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そして場所を移動して、大規模なシミュレーターが有る設備が有る所に移動して皆が集って来た上でルド様は全体に向けて言う。
「ぶっちゃけると、今回の話は俺のせいだ。昔色々とやった事の根拠を最近俺が使わないせいで、何かの理由で使えない認定を食らった故に、だからな」
其処にブーイングが多少出るがルド様は済ました顔で続きを言う。
「ブーイングを言うのも勝手だし解らなくも無いから責めはしないが、後継者の勢力として名乗りを上げて置いて、俺が対処すべきレベルの話を貴様らが対処出来ないなら、後継者としてはアレだが?」
その言葉と共にブーイングが途絶える。後継者を名乗る=ルド様が対処して居た問題を自前で対処する様にする。なので、此処で他人任せや安全圏に逃げるだけで済ましたら後継者としては落第点であろう。
これは別に軍師タイプの奴が悪い訳ではなく、結局ルド様に頼るだけじゃ後継者に成りたいのは只の利権目的でしか無い事に成るから、本格的に後継者を任せた後に色々と問題に成るのは透けて見えるのだし。
「この話を踏まえた上で俺の保護下に入りたいなら好きにしろ。勢力の主要人物側はそうしたら後継者としての権利は剝奪させて貰うがね」
……尚沈黙が続くかと思われたが主要人物側で無い人が言う。
「そんなの此処でルド様の保護下に入ると代表者に対しての補助も出来なくなるじゃ無いですか」
「まあ、形式上そう成るな。此方在りきで話を進められたらアレでは有るし」
「つまり、保護下に入りたければ、代表者を見捨てろと?」
「後継者としては俺が対処し無い前提で話を進められないとアレなのに、俺が対処する前提での布陣で進めるのがセーフだとアレだし」
「そんなのあんまりだ。保護下に入るのはリタイヤが前提じゃ無いか」
「そもそも俺在りきで話を進めるのだと、後継者としては論外と言うだけだろ」
「……」
「で、諸君はどうするよ?」
「……戦力に成らない非戦闘員だけは保護下に入れても良いですよね?」
「まあ、それが落としどころかな。それは引き受けよう」
そしてルド様は全体から五百人其処らを保護下に入れる事に成り、残る三千数百人での話し合いを始める事に成った。
「さて、残っている奴は全員シミュレーターで今回の問題の奴と戦ってみようか」
そして全員が時間を掛けてシミュレーター上での模擬戦闘を行い、戦えるかの具合を確かめた。
「科学メタとぼかして発言したが、終えた後だしある程度細かく発言しようか。身体の物質の素材的な意味での炎熱と冷却への高い耐性、構成物の強固な粒子結合に依る損傷耐性と斬撃耐性等々、まあ、今挙げただけだとノックバックとかの通る奴はある程度有るけど」
それだけだと例えば核の放射能は普通に通るのでは? とは思うが、今挙げたのが全てでは無いだろうしね……。また誰かが発言する。
「何故其処迄計測出来る? 今回の話はそもそもやらせじゃないだろうな?」
「その疑問ももっともだが、もしそれが正しいなら今回俺は自分から自分をこき下ろした事に成るのだが」
「……そうしたかもしれないだろ?」
「うーん。まあ、俺が対処すべきレベルの検案を一つ君らに意図的にあてがう事でそれに対処出来るかを見るテストと言う形だと取るならそれを俺が用意したと解釈する事も解る。だが、それならシミュレーター上で全部やれば済む。違うか?」
「……ならルド様の創った奴をルド様が間違って解放してしまったとか?」
「それならわざわざ君らに頼る必要無くない? セーフティーでも使えば一網打尽だろ」
「ならテストの為にわざと用意したと言う事では無いと?」
「言っただけの範囲だと何らかの特殊素材を粒子レベルで強固に成る様に補強しただけの物質で出来ていると言うだけの存在じゃ無いか。特定の特殊素材の加工技術が有るなら、戦闘ロボットを作れば真似出来るだろもう。そう言う意味では割と理屈は簡単な物だぞ?」
「……」
「反論が無い様なので、次の話に移るぞ。今回の奴らに後続が居た場合、今回君らに倒させた奴は只のリトマス試験紙とか捨て石とかと解釈すべき奴らだ。俺が魔法を使う様に俺を散々煽って来たしね。見える釣り針が大き過ぎるから使わないで如何にかしたが」
「……理屈は簡単かも知れませんが、普通やりますか?」
「耐性が盛り盛りの特殊素材とその素材の加工技術が用意出来るならば、やれるだろうさ。むしろその程度すらも考案や用意も出来ないで全科学に対するメタを出来たと名乗るとか笑わせんなって話だが」
「はは、考案出来たとしても特殊素材を用意するのがアレなのですけどね」
「繰り返す様だが、用意含めてそれすらも出来ずに全科学へのメタ出来たと吠えてもね」
