第四十二小節:まだ気分は遊園地
遊園地も終わりましたし、
本業の勉強に…
遊園地に行った日が終え、日曜日は全員自宅で爆睡。
ただ1人行っていないのもいるが…
週も明けて月曜日。
いつも通りに遅刻ギリギリの時間に正門を入る海翔と麗奈。
「まったく、いい加減余裕もってきたら。」
腕組みをして2人を睨み付ける薫。
「ギリギリの方がいいんですよ。」
麗奈は肩を上下させながら満面の笑みで答えた。
「そんなことより…」
麗奈は自分のスクールバックの中をあさり始める。
薫は不思議そうにその様子を見守る。
「あった!」
バックの中から小さなピンク色のビニール袋が出された。
「先輩、お土産。」
薫はニヤッと右の頬だけを上げて、
「別にいらないけど、どうしてもってなら貰うわよ。」
「欲しいくせに。」
「うるさいわね。貰えばいいんでしょ。」
薫は顔を赤らめて袋を奪うように貰った。
「はやくいかないとHR遅刻するわよ。」
「やべ!」
海翔が麗奈の手を取り、走り出した。
「まったく。くれるならもっと良いもの寄越しなさいよ。」
袋の中には黄色いガラス玉が輝きを放つネックレスが入っていた。
「学校じゃつけれないじゃない。」
行き場のない喜びに思わず笑ってしまった。
その後、2人は教室に着き、HRを終え、ダルいダルい授業を受ける。
時は過ぎでお昼。
いつもの6人で机をつなげた。
各々昼食を食べ始める。
「なんでダイゴは来なかったの?」
「あ?あぁ、用事があったんだ。」
ダイゴは大きなお弁当箱の中身を頬張る。
「あっそ。」
麗奈は素っ気なく返し、相変わらずシナの卵焼きを奪って食べる。
「いい加減、卵焼きぐらい自分で作れよ。」
そんな麗奈の海翔は痛いところをつく。
「めんどくさいのよ。いいでしょ。」
「貰うぐらいだったら自分で作った方がいいだろ。」
「私はシナの卵焼きがいいの。」
「もしかして作れないのか?」
麗奈は思わずビクッとしてしまった。
「つ、作れるわよ。」
「うそつけ。」
「嘘じゃないわよ!」
「だったら作ってこいよ!」
「上等じゃない!作ってやるわよ!」
その会話の後、2人はそっぽを向いた。
久しぶりに2人のケンカを見れた4人はなんでか笑顔だった。
お昼も終わり、
「ねぇ、」
カナがダイゴに喋りかけた。
「遊園地に来なかった理由、ホントはなに?」
ダイゴはゆっくりとカナに目をやる。
「用事だって。」
「あそこのゲーセンにいたって聞いたけど?」
ダイゴは溜め息を漏らした。
「そうだよ。理由はな、」
そこまで言って躊躇した。
「なに?」
「怖いんだ。ジェットコースターとかが。」
カナはキョトンとした。
「あははは、秘密にしとくね。」
カナは自席にもどった。
ダイゴはもう一度溜め息をついた。
まさかの黒焦げ卵焼きが…!