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メリージェーンに呼ばれて
少女はいつの日も
母や父が帰ってくる日を
待ちわびている
今か、今かと、
待ちわびている
待っているあいだ
少女は手当たり次第
普段やらないことをやりはじめる
待っているあいだや
待ち時間というものは
とても厄介である
父や母が言い残した
記憶を辿りはじめる
その欠片や破片
ひとつひとつを
神言だとして
呼吸をしはじめる
もらったお小遣いを
使いきっても
玄関のまえで
待ち続ける
1日がたった
2日がたった
パニックになった
ブルーベリーグラビトンキャンディープラスチック
それでも帰って来ない
父と母は帰って来ない
少女の尊い小さな祈りや想いは
しゃがみこんだまま
涙は時を進めないまま
それから
はらぺこのまま
少女は震えながら立ち上がる




