サトルの昇天
一人の青年がいました。
彼はとても優しい心の持ち主でした。
たとえば、蚊の一匹さえも殺せないほど
命あるものを慈しみ
心を寄せていました。
ある日のこと
青年は、神様の声が聞こえるようになりました。
そして、神様は
青年に言われました。
「優しい我が子サトルよ。サトルには世界を救う力を与えることができるぞ。その代わりに、この世には、いられなくなってしまうがな。」
サトルは思いました。
父や母や友達、大切な人々のことを思いました。
ぼくがあの世に行ってしまうと
ぼくを愛してくれている人々が悲しんでしまう、と。
しかし
サトルは考えました。
神様がおっしゃられることなのだから
きっと、世界中の人々や自然が良くなることなんだ、と。
そして
サトルは4000日間の修行を経てから
決心しました。
「神様。ぼくで宜しければ、この世を去ります。ぼくがこの世を去れば、きっと、この愛する世界は良くなることでしょう。」
「よし、サトルよ。安心しなさい。あなたの住むこの世界は必ず良くなっていく。あなたの愛する家族や友人も、あの花や鳥達も。」
サトルには太陽のような力が能えられ
サトルは、力強く言いました。
「はい!神様!ぼくをあなた様の御前に連れて行って下さい!この世界のために」
そして
青年は眩しい白妙の光に包まれて
骨さえも残さずに
天国に旅立ちました。
それからというもの
この世界にあった地獄の底が癒されて
以前よりも、よろこびごとが増えていき
以前よりも、人々や自然は
本来の彩りや輝きを取り戻し
はじめました。
その後のサトルは
神様や天使たちと一緒に
時々、大切な人々の夢や幻に
現れたり
鳥達が羽ばたく風や
花になったり、獣に化けて
この世界を共に、支え続けました。




