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一閃 / 虹
『一閃』
光束が裂けた
この瞬間は
過去や前世、未来から
由来している、と
虹彩は絶えず見せてくる
わたしは心深い目になって問う
何故、人は存在しているのか?
溌剌と静寂のとばりから
それは、たとえば
創造
世界を協同創造するため
では、創造のまえにあるものは?
不動と流動のとばりから
それは
唯一の源である
純潔な愛や慈悲の泉
ゆえに…
こうして光源は
わたしの瞼からまどろみ
わたしの内外を
時には炎、時には水
時には風や土
金縷梅の幹のまにまとなって
洗い清め
世界を映し出す
その世界に
わたしは轟きながら
再び、立ち上がる
『虹』
あなたとわたしに
金箔の朝
虹が架かる
今は
西瓜とアイスクリーム色で
こんなにも
はっきりと愛の約束を繋いでくれている
もう
あいまいに話すことは
やめることにしたよ
けれども
夢のコトバが完成してからじゃないと
話せないこともあるんだ…
悲しみの仮面と薔薇は
さっき
果てしない宇宙に
明け渡したところだよ…
わたしはこれから先何があっても
決して後ろは振り向かない
おおばかものになって
ひたすら前を向いて
翔ぶ
それから
ひたすら前を向いて
翔ぶ