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パリジェンヌ/頓着
『パリジェンヌ』
パリジェンヌという
パン屋さんがそこにはあった
短い間だけど足繁く通った
通っているうちに
そのパリジェンヌから
「いつも、ありがとう。今日はこれだけでいいの?」
私は、一度も戸惑いを隠せなかった。
隠そうとはしている。
それでもね、、
だから、言った。
「このぐらいで大丈夫です。」
それから、いつものお決まりの
あれを食べた、、
それはクロワッサンかも知れない
クロワッサンなんて、、さ、
それから駅のホームで
茫然とバッハを聴いていた
Apple Music
地下鉄に乗っていた
あの子は、地下鉄に乗っていた
それから私は嗚咽した
抱きしめたくなかったから
『頓着』
結局
分かる人にしか
分からない世界なのだから
ぼくは何をそんなに遠慮しているのだろう?
ぼくは前世で聖徳太子の黒駒を世話し
古今目録抄の下巻でも
その秘伝が書かれている
調子麿だった、と
ヨハネ・ペヌエルリーディングで
言われたからといって
誰が気にかけよう。
ぼくが
「エゼキエルよ…、エゼキエルよ、エゼキエルよ!」
と、言いながら
夢から覚めたとして
それを書き残しておいても
誰が見るわけでもないのに




