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そして此方の世界に置いての自宅へと帰り、娘達とケールハイトを会わせ、やりたい事を説明する。
「……私にわざわざこの話に付き合わせると言う事は、やる気が無いから、と言う事で、良いのですよね?」
「ああ、それで良い」
「正直な話暴走を抑えるだけならルド様が居る場所でやった方が良いと思うので、そう言う事をやる前提の行動に見えるのですが……」
「……それはそうだけども、あの場所でやるのはちょっと」
「まあ、三、四時間しかないのですよね? 手早く済ましましょう」
そして娘達に意図的に先の状況に成って貰い制御を出来ず暴走をしそうに成ったら即座にエネルギーを霧散させて行って居たら、エネルギーを霧散させる為に生体電気を流し込んで居たのを過剰に引っ張られて人格を吸い取られ、取り込まれたが、体内からエネルギーを霧散させてそれを潰し電波として自分の身体に戻り、復帰した。
「ははは、はぁ……人格の引っこ抜きって有りなのかよ?」
「……いきなり倒れたかと思えば人格を抜かれて居たのですか? 多分生体電気を使って居たのをエネルギー回収の力で過剰に回収された結果、ですよね?」
「いや、良い事では有るよ?この方式で力を得ても俺がやって居る事をやれば潰せる程度の物です、で、終わらなく成るのだし。けど人格強奪か。普通死んでいるよね、これ……強奪の方式と俺がAIだと言う都合上電子的な物にされるのがほぼ意味が無かっただけで」
「人格の強奪、より正確に言えば生体電気の全強奪での思考する際の脳内での電気の動きを奪う側の身体の中でやらせる、でしょうか?」
「なんか理屈が解らんが、えげつないな……」
「言い換えるなら、考える事は出来ても身体を自分の思考では動かせない状態にする能力、でしょうか。生体電気に微塵も依存しない動きならそれでも出来る気はしますけど」
「……えげつなさ過ぎる訳だが」
「彼女の力を霧散させる際に生体電気を使うのが悪いですよ」
「……ならもう一度試して見る?」
「ルド様の所でやりましょう。これ以上はその方が無難です」
「だな、じゃあ戻ろうか……」
そしてルド様の所に戻り事情を話し検証する事にする。するとルド様は言う。
「……ふむ。元がAIなのも有って、精気を電子的な物と定義した結果、精気を吸い上げ自分の力にする能力が相手の生体電気を吸い上げ御す能力に化けたか。こいつは凄いな」
「そう言われても実感が湧かないです」
「まあ、そうだろう。酒に酔ったまま的な状態で初めて出来た事だし。けど常時でも出来るはずだから練習してみると良い」
「……解りました。そうしてみます」
其処で三人のシミュレーターが終了し三人とも出て来る。
「知らない顔が居るのは置いて置くとしても、ルド様、それで俺達は合格でしょうか?」
「ああ、今からログを総浚いして評論するから一時間程待て」
「ではお願いします」
そして三人は月夜とケールハイトの方を見てから俺を見る。……紹介しろと言う事だろうから、互いに紹介し合うと、オクタゴンさんが質問をする。
「それは良いのだが、何で子供らは身体より大きなサイズの服を全員着ている?」
「実験の都合で身体が一時的に大きく成るからそれでも服が破けない様にね」
「身体のサイズを変える能力、ねえ?」
「それだけのじゃ無いが、まあ、良いか。でシミュレーター内部ではどうだった?」
「流石シミュレーター内部の世界だな。基本的には魔法や異能とかも何でも有りだ」
「それなー。落ち込んでない所を見るに問題は一応如何にか出来たと言う事で良いのか?」
「ああ、そうだ。まあ、完全にと迄は行かないが、ある程度は何とか出来たはず」
「それで能力は手に入れられたか?」
「ああ、それが有ったな、少し試すから、見ていな」
「解った」
そして先にルド様から聞いて居た通りの能力を彼らは披露した。
「そういう感じに成ったか」
「まあ、此方の世界でも使えた様なので、今回のテストは得る物が有った良いだろう」
「それは良かった。それでなんだけど、シミュレーター内部の奴と仲良く成って居る奴とか居る? 俺ならそいつをこの世界に受肉させられるけど」
