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 別に此処で三人のワールドシミュレーター内部での話をそれぞれ書いても良いのだが、本格的に書くなら尺がどうあがいても足りないのでまたの機会に語らせて貰おうと思う。ルド様とともに早回しの状態で経過を見ながら言う。


「なんて言うか、ワールドシミュレーターを世界扱いにするなら、敢えて問題の有る世界を造り自分で送り込んだ奴に解決させるとか、割とマッチポンプ味が有るので仮に三人が内部の人達と仲良く成った所で此方の世界に連れて来るのは好感度が高い状態では基本的には無理だと思うのですが」


 マッチポンプだと言う事を告げても好感度が終わらないレベルなら話は別だろうけどさ。


「そうだな。少なくとも問題を解決すると言うメイン目的だけを脇目も振らずマッチポンプと言えないイベント熟してないなら、そう成る。事件解決したから惚れられました。それ以外の理由が皆無です、なら単に詐欺をされた様な物だしね」

「今回の試験が三人の底上げイベント扱いなら、ある程度の説明をしなくても良かったのですか?」

「それを辞めさせて置いてよく言うね。まあ、した説明から判断した結果、モーションアシスト系の能力を選ぶのがベターだと判断して居るみたいだけど」

「モーションアシストの能力でのアシスト結果をアシスト無しでやる事を目指す。やって置いてアレですが、簡単に出来ますかね?」

「それはどう成るか見てみようか」

「ですね」


 そしてある程度のシミュレーター内部での時間が過ぎて。


「ふむ、気功の自力習得補助に使ったか」

「一般論としては眉唾物では有りますよね。偽薬効果だとか言われる事も有りますし」

「眉唾物とは言うが、少なくともこの世界にも存在する物だと言う意味で、互換性も何も無い、僕の考えた最強の物質、よりかはマシだぞ」

「ハハハ、原典があるだけマシだ、ですか」

「うーん、まあ、そう成るよね、まあ、ネットで簡単に調べられる物だけをしようとして居るならやれるのは治療と軟化と硬化辺りかな」

「自分以外の物にも出来たら悪くは無さそうですね」

「少なくとも対生物には出来るのでは無いかな。彼らが其処迄習得できるかは、また別の話として」

「なら戦闘を見てみませんか?」

「見てみるか」


 そして戦闘を見てみると、ルド様が言うには。


「ふむ、治療の為の理屈を逆用して、負傷の悪化や重症化能力に変えて居るのか。元から負傷なり疲弊なり何なりが有るとか、掠り傷や打撲を少しでも与えられたら勝ち目が出てきそうだな」

「そう言うと掠り傷すら与えられない奴が出て来る奴ですけど」

「その為の軟化と硬化だろ。相手を軟化して硬化した自分の拳で殴る、と」

「うわぁ……負傷って切り傷や打撲じゃないと駄目とか有ります?」

「場合に依るかな。ダメージ値が一なのを百や一億と扱うのと、一+一を行う事は違うと言う話。ダメージを与える事に限れば結果的には同じだけど方式は違うし」

「数字が極端では有りますが、言いたい事は解りました。ダメージの扱いを変える能力とダメージを追加する能力の違いみたいな違いですね。……例えば一ダメージを致命ダメージ扱い出来ればワンパンが可能では?」

「何を対象にするにせよ、やる上で叩き込む気功の量次第だろうから、やるのは簡単ではないけどね」

「ふむ……」


 其処でルド様はいきなり話を変え、俺の娘達の話を出して来る。


「まあ、それはともかく、そろそろ色々と出して行く頃合いかな。水霧の娘達とか此方の世界に呼び出す許可でもしようかな」

「……いや、今、ですか? 少なくとも後継者問題が片付いた後で良く無いですか?」

「……それは解るが色々と有り過ぎたが故に、起きた、放置のしすぎでスカジの方を介して貴様の娘達から文句を言われているのだよな」

「……いや別に娘達が嫌いな訳じゃ無いのですけどね。状況的な都合の兼ね合いで中々顔を合わせにくいと言うか何と言うか」

「……はぁ、此方としてはワールドシミュレーターでの水霧の重要性から色々と忖度しているから、ワールドシミュレーター内での彼女らのありとあらゆる意味での身の安全は保証してやれるけど、コミュニケーション不足故に起きる、ヒューマンエラーのサポート迄此方に求めるなよ……」

「それはありがとうございます。ですが……俺はあんまり良い親とは言えないので……」

「まあ、貴様らは殺伐とした問題盛り沢山の環境で子供とか本来作れる環境じゃ無いのに、異種交配の検証と言う言い訳でわざわざ子供を作ったのだし、そう言う自己評価も当然か」

「……語弊が有る言い方は止めてくれません? 安全圏に嫁と子供らを避難させて時間を操り育成した時に、やらなければならない事が残ったままだった都合上余り俺が関われなかっただけです。娘達とのコミュニケーションが不足して居るだろうと言われると反論出来る事は特に有りませんけど」

