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水鏡の泡
歩道橋でふと空を見上げると
八雲が迫ってきた
ぼくは驚いた
ほくは驚いたまま歩いていった
そうしたら今度は公園の木が
ぼくを案内してくれた
色んな顔の木々が次から次へと
変身していった
それは、池やすすきになったり
坂道や小路
夕焼け、人
駅
空気
月
金柑
不思議な色の煮沸
音楽
日輪
様々なイラストや虚像
白鷺
猫、犬になった
それから通りすぎた
家の窓越しから
チワワがぼくに吠えていた
窓を肉球でガタガタと
遠く離れている電線塔のライトも
ぼんやりと点滅している
ぼくは星のなかに
入りたくなった
今では月が主
月の中には花が咲いていた
花は彼岸花
ぼくは彼岸花を見たときに
微笑みが促された。
彼岸花は言った。
「家のデザインだけではなく、設計図もそろそろ書いて下さい。風雪や熱さに耐えられる設計を!」
ぼくはもはや
人波に帰れなかった
一人部屋に閉じ籠ってから
設計図を書きはじめた。
誰一人として
水溜まりをバシャバシャした