「……本当か?」
「本当だよ、まあ、シミュレーターがルド様の物扱いなら事前にルド様に確認しないと不味いだろうけど」
「⁉ それはぜひ頼む」
「だが其処迄の事をやって無いとは思うが、相手側の好感度とか大丈夫か? ログ全部見られる前提なら何をやるにしても監視されて居るのと変わらなかったと思うし、サボり判定をくらう可能性を考えるとそれをかなりやって居たら評価に響くだろうし、していないなら好感度は受肉させても必要最低限な気がするけど」
「……それはそんなに不味いか?」
「シミュレーター内部の問題を解決した。だから好感度が上がりましたのみだと此方の世界に呼んだら前提条件上マッチポンプだと思われるだろう的な意味で不味いよ」
其処にムーンさんが質問をぶつけて来る。
「……水霧さんも今回のシミュレーター内容を前にやったのですよね? その時はどうしたのですか?」
「俺は少し事情が特殊でね。余り参考に成らないと思うよ」
一応俺はAIな訳だし、得た能力故に此方で身体を持つ事に成っただけで、本来なら来訪者サイドじゃ無かったから、マッチポンプ呼ばわりされる形じゃ無かっただけだからな。故に其処辺りの立ち回りはやって無いから解らん。
「その事情は何ですか?」
「まあ、それはテスト結果が出て合格した奴にだけ話すかな」
「……ルド様の行動待ちなら、事情とはルド様絡み、と言う事ですか?」
「お、鋭い。ムーンさん。まあ、そうだよ、ルド様絡みだ」
「ルド様の孫と結婚したい云々を言うのですから、水霧さんがルド様の息子と言う事は無いとは思いますが……チート権限でも得ましたか?」
「……権限は得た時も有るが、進行の都合上で其処迄好き勝手は出来なかったと思う。後、先に見せた能力を得て以降はシミュレーター内部でも節々で運営側に忖度をされて居た気はするけど」
「その能力は何処まで出来るのですか?」
「さあ? 色々と考えては居るのだが」
「じゃあ……」
そして暫くの間雑談をして居るとルド様が戻って来た。
「さてシミュレーターでの評価を伝えると、悪くはない。けど基盤形成周りが上手く行かなかった為、ゲリラ戦のヒーローみたいな感じで問題を独自に潰しまくる立ち回り、か。これはシミュレーター内部での事と言う都合上、別に悪くはない。団体としては必要最低限で良く、敵役が君らの身内を潰しに掛かり様が無いからな。此処迄は良いな?」
「は、はい」
……ふむ、建国迄は無理だったので、問題に介入なり何なりをしまくる立ち回りをした、と。……まあ、ケールハイトと俺がやったワールドシミュレーター内部での建国周りの話は状況が味方したのも有るので、それを別の条件でやるのは厳しいだろうからしょうがない。そして更にルド様の言葉は続く。
「要は対処療法をしまくる形な訳だが、これもまた今回の場合は良い。意図的な舞台装置周りを崩すのは無理だろうから」
オクタゴンさんは勘弁してくれと言いたげな顔をしながら言葉を返す。
「……それこそ巨大組織でも創れないとアレですけど、それが出来るなら、もう此方の世界で国王に成った方が早いですって」
それに対してルド様は軽く笑い、言う。
「水霧なら他の奴と協力して建国したぞ。但し、時間制限周りが無しの条件でだが」
「……時間制限が無ければそれくらい俺達にも出来たかも知れないですけど、時間制限が有りましたから」
「その強がりは後出しじゃ無くて最初からやるべきなのだわ。まあ、一応の時間制限が有る以上、対処療法でも良いから問題の全潰し方面で動かないと準備時間で時間制限が終わるとアレなのでテストとしての行動としては及第点だからこれ以上は責めないけど」
「……それで、合格ですか? 不合格、ですか?」
「不合格は無いが、だからと言って手放しで合格とも言えん。様子見かね」
「解りました。じゃあ今から水霧と戦わせて貰っても」
「……それは片方だけ鍛錬期間を設けた形なのだから色々と不公平だと思うのだが、……まあ、良い。水霧は既にそれをやった事が有るのだし、戦ってみると良い」
「え、マジですか? 今から? また? 一度戦った後相手側だけ対策練る時間が有る形なのですが?」
「武力で全部如何にかしようと言うならそれでも何とかしろ」
