表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
129/216

第百二十九小節:変化




ある日の昼休み、カナは海翔たちとご飯を食べるために席を移動した。


「この席借りるね。」


麗奈の後ろ、葵の左隣に座る。


それで席をくっつけようとするが、麗奈が近づいてこない。


「レナちゅん?」


声をかけるカナ。


しかし反応はない。


「レナちゅーん?」


カナは寄って行って肩を揺すった。


「先食べてて。食欲ないから。」


「大丈夫?」


「平気平気。」


麗奈は振り替えって、カナに笑顔を見せた。


「そ、そう。じゃ、じゃぁ食べてるね。」


麗奈は机に突っ伏した。


カナはそれを心配そうに見ながら、くっつけた机に戻った。


「あいつどうした?」


「あたしが知りたいよ。」


カナはため息を吐いた。


カナが目の前の葵に目をやると、なにか勝ち誇った顔をして麗奈を見て、自分のお弁当箱をゆっくりと開けた。


そして、カナを見て嫌味ったらしく笑った。


カナはそれが鼻についた。


「海翔!昨日おばあちゃんの所から野菜ちゃんが届いたから、野菜炒め一杯作ったの。食べて。」


「おう。」


2人のやり取りを見ているカナは、どこか居心地が悪かった。


ため息を吐き、頬杖をつきながら、代わり映えのないお弁当箱の中身を摘まむ。


カナの後ろ側でイスが引かれる音がした。


カナは思わず振り返る。


「レナちゅん、どうしたの?」


「保健室、」


麗奈が腹部を押さえながら、苦しそうに立っていた。


「連れてくよ。」


「大丈夫、」


今にも倒れそうに歩いている麗奈。


カナはつい、麗奈の手を取ってしまった。


「大丈夫だって、」


麗奈はカナを突き飛ばす。


カナはそのまま地面に尻から落ちる。


麗奈もその影響で近くの壁に張り付く。


「大丈夫だから、」


そのまま壁伝いに廊下に出た。


「どうしたんだ。」


「あ、あたしが知りたいよ、」


カナは立ち上がり、お尻を叩いた。


「あたし、着くまで見守ってくる。」


「あ、あぁ。」


カナは走って廊下を出ていった。


海翔はそれを見守って買い弁のおにぎりを一口食べる。


「麗奈ちゃんどうしたのかな?心配だね。


ねぇ、野菜炒めどう?」


「ごめん、オレも見てくるわ。」


はやくもおにぎりを口の中に放り込み、すぐに立ち上がってスタスタと行ってしまった。


「もぅ。少しは私も見てよ。」


葵はお弁当箱を閉め、バッグの中にしまい、海翔を追いかけていった。

麗奈どうしたんでしょう…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