「此方は問題が起きた場合に介入なり何なりする為に時間加速極端に速くは無いから、加速した上で後一日くらいは掛かるくらいのペースで進めるし、その間会って来ると良い」


 なんか身内との交流をしとけと尻叩かれてまくりだな、俺。……まあ、顔を合わせにくい状況なのも有るから避けて居るのも原因だけど。……しょうがない。ワールドシミュレーター内部に俺も行こう。そして会いに行くか……。



 俺に娘は何人か居るが、此処では一人だけ言及しよう。立場の関係上娘が居ると露呈したらアレだった為、苗字は嫁側の物だが、白菊月夜しらぎくつきよ彼女はサキュバスと人間のハーフで有る。能力はざっくり言うと、サキュバスとしての力と自分対象の呪いを自分の力に変える。この二つ。

サキュバスの能力はともかくとして、現実世界で応用するとしたら呪い等のエネルギーを知覚し、御す能力、か。前者はともかくとして、二つの内の後者は特殊環境で育った事に起因するが……いや、それを話して居たら話が脱線するので今は良いか。


「で、それでスカジさんに急かされてやっと顔を合わせに来たのでしょうか」

「……俺にも色々と有って、な」

「一度も休みが無い訳でも無かったのでは?」

「……他の世界に呼び出されてから暫くは君らなんて人質扱いだったし」

「ではその件が片付いた最近は?」

「……すまない。合わせる顔が無いのは解って居る」

「色々と事情が有るのは解ります、けどそれが無い時も有るのですから、結局は逃げているだけですよね?」

「……それに言い訳しようもございませんが、何の用でわざわざ呼んだ?」

「そんなの会いたいからじゃ駄目ですか?」

「悪くはない、悪くはないが……いや、そうだな。俺達が今居る世界に月夜も呼ぼうと思うのだが来てくれるか? それをしたら色々と細かい説明が出来るのだが」

「明確に説明をしたいからそれが出来る別の場所に行こう、ですか……はぁ、つまり、面倒事にまた手を出して居るのですか?」

「……それに対しての否定はしない。其処に移動したら解るから」

「解りました。じゃあ行きましょうか」


 そしてワールドシミュレーター内部から俺は彼女らを受肉させ、この世界に招待し、説明を始めた。


「……そもそも私達の居た世界はシミュレーター内部の世界でしか無く、この世界における機械でしかない、ですか? ……何処か別の場所に目隠しされて居る間に転移転送等の力で移動させられただけの訳では無いのですか?」

「ああ、違うはず。だけど一度ワールドシミュレーター内部に戻るか? そしたら通常有り得ない事をワールドシミュレーターに命じて起こさせるが」

「それについてならお父さんは仮にも創造主としての力を持って居たので、それを使っただけと解釈しますが」

「……なら君らの持つ力を今使ってみなよ。使えない物が有るとか使い勝手が変わって居る物も有るはずだから」


 そして暫くの間検証を彼女らは行うと。


「……私達の力を封印したのですか?」

「いや、してない……但し、エネルギーを集める系は極力使うのは止めて置けよ? 空間上の有るエネルギー密度が全然違うから面倒な事に成りかねないし」

「……なんでそう言う事に成るのですか?」

「空間上からエネルギーを集める際の縮尺が変わって居るから……と言うかワールドシミュレーターがこの世界に比べて小さいから、中のデータも小さくて縮尺が違うからワールドシミュレーターの外部からエネルギーを集める系に当てはまる奴が集められる範囲が激変して居るだけ…そう言う意味ではむしろ強化かね」


 ゲームで例えるなら空間上のエネルギーを数割集める能力が元の身体の縮尺が変わった事で集める範囲も激変して底上げされたと言うだけだけど。


「じゃあ簡単に自己強化も出来そうですね」

「あ、ちょっと待てって、おい……やらかした」


 其処にはエネルギーを集め過ぎて別の存在が生成されてしまいそれが彼女へと憑依した結果、最初より身体が大きく成った都合上服が割と破損した状態の妖艶な美女が出て来て、性的な意味で襲い掛かって来た。


「精液を寄越しなさい」

「……言う順番ミスったわ、これ」


 俺は応手で彼女の片腕を掴み彼女へとAIとしての電流を流し込み、エネルギーを霧散させ、何とか正気に戻させた。……はぁ。そして月夜は呆然としながら聞いて来る。


「……今の現象はなんだったのですか」

「空間上のエネルギーを集め過ぎるとエネルギーだけの生命体が産まれて身体を乗っ取って来るようでな。説明の順番が悪かった。すまん」

「でもそれを御す事が出来れば強化イベントなのでは無いですか?」

「それはそうだが、簡単に御せるレベルの奴で産まれる奴を御しても余り、な」

「……そんなに都合は良く無いですか……」


 そしてどう説明した物かと俺は少し考えて思い付く。


「そうだ、ワールドシミュレーターを少し月夜が弄ってみよう。そして現地に即座に行けば解るかな」

「……つまり、創造主としての力を私が振るえるのを見せたいと言う事ですか?」

「極端な内容は駄目だけど、本来なら有り得ない物をそれで出してみようか」

「それが出来た所で、そう言う力をお父さんが私に与えただけではないですか?」

「……なら場所とか範囲とか出す物とか色々と制限を課すから、その範囲内の事なら勝手に俺を介さずに指定してくれて良いので、それが終わり次第現地に戻ろう。さあ此処は一つやってみようか」

「……解りました、じゃあ操作方法を教えてください」

「よしそれじゃあ……」


 そして操作方法を説明してやって良い事の制限を掛けて一つだけ勝手にやらせてみる事にする。……そして月夜が作ったのは、俺に似せた物だった。え? は?