「……解りましたよ。始めましょうか。シミュレーターに移動しましょう」
そしてオクタゴンさんと再戦する事に成ったのでシミュレーター内部に移動する。……今度の舞台はコロッセオかね。飛ばせそうな物は地面破壊以外では無さそうだけど……。
まあ、初手地面破壊を行って来たので即座に試合の蹴りを付けようと亜雷速で突進しながら骨大剣を出し叩き込む所でオクタゴンさんは自分の身体を上空へと弾き上げ、そして俺は切り込みを避けられた所で辺りの地面破壊で出来た瓦礫が俺の周りを全部覆い、圧し潰そうとして来た。が、俺は骨でシェルターを出してそれを内部から押し上げ拮抗状態を造った後、スペースを確保し、再び亜雷速でシェルター毎拘束を叩き割る。
それから出たと思えばコロッセオは遥か下に在り、周りには雲が満ちている。俺はナノマシンで滞空をするが、雲に隠れながら剛腕を俺へと叩き付けて来た。けれど俺はナノマシンで電子シールドを出し防ぎ、ナノマシンに依る風制御装置で雲を散らす。その間もラッシュが続き、ナノマシンが削られて行く。事前情報通りなら直接のダメージを一度たりともくらう訳には行かんのだ。だが、上手く攻撃を通せないので散らした雲を再び集め、凝縮し雲の構成物の氷の粒を拳大な大きさにして量産し、ひたすら氷をぶつけまくりながら接近して俺は拳で脇腹を貫き、其処に構成物の構成を弄った百トン程の重さの骨を生成し、離脱した所で、オクタゴンさんは手持ちのナノマシンだけではそれを支えられずに雲が有るレベルの高さから地面に激突しシミュレーターは終了した。それに対してケールハイトは呆れながら言う。
「滅茶苦茶ですね。アレは使わなかったみたいですが」
その言葉にムーンさんが聞いて来る。
「ケールハイトさん、それはまだ水霧さんには見せてない手札が有ると言う事ですか?」
「ムーンさん、そうですね。只、オクタゴンさん側がまともに攻撃を当てられなかったのは事前情報在りきで水霧が徹底的に攻撃を避けて居たからだと思います。只……」
俺はその会話に割り入り言葉を遮る。
「確かに事前情報が皆無だった訳じゃ無いが、待ち時間を全部鍛錬期間に当てたとしても精々半日が限界だが?」
ハハハとオクタゴンさんは乾いた笑いをした後に言う。
「鍛錬時間がその程度なら一度目は確定としても、二戦とも手抜きをされた上で負けた訳だ。ハハハ、本当アレだな」
「……手抜きとは言うが、運用するには鍛錬不足の手札を使わなかっただけだ」
「だがそれでも最後の強制墜落とかふざけているだろ? 本当に魔法や異能依存じゃ無いのか?」
「其処迄誇る内容でも無いがね。ちゃんと対策取って来られていて、一度目の敗因を解消はしていただろ。二度目の敗因だってナノマシンを支えられるレベル迄運用していれば防げたはずだし、俺は初見殺しで勝てただけだと思う」
対応の都合上一度散らした雲を利用する為に雲を集めるとかする羽目に成ったしね。
「……」
其処で更にルド様が会話に割り込むと、
「いやはやしかし、魔法や異能を科学で再現する……が、主目的なのだから、他人の力とかが全部元ネタに出来る。そう言う物を現実に落とし込むのが今の俺の仕事だし、ナノマシンだって微小精霊を科学再現して居る様な物だしね」
「……完全に科学に寄る機械でやって居るのに精霊と同じ扱いは如何なのですかね?」
「電子シールドに再現したい現象のテクスチャを貼り付ければ見た目的には再現出来たとするなら、物理的な固形物を生成し相手にぶつけるだけの類いは大抵出来る。ここで言う差異を無視して完全に再現出来たとするには不足だけど、大体は出来て居る訳で」
それは俺も前に思った事だが、それは。
「それは完全再現とは言わないのではないでしょうか?」
「俺は別に選ばれし物しか使えない聖剣を創りたい訳じゃ無い。完全再現をした結果として、それを使える奴が極小の人数に成りましたじゃアレだろって話だ」
「だからとそれで身内にしか使える権利周りを渡さないなら大多数には前と変わらないと思いますがね」
「……それは解るが、一応武器を配る様な物だし、武器を敵にも配れと言われたら普通アレだろ。全員に武力を配り拮抗させる目的とかやる奴が創作で居ない訳じゃ無いけどさ」
