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第百二十四小節;始まりから今の




拍手喝采の中、葵は教壇を下りた。


「海翔、ありがとう。」


「あぁ。」


海翔は黒いギターのハードケースを葵に渡す。


「私は待ってるから。


2人で武道館。」


「あぁ。」


海翔は曖昧な返事をした。


「絶対だよ。」


こう言う葵は笑顔ではなかった。


席に戻る葵。


「やっぱスゴいね。」


「ねぇ、サインちょうだい。」


海翔はそんな葵を見ながら、廊下に出る。


左右を見て、ダイゴの存在に気づいた。


「なぁダイゴ。麗奈見なかったか?」


「一緒じゃないのか?」


「どっか行っちまった。


ちょっと探してくる。」


海翔は駆け出す。


「オレも行く。


2人の方が速いだろ。」


海翔は急に止まり、顔だけ後ろを向いた。


「いや、いいよ。


行くところわかってるし。」


「そうか?ならいいんだが。」


「ありがとな。」


海翔は走り出す。


海翔が向かったのは部室だった。


海翔の予想は的中していた。


中に小さな人影があった。


「触れる髪の匂いが心苦しくて


消えるあなたの影をただじっと見ていた」


海翔は部室の扉に触れた瞬間に、開けるのを拒んだ。


「1人帰る道君を思いながら見る夕日に


手を伸ばす君に届け思い


私の切なる思い」


あの時とは比べものにならないくらい、綺麗で流れが生まれるような歌声だった。


そう一番始めに合わせて歌った時より。


「会いたいよ


この気持ちは


あなたのために生まれてきたの




どうして


あなたを


思い浮べると


胸が苦しいの」


海翔は扉から手を離した。


「海翔、いるんでしょ。」


海翔は驚いた。


「ねぇ、私にもう1曲創って。


バラードで、恋愛の、」


「いいぞ。


だいぶ待ってくれよ。」


「いつまでも待つよ。」


海翔は部室に入った。


中には笑顔の麗奈がいた。


海翔は笑顔を返す。


「帰ろうぜ、腹減った。」


「うん!」


海翔と麗奈は一緒に教室に戻る。


窓の外では、くどいくらいの桜の花が舞い散っていた。

 麗奈と葵の海翔をめぐる恋の争奪戦!始まり始まり!!

 海翔はどちらを取るのでしょうか?

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