと危機を演出するのはどうかと思いますが」
「実際手法こそ違うが似た事なら昔もやったから、こう言う事は別に初回じゃ無いぞ」
「……やり過ぎるとオオカミ少年みたいに成りませんか?」
「そう解釈されるレベルの回数はやっとらんよ。ただ、俺が毎回全部どうにかするのでは当事者の真剣味も何も無くなるしなぁ」
「……それは良いので仁柚との結婚はそろそろ良いのでは無いですかね」
「別に良いぞ。だが、仁柚を狙う奴は多い。政略結婚的な意味でもね。そう言う層は潜在的な敵に成るだろうな。何かにつけて足を引っ張って来るだろう。それで俺が怒って離婚させて代わりに自分が……って奴だ。そう言う魂胆の奴等に娘はやらんがね」
「……確認したいのですが、仁柚はルド様の孫なはずですよね? 何故孫じゃ無く、娘、と?」
「揚げ足取りか? 良いだろ、呼び方くらい別に」
「……なんかまだ未開示の話が有る様な気がするのですが」
「そりゃ別に全部を話している訳じゃ無いからな。とりあえず被害者の損傷は治して置くから仁柚とでも会っておけ」
「……まあ、今は良いでしょう。それじゃあ仁柚に会って来ます」
そしてルド様の居る場所を後にして、仁柚に会いに行く事にする。仁柚の見た目は東洋系の美人の顔立ちの黒髪ストレートで、Cカップのスレンダー体型。尚見た目は俺が自由に替えてやれる為、この見た目は一時的な物だ。
「水霧、正直な話、此処まで面倒な条件を出されて良くそれでも諦めませんね……」
「確かに普通なら投げ出す条件だろうね。命が幾つ有っても足りないから。でもそれが関係ないワールドシミュレーター内部では子供まで造っちゃったし。……今更引けない」
「まあ、私達の娘達も面倒事に巻き込まれるのは前提条件上確定的では有りますから、確かに今話から降りると貴方は嫁と娘達を見捨てて逃げた人に成りますけど、それでも死んだら元も子もないのですよ?」
「早々やられる気は無いさ。これでもブラックホールとⅡ型超新星を撃てる様に成ったのだぜ? 実戦投入したら、即座にメタ使われたけどさ」
「……ブラックホールや超新星をとんでも理論無しに凌げる人って居ても一握りでは?それに最早人体機能の応用の域を越えている気がするのですが」
「ブラックホールのタネは言い方を替えると人体の体重の根拠の物質だけを大量生成しただけなのだが」
「……うわぁ……そんなの有りですかね?」
「別に身体全体を生成出来ますが生成した物の体重は零ですって仕様じゃ有るまいし、カルシウムを盾にするとかの生成物の形を自由に変える事は何回もやっているのだから、今更じゃ無いか?」
「ははは、そうですね……」
……ま、遠隔の分身にブラックホールを造らせるのでも無ければ、それから逃げる余地が無いと自分も巻き込まれて死ぬから、自分の生存を念頭に置くと其処まで問答無用な物ではないけど。
「まあ、それはともかく、ルド様から結婚のお許しが出たのだが、良いか?」
「これからも色々と面倒を掛けると思いますし、大真面目に命の危険も何度も起きると思いますが、本当に良いのですか?」
「現状だとルド様が居れば最悪俺の評価が下がるだけで何とか成るだろうから、現状だと誰かが何とか出来る事しか起きないと思うし、ルド様が死んで以降が何も保証が無いだけだから現状だと何かしらで何とか成るだろうとは思うから問題無いよ」
「ですが、問題が起きた時にルド様が自分に頼るなと言うのは明らかに目に見えて居ますけど」
「……それは解っては居るよ。だから今のうちに強く成る事が必要な訳で」
対生成を使う万物創造能力の上位互換がルド様の能力だと仮定して、同格の人がゲーム的な仕組みの世界創造が出来る能力なら、万物創造に含まれる物は恐らく世界其の物自体も入って居るだろう。根拠に対生成を使うのは空間自体も偶に増えないと行けないので、色々と無理筋な気もするけども。仮に空間が少しだけ膨張しても普通それを認識出来るかと言われるとアレだしね。
エイリアス様の能力は現状だと基本的にはノーヒントだが、他の二人に対抗可能な物で有るのは間違い無い。仮に世界創造を種類分けした特定の種類の世界創造がテーマなら、ルド様は現実世界の創造。メビウス様はゲーム世界の創造。ではエイリアス様は何の創造なのだろうか? それとも破壊神側か? これ以上は流石にノーヒントだと判断しようが無いか……。
「最初に比べたら本当に凄まじい変わり具合らしいですね。最初は只の水の身体を得ただけだったとか聞きましたし」
「ああ、それな。理屈の応用の紆余曲折は説明して居たら切りが無いけど、能力自体は全然初期段階に幾つか手に入れた物以降からは基本的には盛られて居ないよ。他にもワールドシミュレーター内部における権限の獲得とかが無かった訳じゃ無いけど、この世界だと使えないから関係無いし」
「……結婚を本当にするのですか?」
「なんか重ね重ね聞いて来るが、嫌な理由でも有るのか?」
「結婚しなければまだ引き返せますよ?」
「いや、それはない。俺達の娘達が居る以上は、ね」
「……なら、そうですね。ルド様に身体を造って貰ってください」
「何故だ? 俺ももうそれを出来るけど」
「今の水霧の身体は私がベースな為、このままだと近○相○に成ります。それを避けたいので、ルド様に近○相○を避ける身体を用意して貰うためです」
「……ふむ、解った。それで娘達の身体を改めて造り替えて、近○相○を避けた状態にする訳だ」
「それで魔法や異能の技能を獲得でもして貰うようにしますので、して貰った方が良いと思います」
「マジか。……魔法や異能の元のエネルギー生成の器官を体内に造って貰うと言う事で良いのだよな?」
「はい。そうなります。そしたら改めて結婚しましょう」
「解った。じゃあルド様に話をして来る」
そしてルド様に新しいベースと成る、近○相○に成らない身体を用意して貰い、改めて仁柚と結婚をする事にしたが、今回の場合の結婚式は肉親と極一部の人だけで済ました。……まあ、喧伝したら面倒な問題が出そうだからね。
さて、今は色々と解らない事は多いが、まあ、何とか成るだろう。現状だとこんな物かな。……異世界の奴が幾ら強かろうと、世界や界や領域とかを造りルールを居る世界に押し付ける事の出来る系統の奴のサポート下でなければ物の数では無い事に成るのだから。まあ、こんな事を言って居ると例えば世界中の奴が(世界等の)創造主の卵の存在に成って居る世界観とかのヤバイ物が出て来る気もする。
何でもかんでも好き勝手設定が出て来る後出しじゃんけん相手に○○だから有り得ないとか言うのも此方が考える物の前提と前提自体が違う物が出て来るから無駄であろうけども、それを言い出すと何事であろうが断言したら反論したい奴には例外を出されるだけでは有る。俺の宇宙でそれを採用する必要性自体が無い物も有るけども。これからも面倒事に俺は足を進め続ける事にしたのだった。
今年はこれで終わり。
次回は枠を変えて一月十三日に新枠を立てるよ。一話は既に公開済みなので、二話分公開しまーす。
良いお年を~。