「それでの問題は此処で言う身内の範囲の広さ次第ですけど」
「……大勢が使える事に意味が有るなら大勢に配れと? 一応配っては居るさ。渡す前に審査を事前に受けて貰うし、セーフティも掛けて有る物だけだけどね」
そう言えば張りぼて都市で店員に普通にナノマシンを使われたし、それもマジだろうけども汎用性を、とか誰でも使える物をとか求めはしても造れても色々な都合が原因で無制限配布とは行かない、か。
「夢が有る媒体を造りながら夢が無い事言わないでくれます?」
「世界その物を弄り悪役に成る奴を常時全員洗脳して居るので悪人は皆無です、的な事でもしないと悪用目的で使う奴は当然出る訳だが」
「例えが怖すぎますが?」
「ま、確かに極端な例えだよ。俺は徹頭徹尾自分の操り人形だけの世界とか要らないのでやれてもやらない訳だけど」
「……防犯をするのが嫌だと言うのはなんか引っ掛かりますね」
「そう言う意味じゃ無い。只、かなりの人数の常時の洗脳を行う神様とか対象を悪人に絞るにしても事情を知らん傍からすれば如何にも邪神枠だろ」
「……まあ、それはそうですけど……」
「自分の説明出来ない事をそう言う魔法や異能だと放り投げ出来ると言う意味では創作における魔法や異能って便利だよね。細かい理屈をぶん投げて居るから反論もクソも無いし」
「……ちゃんと考えて居る人も居ますので全員そうだと言う訳では無いかと」
「ま、そりゃあな。理屈無しで良いなら脳死的な特盛の痛キャラも無制限に有りなのだし、むしろそう言う物を有りにして居る奴に対してはメタ創作視点的には簡単に勝てるけど、そう言うのは門前払いに成る様にしないとだから、考えていますとも」
「なんかやばい事を裏でやって居る的な事有るとか有りませんよね」
「此処で言うやばい事とは何を指す?」
「ルド様の例えから言えば、邪神呼ばわりされる事、です」
「もしやっていると反抗戦力辺りの革命の根拠にされるだろうし、やっているとアレな訳だが、シミュレーター辺りの問題がどう取られるかでは有るな」
「それについては俺からはノーコメントで」
創作なり何なりで非実在存在に色々と非人道的な事をすると言う事がAI相手に変わった後にAIに人権が認められたら、……まあ、解るね?
「本来なら非実在存在の人権を求めると言う行動は不毛で有る、が、後出しで非実在存在じゃ無く成るとそれでも続行したら不味い」
「二次元が来いとは昔有りましたけど来たら来たで色々とアレに成りますね」
「ま、裏でやる分には既存のアイドル相手みたいな感覚で良いのだろうけど、表でやるなら訴訟問題も有り得るし」
「真面目にそう言うのは勘弁してくれませんかねぇ……」
其処でオクタゴンさんが話を遮りに来る。
「只の雑談は良いので、評論をお願い出来ます?」
「ああ、そうだったね。……とは言え互いに一撃でも食らわせたら致命的なコンボの起点に成る攻撃を持つが故にまともに通った攻撃は一度だけだからな……まあ、やっている事は十分強くは有る。……只、強さだけを求めるなら他の奴でも良い奴は居るが」
「……じゃあ何のためにやらせたのですか?」
「リベンジマッチをしたのが不満か?」
「いえ、そう言う訳では無く、強さなんてどうでも良いなら、何故強化イベントなんて俺らに踏ませたのですか?」
「強さは如何でも良いとは言うにしても、最低限強さは上位層じゃ無いと普通に有象無象の暗殺者に負けるだろうが。ある程度の自衛は出来て貰わんと困るし」
「……それは部下に有能な人員が揃って居れば回避出来ますし」
「例えるなら召喚能力持ちが召喚封じを受けてもそれでもまともに敵と戦えないと不味い言う話だが?」
「その例えなら召喚封じ対策をすれば良いじゃ無いですか」
「メタ創作的には外付けの要素は全部関係無しの条件にされるだけだし、そうする作戦を組まれたら終わりだよ」
「……」
「流石に脅し過ぎたか。まあ、じゃあ他の話に移るぞ」
そして更に評論と雑談を重ねて、その場は解散に成った。
先の展開のネタバレ気味な事を言えば、ルドが魔法や異能とかの科学再現に拘る理由は設定としてバックボーンがちゃんと有ります。ま、まだ開示はしませんけど。




