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第三十一小節:仲直り


 翌日の昼休み。


「やっほ。今日のお弁当の中身はなにかな?」


 いつものように麗奈に近づいていくカナ。


 麗奈は机に顔を向けたままなにも喋らない。


「あぁ〜…、邪魔…かな?」


 微動打にしない麗奈。触れぬ神に祟りなし。


「邪魔だよね。ごめんね。」


 カナはそう言いそこから退こうと思った。


「私って邪魔かな?」


 カナが言ってた事を麗奈返した。カナは驚いて変な声をあげた。


「私って邪魔かな?」


 カナは我に返り、


「そんなことないよ!」


 思わず叫んでしまう。回りの視線が集まる。


 それでもカナはお構い無しだった。


「邪魔なわけないじゃん!あたしにとって大切な友達なんだから!」


 カナの目からはダムが決壊したように涙が溢れ出てきた。


 麗奈は机を倒してまで立ち上がり、取り合えず駆け出す。


「ちょっと!待ってよ!」





 麗奈は部室に入った。


「ごめん、ごめんね」


 部室には麗奈のすすり泣く音だけが響いた。


「あなたは、泣いていますか」


 誰かが歌い始めた。


「もし、泣いていたなら、私の微笑みあげす」


 麗奈はドアの方に振り返った。


「あなたは、笑っていますか」


 カナだった。


「もし、笑っていたなら、私の涙拭ってください」


 上手ではなかった。狭い部室でさえその歌声は響かない。


「私とあなたは、決して離れないと信じて


 乗り越えた夢の先、2人で笑ってるように」


 しかし、カナの歌声は麗奈の心に響いた。


「楽しい時も、悲しいときも、


 私たちは笑って


 励まし合って歩んできたね


 今の気持ち、いつまでも」


 麗奈の涙はもう止まらなかった。


「なによ、その下手くそな歌は。」


「えへへ、好きなんだ、この歌。」


 カナは麗奈に抱きつく。


「ごめん。」


「謝らないでよ。余計惨めになる。」


「あたしが悪いんだから、謝るぐらいいいじゃん。」


「なら、土下座ぐらいしなさいよ。」


「麗奈は相変わらず意地悪だな。」


「謝る気無かったんでしょ。」


「ないわけないじゃん。」


「知ってる。」


 笑った。2人は顔を見合い笑った。


 その様子をシナとユウヤとダイゴが見ていた。


 3人はハイタッチをする。


「私も海翔の家に行かせて。」


「そうだね。」


 このまま順調に行けば全て丸く収まったのかもしれない。

カナが!

まさかの…

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