第五小節:薫のイタズラ
皆さまは麗奈と薫どっちが好みですかね?まだ2人の性格がわからない?もう少ししたらわかりますよ(笑)
今日は海翔がいない。ギターがいないバンドは味噌の入っていない味噌汁みたいなものだ。ただの豆腐が入ったお湯と突っ込まないでくれ。それは湯豆腐だからな。
くだらない事を言うのはやめて現に海翔は薫率いる【グランドマイン】でギターを弾いているだろう。
「何をすればいいんだ!」
麗奈が叫ぶ。
「ホントに、どうするダイゴ?」
「どうするって言われてもな。」
3人はお手上げ状態だった。
「今日は止めよ、止め!」
麗奈は部屋を出ていった。
「リズム隊は地味にやりますか。」
「そうだな。」
一方海翔の方は、
「良いじゃん、海翔くん。」
「このくらい平気っすよ。」
「悪かったわね。」
笑顔で言われた海翔はそれだけで恐怖感を感じた。
「きょ、今日はこのくらいっすか?」
「そうね、問題ないわ。」
「じゃぁ、」
「帰らせないわよ。」
へ、と海翔から思わず変な声があがる。
「ちょっとお姉さんと付き合いなさいよ。」
海翔は楽器屋へラチられる。そしてピックが並んでいる場所に連れていかれる。
「どれが私に似合う?」
いきなりの言葉に驚きを隠せない海翔。
「早く探してよ。」
仁王立ちして言われる。
「わかりましたよ、」
言葉を適当に捨てる。適当にピックを選び出した。そのなかで自分のも買おうと考える海翔。
「これはどうです?」
黒いギターピックに四つ葉のクローバーが書かれているピックを見せる。
「まぁいいんじゃない。一年生にしては私の事わかってるわね。」
知りたくないよと心に思う。
一人で帰っていた麗奈。たまたま海翔と薫がいる楽器屋に入った。鉢合わせ。
麗奈は入ってはっとし、ギターの影に隠れる。楽しそうにピックを眺めてる。海翔が薫にピックを見せている。薫がそれを手にとって笑う。
その一連の流れに我慢できなかった麗奈はお店を走って出た。
麗奈はそのまま近くの公園に入り、そこのど真ん中で荒れた息を整える。
「バカ〜〜〜〜〜〜〜〜ぁぁぁァ!!」
一息着く。
「なによ、うちのバンドより、あのチチでかキツネのいるバンドのほうが楽しいの?あたしより、アイツをとるの?バカ、」
思いがあふれでる。帰って聞こう。あの曲を。
そんな事を知らない海翔は自分のピックを買う。
「これで麗奈の歌声に合わせられるな。」
笑顔で買ったばかりのピックを見る。
「海翔くんには悪い事しちゃったかしら。」
湯舟に浸かる薫。鼻歌を歌う。
「麗奈ちゃんにデート姿見られちゃったし。」
湯舟からあがる。
「2人とも素直じゃないからな。」
意地悪な笑い声がお風呂に響いたら。
今後もお願いいたします。どろどろのよかん…