「なら此処に居る全員相手に勝てますか?我々側が勝てたらそれで文句無いですよね?」
「ぬかしおる。まあ、良い。やって見るか。……と言いたいがやるならシミュレーター上で、だな。やりすぎたく無いし」
「余裕かよ。アカウント権限で不正チートでもするのじゃ無いか?」
「なら、ルール設定画面を非参加者には見せるのでどうだろう」
「……それなら先の条件の非参加者五百人に見せて下さい」
「解った。じゃあ準備を始めようか」
そしてルド様がシミュレーターの条件設定を始めた。……そもそも手札を見せたくないから縛りプレイをして居ると言う前提なら多分使って来る物は対生成や対消滅がメインだとは思うが、……ブラックホール処理がそれで出来るのは実例が有る訳だしな。まあ良い。やって見るか。これで勝てれば文句無いだろうしな。
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そして条件の確認が行われた後シミュレーター内へ全員が移動し解釈のブザーが鳴った瞬間、シミュレーター上の空間全てが光で埋め尽くされ、全員がガラス塊化して潰されてシミュレーターが終了した。
「「……」」
対生成の光をエリア全域に満たす。それはそもそも素で光速に対応出来ないなら避けようも防ぎようも無い、か。そりゃあルド様も余裕ぶるわ。本当に全員が瞬殺されたわ……。
「くそ、先手を打たれた。先に撃てばワンチャン有ったのに」
そう言えばオクタゴンさんの所は対生成ビームを使える物な。先手撃たれなければ行けたかもしれない訳だ。
「対生成ビームの技術開示はしたにせよ、全面同時展開は教えなかったはずだが」
「……ならそれも開示してくれ。対価なら払う」
「やだね。それに教えた所で余り意味は無いだろう。対価の貰いすぎに成るだけだろうし。教えた分からだけでも対生成ビームを一斉射すれば良いだけだし」
「……練習期間を俺の所は取らせて貰う。良いな?」
「やるのは悪くはないが。それをやると君の所が対抗戦は必勝で対抗戦をやる意味無いな」
「……良いだろう別にそれで」
「対抗戦としてそれでは機能しないから、ならこうしよう。対抗戦での対生成ビームの使用禁止か、禁止しなくても良い代わりに四勢力全部に対生成ビームの技術開示」
「なら別に禁止で良いが、それなら水霧の所の大質量展開周りの奴も禁止にしろ」
「じゃあ水霧、どうする? 対抗戦としては例の奴の禁止を取り入れるのは有りだと思うが、前回の流れから考えるにそうすると能力の大量使用も上限が付く形で禁止に成るだろうけど」
「……例の特定の物質を狙って大量に造らなければ禁止ルールからは逃れられるかと」
「オイオイそれじゃあ不公平だろ」
「オクタゴン、君には理屈の説明はして居ないが、俺としては細かい理屈は把握して居る。それに必要なのは特定物質の大量生成で、骨を大量に造る事では無い」
「そういう話が聞きたいのでは無くて、互いに使うと大体同じ展開に成るから禁止ルールの追加のはずなのに、片方だけ禁止じゃ無くて使用制限のみはふざけているだろ」
「そうだな。じゃあ交渉権で技術周りの開示した奴を使用禁止ルールで良いなら禁止にしよう」
「は? なんでそうなるのですか」
「そうでもしないと禁止ルール追加しても別の技術を俺に開示して貰ってそれで勝つだけだから実質交渉コストが掛かるだけで、コストさえ払えば幾らでも君の所は手札が増えるだろうが」
「……そうするために対価はちゃんと払って居ますがね、此方は」
「だとしてもそれが有りなら対抗戦として意味が無い事に成るだろ。パワーバランスもクソも無い事に成り、やる意味がない」
「あー藪蛇だったかな。最初の条件設定飲んでいたらこう成らなかっただろ」
「強みの一部封印と強みの全封印を等価交換に出来て堪るかと言うだけだがね」
……まあ、ヤバイ事に成る原因は全部排除したルールとか、それこそ石と棍棒で殴り合う事でもやる迄突き詰めるのか? と言う話では有る。
「なら仕方ないので次回は交渉の成果物は全面禁止で良いですよ。ですから水霧の所の能力使用も無しにしてください。お願いしますよ?」
「解った。この話にはナノマシン周りの物は別にするが、良いな?」
「良いでしょう。じゃあ本題に戻りましょうか。侵略者の件です」
「ああ、だったな、軽く忘れていたよ。全部殺したから何処から来たかわからないので、暫くの期間は臨戦態勢で待機してくれればそれで良い」
「……煽られたからって全殺ししたのですか」
「……悪いな」
「色々と作戦練り直しですよ、此方は」
「……じゃあ改めて会議と行こうじゃ無いか」
そして作戦会議を改めて始める事に成った。




