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月の舞 / 聲の一閃

『月の舞』


1

月があり

はじめて美と憧れが

月があり

二藍色(ふたあいいろ)の中で息が

月があり

墨汁

月があり

鍾馗蘭(しょうきらん)と髪の毛糸

月があり

道半ば

月があり

一が

月があり

(ともしび)



2

半月を霞めることしかできず

心はいつまでも湖岸にあり

影も虚しく

逢うことは未だ赦されておらず

人の浮き世をさまよってばかり

太陽は

我に能わず

太陽は

我には能わず

漆黒の紫陽花がよく似合う

(しとね)からは起き上がれず

望みもない

ただ魘夢(えんむ)の鏡のなかで

哀れな息を数えるのみ

それから

有り余るほどの

星々の明滅を少しの情緒さえ

浮かばないまま

褥の(しわ)を増やすばかり



3

土を踏む、土に染まる

白詰草(しろめつくさ)は風を呼ぶ

風は曲線を描き

やがて小さな影に憩う

木々の梢で星辰は光る

東方からは宴の声が聴こえてくる

心余り、辺りにかまうこと赦されず

ただ立ち尽くす



4

その光は

愛の子らの夜の眠りを

夜の夢の庇護者を呼ぶ

その光は

太陽の心を休ませて

星々や安らかな虫の音に

静かな草々の露にいざなう

それらは四方に耀いて

それらは四方に耀いて


『聲の一閃』


廓大(かくだい)されたペンタプリズムのなかで

高らかにのびあがって

それから宙であゞ回転してから

くわゆおんくわゆおんと

黄蘗(きはだ)の波紋に染まり

けざやかな語調で脊髄(せきずい)を震わせたあと

落花生の破片に住んでいた青龍に

食べられてしまって

生命の不可思議な欣喜(きんき)が訪れ

あまたに羽ばたける新生が閃き 

翠色(すいしょく)の雲を泳げば

彎曲(わんきょく)した雷光が姿を現し

その天稟の力を告白する


これらの

ホロニックな螺旋と放射線から

悠久な水の楕円のとある形状が

放出され、描き出されて

それらがそこかしこを

ほらりふわりほらりふわり

ほらりふわりほらりふわりと

舞い降りて

御命の(こえ)の中心が

ささやかな狂熱を持って

ただただ響き渡り

ただただ響き渡り

次第に

総合の発意に到る


ーーーーーーーーーーー


【スケッチ】


楽しいことをいっぱいしよう

苦しいことが

楽しくなるまで

夢をたくさんみよう

現実に

浸透するまで

ただひとすじの恋をしよう

ただひとつだけの

愛になるまで

色んなカラーを出していこう

決して染まらない

オリジナルカラーが滲むまで

踊りだしちゃおう

誰かの血が騒ぎだすまで

シンプルに生きよう

コンプレックスが活かされるまで

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