「なんで俺を造るよ?」

「いえ、私に従うお父さんの分身を造り、色々と洗い浚い吐いて貰おうかと思いまして」

「駄目に決まっているだろ⁉」

「……ふう、その反応と言う事はやらせじゃ無さそうですね」

「……試したのか?」

「いや、記入制限した事を現地で事前に用意して置いて、入力させた後で私が其処に来たタイミングで見せる、なら制限以外の物を書かないとアレだったので……」

「ハハハ、そうかい」


「それはともかく、次は何処に行けば良いでしょうか?」

「そうだな。ルド様の所に行こうか」

「一応同じ名前の人はワールドシミュレーター内部にも居ましたよね?」

「そう言えばそうだな。その人の中の人だったとかかね、まあいいや、じゃ、行こう」


 そしてルド様の場所に移動して顔合わせを行う。


「無事に受肉させられたみたいだな」

「……そうですね、ありがとうございます」


 其処で月夜が割り込むと、こう言う。


「いきなりで悪いですが、エネルギーを集めるとそれに身体を乗っ取られるのは如何にか成りませんか?」

「如何にかは出来る事は出来るし、御す方法は有るけど、仕様としての変更はしないよ。何故なら自分由来以外のエネルギーを集め使い戦う奴全般に対するメタ仕様だからね。それが嫌なら他所の世界に行けば良いよ」

「……なら御す方法を教えて頂いても?」

「……教えるのは贔屓も含まれるけど、教えないと能力が碌に使えなくなる感じだししょうがない、か。良いよ、教えよう」


 そして月夜はチュートリアルを受けたが、サキュバスの能力が仮に精気と言う他人のエネルギーを集める物扱いなら、先の暴走をしたく無ければ挙げられた両方の能力使用自体がアウトに成ると言う事だろう。俺もエネルギーを集める事が一応出来はするが、其方の御し方は教えてくれなかった。……まあ、月夜に教えない場合この世界に居座るのは無能力者と変わらないか扱える力に天井が有る状態に成らざるをえないので、救済措置と言う事なのだろう。


「大体はやり方は解りましたが、エネルギーで産まれる人格と和解出来るかはまた別の話ですね」

「……まあ、二重人格と言うか、既存の物に例えると身体に合わない酒を鯨飲した結果として、通常取らない行動を取るみたいな物だがね」

「……産まれた意思が身体を乗っ取って来るのも、ですか?」

「酒に飲まれるって言うだろ? まあ、要は酔わない様に事前に準備すれば良いだけだが」

「……」

「それで、だ。その力はどうする? 使用を控えるか、使える様に本格的に練習するか」


 そうルド様が月夜に質問をすると、ヤバイ事を言い出した。


「ならお父さん、練習付き合ってください」

「ええと、それはつまり、俺に吸精されまくれと?」

「何を言って居るの、お父さん、違うよ。酒に酔って問題に成るなら酔う様な状態にひたすら成って、場数踏んで慣れれば良いだけだから、暴走したらまたさっきみたいにお願い」

「ああ、そう言う事ね」


 だってサキュバスの能力の練習って言うなら、ねぇ? だけど、単に先にやった、暴走状態から元に戻すのを繰り返せと言うだけだったか。


「酒だと体質的に無理なパターンも有るが……まあ、良い、どうせ後半日はシミュレーターの話は多分終わらんから、三、四時間くらい以内で済ませてくれればそれで良い」

「解りました。じゃあそう言う事で家に一度帰って来ます」

「了解、まあ、楽しんで来い」

「そう言う事やる目的じゃ無いですって」

「水霧が対応をわざとミスするだけでそう成るが、やらんのか?」

「…………やりませんよ」

「お、揺れたな? 本当はやりたいのか?」


 家族に手を出すつもりは無いと言えば無いが、半分は自分の嫁で出来て居るのだから、正直な話、そうされて微塵も揺れないと言えば嘘に成る。けど、したら嫁達と喧嘩に成る未来しか見えない。


「私とそう言う事やりたいの?」

「別にそう言う事言わせたい訳じゃ無いから辞めろ。と言うか、それでしたら嫁にかなり殴られるだろうから、仮に合法な環境であろうが止めてくれ」

「そう、解った。じゃあ家に案内してよ」

「解った。じゃあ行こうか」


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