アイリーンの説明
アイリーンの話によると、
・この国の野球は、超超レベルが低い。
草野球、もしくは少年野球と同じぐらいのレベルらしい。
・各国からの1チームによる、10チームが総当たり戦で年間120試合を行い、優勝を争う。
つまり、1リーグ制のペナントレースである。
・チームの運営は国が行い、各国の国王がオーナーである。
優勝すれば報酬金額が何倍にも膨れ上がり、成績が悪いと減棒、または戦力外通告を受ける。選手は年俸制で国王がその額を決めている。
ちなみに、ベスパネット・ワイズスは毎年最下位のお荷物チームで国王の悩みの種でもある。
・ルールはほぼ同じだが、バットは木製で日本やメジャーで使用している重さよりも3分の2程軽く、色は白以外ならどの色でも可。
ボールの材質は牛革ではなく、ワイバーンという翼の生えた竜の皮を使用し、表面はザラザラして硬球に比べて軟らかく軽い。
・バットやグラブ、スパイクといった道具類は町中で売られており、中には使用するだけで特殊能力を身につけられるレアなアイテムもあるのだとか。
・自身の能力は「ステータス」と唱えると、ゲーム画面の様に能力が表示される。
ちなみに、魔法使いではないので魔法は使えない。
だが、訓練次第では相手のステータスを見る事が可能。
(ざっとこんなもんかしらね…後はワタシよりもミリアに聞いた方がいいと思うわよ)
(サンキュー。それにしても…ここのチームが万年最下位とはな)
群馬ブルーソックスも万年とまではいかないが、下から数えた方が早いチームだ。
(アナタはトライアウトに合格するから特に心配はしてないけど、問題はこのチームに入ってからね)
(オレには関係ないよ。そんな事より、元の世界に戻る事は出来ないのかよ!)
こんな異世界に骨を埋めるつもりはない。
一刻も早く元に戻りたい。
(それなんだけどねぇ~、優勝するのが条件なのよ)
(優勝っ?最下位のチームがどうやって優勝出来るんだよ!)
しかも、レベルがかなり低いこの世界で最下位というのだから、相当な低レベルなのだろう。
(まぁ、優勝するまでここでプレーしてみてよ!
住めば都って言うんだし、長く住めば愛着がわいてくるに違いないって)
(どうせ召喚するなら、オレみたいな一軍半の選手じゃなく、MVPクラスの選手を召喚すりゃよかったじゃねぇか!)
(そう言わないでよ~、どういうわけか、アナタに白羽の矢が立ったんだから)
何が決め手だったのだろうか。
(優勝って簡単に言うけど…何年経っても優勝出来なきゃ、オレはずっとここに…あぁ~、それだけは絶対にイヤだ!)
(でも、考えようによっては、ここにいた方がスタープレーヤーとして富も名誉も容易く手に入れる事が可能じゃない?)
アイリーンの言う通りだが、それはここではなく地球上で手に入れたい。
(…そう言えば、この世界にスマホやゲームはあるのか?)
暇つぶしにゲームでもやろうとスマホの電源を入れたのだが、圏外のままだ。
(そんなモン、あるわけ無いじゃない!この世界の文明は地球よりも数段劣ってるのよ)
(何ぃ~っ!!)
一秒でも早く元に戻りたいっ!!